純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【愛知県:名古屋市港区】FAT 復活したとんスパ

お腹が空いた純喫茶丸は、名古屋港からほど近い喫茶店に入る。このゆる〜いイラストの看板に魅了された。この辺の地名は「入船」という。港区入船という地名...かっこいい!最寄駅は地下鉄の名古屋港駅だ。

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Twitterでお世話になっている喫茶店仲間からここにマッチがあると聞いてやってきた。メニューは基本カレーやパスタだから、はしごするならお腹の具合に気をつけて!とありがたいアドバイスをいただいていたが、潮っ気をあびて小腹がすいたので、カレーがくらいなら入りそうだった。港からすぐそばにあり、ここに来るまでに他のお店へ浮気する隙もないし、ここは入店決定だ。

この看板のおじさんは、入ったらわかるが、マスター(ご兄弟でいます)にそっくりなのだ!ほのぼのする。さて、オーダーは何にしよう。
カレー類が豊富とは聞いていたが、めうつりする。メニュー表をくるくると、おもてにうらにしながら迷った。
ん?「なんだろう?とんスパって」気になるメニューがあった。そのお店の特別メニューがあれば頼むようにしているが、どうやらFATでは、〈とんスパ〉というものがおすすめらしいが、馴染みのない料理名だ。メニュー表によると、とんかつとスパゲティの組み合わせらしい。カレーがはいることを予定していたお腹に、とんかつを食べてもいいか相談する。

 

しばし迷っていると、店内に、ある日の新聞記事を発見した。


築地口のとんスパ復活!”


との見出しだ。どうやらとんスパは、20年ほど前に閉店してしまった名店のメニューを復刻したもののようだ。地元の人たちの声に応え、正式メニューにしたらしい。よし!これにしよう。カロリー?なにそれ。胃もたれ?大丈夫。
よし!もう迷いはない。

やってきた〈とんスパ〉は太麺のスパゲティの上に、トマトソースがかかったとんかつが乗っている。トマトベースの餡を、太めの麺に絡めて食べると美味しいのだ。
地元商店街にあるお肉屋さんのとんかつを使っているようだ。
とんかつはサクッと揚がっていて軽めだった。ペロリと完食した。すっごく美味しい。

 

 

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店内に船や岸壁クレーンの写真がたくさんあったので、港に寄り添ったお店なんだと感じたので話しかけてみた。
「金城ふ頭に船が移っちゃって、働いている人たちもみんな向こうに行ってしまった」と少し残念そうのでだ。
「船の仕事してるの?かっこいい!」と言っていただき、単純な私は、お腹もいっぱいで心もいっぱいになった。

 

ここは港で働く人々の胃袋を支え、地元の方に愛され、名古屋港の観光客を喜ばせるお店だ。朗らかな明るい接客のお店だった。
しかもここのマッチは可愛い。

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愛知県名古屋市港区入船2-2-11

【2017年4月訪問】 

 

【愛知県】名古屋港とポートビル

純喫茶丸の 今回の目的地は、ここ名古屋港だ。いつもの弾丸の見切り発車である。
持ち物はスマフォと少しのお金だけ…。ここは名古屋港であっているか?駅名が名古屋港だからここであっていると思う。とにかく来てみた。

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見てみたかったのが、貨物船の岸壁のことだ。とある岸壁をこの目でみたかった。はず…だった。私が海や港が好きな理由は、水辺が好きだというのもあるが、船が係留している姿や、クレーンや岸壁施設の雰囲気も好きなのだ。
四六時中ビットやボラードの係船力について考える職場にいると、刷り込まれてくる。ビットやボラードとは、波止場にあるもので、よく映画で石原裕次郎さんが足を乗せてカッコつけているあの鉄の柱のことだ。

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⇧⇧これです⇧⇧


事務所で仕事をするのがメインなので、あまり現場に出向く機会はなく、岸壁の場所についてはあやふやだった。調査すればいいのだけど、半分行き当たりばったりくらいが面白いのだ。私の港巡りの旅は、移動手段は公共交通機関と徒歩にするのがマイルールで、 タクシーで乗り付けるのはダメとしている。そして関係者以外も立ち入れる範囲を行動している。そして、港ちかくの喫茶店を見つけて入る。

 

ここから近い喫茶店にはいったとき、名古屋港の話をよく聞くと、貨物船がつくのはここではなく、少し離れた場所にある「金城ふ頭駅」だという。この「名古屋港」は「ガーデン埠頭」と呼ばれている。かつてはたくさんの貨物船や客船が着岸したが、現在は水族館や南極船ふじの係留を呼び水にして、観光地として機能しているらしい。

 

貨物船は見ることはできなかったが、名古屋港は楽しかった。遠くに工場群が望めるし特に名古屋港ポートビルはお気に入りだ。客船をイメージした曲線美の館内は、白とブルーのタイルで穏やかな気持ちになった。
ガーデン埠頭は、青い空に白い建物が映える。1階の休憩室は無料で使用でき、船着場の待合室のようでエトランゼの気分だ。
風が強く寒い日は、屋内から海を眺めるたら気分がいいだろう。
きっと対岸が貨物船の岸壁だろうなと思う。金城ふ頭にいくのはまた今度でいいや。 海を見ていると「まぁいいか」という気持ちになる。
しかし、あたりにまったく人気がない。港ってあまり人気のないスポットなのかな〜と少し失礼な感想を持ったが、なんてことはない。
名古屋港ポートビルに訪問した月曜日は、休館日だったのだ。
嬉しいような悲しいような。未来系カプセルのようなエレベーターにのって、展望室にも登ってみたかった。休みだとわかるとリベンジしたくなる。

今日は外観だけを楽しむとしよう。

 

後日知り合いの船乗りさんにポートビルの写真を見せたところ「練習船で行ったところだ」と教えてくれた。
航海士や機関士になる人は、商船学校でまなび、練習船である帆船で乗船実習をする。例えば日本丸海王丸のように。船乗りさんは、練習船で名古屋に来たという。
私は勝手気ままに港町に遊びに来ているけど、誰かの軌跡を辿っているとしたらそれも面白い。港周辺の名港ビルディングも船員待合所も、レトロな建物ですっかり魅せられた。潮を大いに浴び、満足した私は、このあと名古屋港ちかくの喫茶店に入った。
その模様はまた明日かこう。

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 【2017年4月訪問】

 

【愛知県:名古屋市東区】ボンボン “乙女喫茶店とタイタニック”

純喫茶丸は今日も名古屋をいく。
ボンボンは名古屋市東区にある喫茶店だ。地下鉄の高岳駅が最寄りである。 

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見つけた瞬間、漆黒の海に浮かぶ豪華客船だと思った。
高岳駅から歩いていくと、暗闇に輝く一角がみえてくる。
明るい時間に全体像を見てみたいとも思ったが、灯りがともされた夜の姿がかっこよかった。

 

ここ、名古屋の喫茶店巡りをする際さいには、もともと絶対にリストから外せない喫茶店だった。くわえて、俄然行く気になった理由がある。
あの小倉トースト元祖の〈まつば〉のママとの会話がきっかけだ。
「これからまた他の喫茶店に行くの?」と聞かれ、「ボンボンです」と答えると、
意外な話が聞けた。以前、〈まつば〉でボンボンのケーキを提供していたことがあるそうさ。
ボンボンは当時〈山本製菓〉という名で、卸をおこなっていた。
ボンボンが卸をしていた話は聞いたことがあったが、じっさいに卸しを利用していたお店から話を聞けたので、縁が数珠繋ぎになったようで嬉しかった。

 

客船のような外観だが、店内はアメリカンダイナーのようだ。
アメリカンダイナーのようだ、というのは、よく喫茶店好きがつかう比喩だと思うが、きっと喫茶店が好きな人は映画も好きなのだろうと思っている。
よくハリウッド映画に出てくる。


この日は、なるべく店内が見渡せる窓側の端の方に座った。そこは禁煙席だったが店の内側が喫煙席だと思う。東郷青児氏の絵が飾ってある方だ。
ベージュとブラウンの椅子のインテリアが可愛かった。今度はそっち側に座ってみたい。

ここで頼むものは、サバランと決めていた。
夜に訪問したので、でショーケース内のほとんどが売切れていたが、サバランはまだあったので、ほっとした。洋酒にしっとりつけこまれたサバランに陶酔した。。

 

私が扱っていた船種は貨物船なので、客船の世界は疎い(お客さんとしていつか、乗ってみたいけど)
だから思い浮かぶ客船というと、いまだにタイタニック号だ。
当時、映画館で5回ほど見た。上映当時は船の仕事とは無縁だったが、なぜそんなに何度も観たのかというと、ディカプリオが好きだったからだ。


タイタニック号の事故が起こった当時、どうやら操船だの舵きりオーダー方法が混在していた時期だった。”舵をきれ”というオーダーには、基準にすべきが、柄(え)の向きなのか。舵の向きなのかが、人によって異っていた時期だ。国際的な統一のルールがなかった存在してなかった。と聞いたことがある。
そのあたりが、キーポイントなのだが、
日本語字幕では、その部分がどうやら誤訳している模様だ。
それをこの業界で仕事を始めたあとに知った。私の本業は海運用語の英訳だ。
その誤訳騒動(?)にとても興味を抱いたが、その話題に乗ってくるのは船乗りさんだけだった。それも、ちょっと偉い人たちだ。
つまり老練の船乗りさんである。陸上勤務の同僚に話すと、「そんなところ誰も気にしてない」と一笑に付された。

 

その後業務に忙殺され、タイタニックの誤訳事件のことも忘れていたが、
ふと、数珠繋ぎに思い出した。実はまだ検証はできてないが、私なりの結果が出たらまたいつかその話をしたいと思う。

 

ちなみにボンボンの発音だが、地元の方のアクセントは、おぼ
っちゃまのボンボンと同じだった。
ボンボンの創業者がその名をつけた理由は、

”運”の ”ん” がつく名前は、縁起がいいと思ったからだそうだ。
だから
”ん” が2回入る名前にしたそうだ。
でも、やっぱりフランス語の”  Bon”からとったのではないかと、
勝手に思っている。

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愛知県名古屋市東区2-1-22

 【2017年4月訪問】

【愛知県:名古屋市瑞穂区】シューカドー “舵のある喫茶店”

純喫茶丸は、まだ名古屋の喫茶店を巡っている。
シューカドーは、名古屋市瑞穂区にある喫茶店だ。
最寄は、名鉄線の堀田駅だが、わたしは地下鉄の堀田駅から10分弱歩いてきた。
なぜなら地下鉄のドニチエコきっぷを持っていたからだ。

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遠くの町にきたら、喫茶店巡りをするときは、たいていはしごする。
次はどこにしようかと、一つまえの喫茶店で本腰を入れて決めるというスタイルだ。
自然に任せて歩みを進めたりとめたりする。そのときの疲労感や、空腹感によっても決める。

 

シューカドーは、先日記事にした瑞穂区のマドカで考えた。
営業時間から、距離やお腹の空き具合からみてもちょうどよかった。

 

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ネットの写真投稿サイトで確認して、メニューの調査をした。
どうやら自家製アイスクリームがオススメのようだ。
プリンアラモードにクリームソーダの写真が多かった。
その中で、ひときわ輝く美味しそうな名古屋めしを発見した。美味しそうだった。
夕飯はここでたべようと決めた。喫茶店メニューもいいけど、名古屋めしもいい。

 

この日、名古屋に到着してから、すでに3軒の喫茶店に入っていた。
移動と慣れない土地との組み合わせは、好きなことだから感じにくくなっているけど、脳が疲労しているのはわかる。
たくさんメニューがありすぎて(←本当はうれしい!)判断力が鈍り、読みこなすことができない。せっかちな気もしないではないが、ここは素直にお店の人に聞こう。

 オーダーした「鉄板に乗っているナポリタンください」と。あとで確認すると、
正しいメニュー名は〈スパゲッティ イタリアン玉子付き〉だった。
赤いウィンナーが味の決め手だ。とても美味しい。それと、数ある名古屋喫茶店の中からシューカドーを選んだ理由は、舵があるからだ。名古屋の喫茶店によくある、半地下と1階と中2階という構造であるのもいいな。中2階の船首方向に、舵がついているのを発見し、迷わず階段を上って中2階にあがった。
まるで船橋(ブリッジ)にいるような気分だった。
ナフキンにキュッと包まれたシルバーや、透明の水色のおしぼりホルダーが懐かしく、時を忘れて”シューカドー”という寄港地に身を委ねた。
お腹いっぱいのせいもあるが、うとうとしてきた。

 

 この日は名古屋旅の第一日目だ。まだあと1軒行こうと思っている。
シャンデリアの描かれたマッチも頂いて大満足だ。さあ、そろそろ出航しよう。

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愛知県名古屋市瑞穂区堀田通9-1

【2017年4月訪問】 

【東京都:本郷】近江屋洋菓子店 本郷店 *最終日訪問* 2017年4月28日閉店

東京の喫茶店に戻ってきた。今日の記事は、特別な場所である
近江屋洋菓子店の本郷店だ。

本郷三丁目が最寄駅の喫茶店である。

惜しまれつつ、2017年4月28日(金)19:00を持って閉店した。

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近江屋洋菓子店、この佇まいは現代にある幻だった。
ガラス扉に描かれたパラソルの下で喫茶する女の子のイラストが印象に残っている。

高い天井、大きなガラス扉に金色の絶妙なフォントで書かれた"Omiya"の文字、
ノスタルジックな制服の店員さんを見ていると、まさしく正統派洋菓子店だと思う。

お気に入りは、ひとりで食べきれるサイズの夢のようなホールショートケーキだ。
カップを購入して、イートインコーナーでドリンクバーを楽しむ(もちろんカップはオリジナルイラスト入りだ)。

ドリンクバーには季節のフルーツジュースに、ミルクチョコにコーヒーがならぶ。
折り目正しくならんだコバルトブルーのスツールに腰掛け、
船底のような天井を眺める。
ホールケーキのような大きな丸い照明は、明るすぎず雰囲気満点だった。

懐かしい。

小さい頃、休日はよく祖母と一緒にデパートに出かけた。買物をしたあと、
食堂でプリンアラモードを食べた遠い記憶がある。そんな温かい気持ちを思い出すお店だ。

最終日であるこの日は、外まで行列ができていた。順番を待つ間に並んでいる人たちと「寂しいね」といいながら、共に閉店を惜しんだ。

子供の誕生日ケーキはいつも近江屋さんのものだった、というマダムは
娘さんから閉店の知らせを受け、最後に食べておかなきゃ、、と思ったという。
「今晩、ケーキを食べに娘が孫と帰省してくるのよ」という「当時はケーキといえばここくらいしかなかったから」

 

近所に近江屋さんがあったなんて羨ましい。開店時刻についたつもりだったが、
ショーケースはすでに品薄だった。
最後に食べておきたい気持ちはみな一緒だ。それでも、完成するたびに続々と商品が納められていく。

今日だけでも、ものすごい数のお客さんだと思う。いったいどのくらいの量を作ったのだろうか。

 

お疲れ様でした。そして素敵な空間を演出してくださった店員さん、
ありがとうございました。

 

淡路町店は、これからも営業されるとのことだ。
今度は、きょう買えなかったアップルパイを食べに行こう。

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【2017年4月訪問】

 

【愛知県:名古屋市瑞穂区】マドカ “一服の清涼剤”

名古屋の喫茶店シリーズを続ける。
マドカは、名古屋市瑞穂区にある喫茶店だ。
地下鉄の、瑞穂運動場西駅が最寄りである

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「一服の清涼剤のようだ」
むかしよく読んだ本のフレーズが、ふと浮かぶ。
ワイングラスかジュースのグラスだろうか、この看板のフォルムに一目惚れをしてここにきた。

 

他の看板もすごく素敵だった。この高ぶった気持ちを抑えるための一服が欲しい。
最近は、レモンスカッシュがお気に入りの清涼剤である。

 

マドカの主は、可愛いおばあちゃまだ。思わずお手伝いしたくなる。
他のお客さんに倣い、カウンターまでお冷とおしぼりをとりに行く。

おしぼりはそこにはいってるよ、と言われた通り、
カウンター上の小さな冷蔵庫から取り出す。

まるで親戚のお家にお邪魔したような気分だ。初めて訪問したのに、常連さんのように、受け入れてくれる懐が嬉しい。

 「こういう古い喫茶店は、いまはなかなかないでしょ。レモンスカッシュ珍しいでしょ?いちから絞るよ」とおばあちゃん。

レモンは、半分を絞り、もう半分はカットしてグラスの中におとす。
シュポン!という炭酸水の栓を抜く音が爽快だった

 

噂には聞いていたが、名古屋の喫茶店では、必ずと言っていいほどおまけがつく。
レモンスカッシュにも豆がついてきた。初おまけを堪能しよう。

 ご縁があったらまた来てくださいね、と会計時に声をかけてくれた。喫茶店巡り好きなの?いいご趣味だね、とも。

可愛いおばあちゃまとのご縁は、つないでいきたい。

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 【2017年4月訪問】

 

【愛知県:名古屋市西区】まつば “小倉トースト元祖

名古屋の喫茶店シリーズ綴る。まつばは、名古屋市西区にある喫茶店だ。
小倉トーストを出した元祖の喫茶店ということと、外観が好みでいちばんに訪問した。

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大正5年開業の〈満つ葉〉というお店がルーツだ。そのお店はもうないが、
ここで初めて小倉トーストが誕生した。

学生さんがぜんざいにトーストを浸して食べていたことをヒントにして、誕生したメニューだという。先代が〈満つ葉〉で10年ほど働いたのち、暖簾分けで、昭和8年に〈まつば〉をここに創業した。

今年でもう84年目だという。現在のマスターは2代目。49年間ずっとお店一筋だ。
 いまでは、現存する最古の家族経営の喫茶店だという。
面白いことに、メニューに小倉トーストはない。

思わず、小倉トーストはあるのかと、訊ねたことをきっかけに〈まつば〉の歴史についてお話がいろいろと聞けた。

 小倉トーストなんて甘いだけ、ただあんこ挟んだだけよ。でもうちのはバターも塗ってあるから、という。

「特別じゃないからわざわざメニューに載せてないの」

「最近小倉トースト食べたいって人がよく来るようになったんだけど美味しい?」

「何を読んできたの?」

 と聞かれ、

私は、東京から来たこと、『名古屋の喫茶店』という本を読んできたこと、

ここが小倉トーストの元祖と知り訪問したことを伝えた。

 「それでこの円頓寺に来てくれたの?」

「世の中何が起こるかわからない面白い」

「ここを目指してきたなんて、びっくりして......もう。たまげた」

と喜んでくれ、とても丁寧にもてなしてくれた。

 

すると意外な話もきけた

「ここは古くてね。椅子も穴があいてて。こんな状態でお客さんを迎えるなんて

失礼だから改装しようと思っているの」

今年中のはなしだという。聞けば、息子さんがお店を継ぐ計画があり、その際に改装するそうだ。

この空間が改装されるのは寂しい気がするが、それはおもてなしの心ゆえだ。

「最先端のカフェ風にするつもりはないのよ。お客さんを迎えるのに穴が空いたソファだったらあまりにも失礼でしょう?」という。

真のプロフェッショナ魂と、サービス精神溢れるママやマスターが好きで、お客さんが集まるんだろう、と思った。
だからこのお店は長く愛されているのだと。

長く残るのは理由があるのだ。
マッチは倉庫を掃除したら、一箱ぐらい出てきたようでいただけた。

とにかくこの貴重なお店が、まだまだ続いていくようでホッとした。

帰ろうとすると、東京から来た子をほっておけないと、四間道(しけみち)という

古民家が並ぶ街並みや、円頓寺商店街をわざわざ案内してくださった。

かつての円頓寺商店街は、もっと距離が長く、お店がたくさん、お客さんもたくさんで

賑わっていたことや、

閉店が相次いで、一時期寂しくなったけど、最近は古民家を改装した新しいお店を新店若い人たちがオープンさせていることを、いろいろ教えてくださった。

近くの名古屋城の観光の帰りでもいいので、多くの人にぜひ〈まつば〉に寄ってほしい。

大好きなお店になった。

 

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 【2017年4月訪問】