【東京都:西荻窪】コーヒーロッジダンテ 喫茶店のチーズケーキ編
今日は西荻窪のコーヒーロッジダンテ。
きっと『神曲』を書いたダンテからとったんだろうな。とは言うものの
森鴎外もダンテも未読だ。
店先に自転車が止まっている。この風景がいい、インテリアも素敵で、艶やかなチョコケーキのようなカウンターの椅子が目を引く。
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私にとって、チーズケーキとコーヒーは、ピザとコーラ、カレーとラッシーのようにお決まりのコンビだ。コーヒー専門店ではわたしはこのマッチングのキューピット役になる。
私は、好きなものを食べることで絶妙な安全性を保っている。だから海外小説を読んでるときもつい気になるのは、食文化の記述。
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最近読んだ本はドン・ウィンズローの『ストリート・キッズ』。
ロンドンが舞台の小説でとにかく紅茶が飲みたくなること必至。それも高級茶葉でなく100ピース入りデイリーユースの丸形のティーバッグのものを。本書では蜂蜜をたっぷり絡めた紅茶を飲むシーンが幾度となく出てくる。それにオートミールのクッキーがお供だ。
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オートミールクッキーが恋しくなった。
下の写真は私が10年ほど前にレシピブログを書いていた頃のオートミールクッキーの画像。『ストリート・キッズ』に触発され、また作ろうと思い当時のレシピを検索した。
当時は蕁麻疹等に悩まされており食生活に異常にこだわっていた。だからこれ、材料のクセが強い。小麦粉の代用にキヌアや米粉を使い、バターの代わりに菜種油やリンゴピューレを代用している。いかに代用品で最もらしくできるかのチャレンジをしていたのだけれど、今は幸いそのチャレンジも必要ない。
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そういえば最近の私、やらないということに満足するようにしている。いまなら材料集めに奔走するのをやめる。どこかでオートミールクッキーを買おうか。........ものづくりは専門家に任せると決めたのだ。でも出来上がったばかりのクッキーのあの柔らかさ、温かさは手作りじゃないと味わえない。その葛藤のあいだでしばし揺れる。凪の時はいいけど、荒波ではバランスが崩れる。葛藤もほどほどに。
ドン・ウィンズロー『ストリート・キッズ』のティータイムごっこは、
いつか気になるオートミールクッキーを見つけた時に叶えよう。
そのときは、「あ、食べたかったんだよね!」くらいの偶然を装うと思う。
封印した情熱は、思い出したときにまた楽しめる。
【2015年10月ごろ訪問】