【東京都:本郷】近江屋洋菓子店 本郷店 *最終日訪問* 2017年4月28日閉店
東京の喫茶店に戻ってきた。今日の記事は、特別な場所である
近江屋洋菓子店の本郷店だ。
惜しまれつつ、2017年4月28日(金)19:00を持って閉店した。
近江屋洋菓子店、この佇まいは現代にある幻だった。
ガラス扉に描かれたパラソルの下で喫茶する女の子のイラストが印象に残っている。
高い天井、大きなガラス扉に金色の絶妙なフォントで書かれた"Omiya"の文字、
ノスタルジックな制服の店員さんを見ていると、まさしく正統派洋菓子店だと思う。
お気に入りは、ひとりで食べきれるサイズの夢のようなホールショートケーキだ。
カップを購入して、イートインコーナーでドリンクバーを楽しむ(もちろんカップはオリジナルイラスト入りだ)。
ドリンクバーには季節のフルーツジュースに、ミルクチョコにコーヒーがならぶ。
折り目正しくならんだコバルトブルーのスツールに腰掛け、
船底のような天井を眺める。
ホールケーキのような大きな丸い照明は、明るすぎず雰囲気満点だった。
懐かしい。
小さい頃、休日はよく祖母と一緒にデパートに出かけた。買物をしたあと、
食堂でプリンアラモードを食べた遠い記憶がある。そんな温かい気持ちを思い出すお店だ。
最終日であるこの日は、外まで行列ができていた。順番を待つ間に並んでいる人たちと「寂しいね」といいながら、共に閉店を惜しんだ。
子供の誕生日ケーキはいつも近江屋さんのものだった、というマダムは
娘さんから閉店の知らせを受け、最後に食べておかなきゃ、、と思ったという。
「今晩、ケーキを食べに娘が孫と帰省してくるのよ」という「当時はケーキといえばここくらいしかなかったから」
近所に近江屋さんがあったなんて羨ましい。開店時刻についたつもりだったが、
ショーケースはすでに品薄だった。
最後に食べておきたい気持ちはみな一緒だ。それでも、完成するたびに続々と商品が納められていく。
今日だけでも、ものすごい数のお客さんだと思う。いったいどのくらいの量を作ったのだろうか。
お疲れ様でした。そして素敵な空間を演出してくださった店員さん、
ありがとうございました。
淡路町店は、これからも営業されるとのことだ。
今度は、きょう買えなかったアップルパイを食べに行こう。
【2017年4月訪問】