純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【愛知県:名古屋市中村区】ロマン 六分儀で星を見た船乗りさん

さてまた名古屋の喫茶店の記事にもどる。記事がたまっているので、どんどん書いていこう。
喫茶ロマンは名古屋市中村区の喫茶店だ。最寄駅は地下鉄 桜通線の中村区役所前駅だ。

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この辺りは中村遊郭周辺で、女性だとなかなか行きづらいかもしれない。
でも私は幸か不幸か、そうとは知らずにこの町にきた。あまり特別な感情はなかった。でも名古屋の中村遊郭は、どうやらその他のそれと比べると地域となじんでいるようだし、訪問したのは朝だったので、特に何も感じなかった。
行きたい喫茶店を目指してまっしぐらで周りが見えてなかった。

中村区役所では、幾つか喫茶店をリストアップしていた。
ロマンは、駅の出口を出たらすぐに発見できたので安心し、もう一軒の候補を先にまわることにした。そちらは残念ながら営業していなかった。(休業か、もしくは早めの閉店だったことを願う)その意気消沈した気持ちは、ロマンの前に来たらそれはもう吹き飛んだ。波のようにうねうねした庇とピンクの扉が可憐だ。
看板もコーヒーを飲んでいる少女?少年?がかわいい。
レインボーのような窓のラインも素敵だ。好みの佇まいだ。
昭和の遊園地のイメージがする。ここのマッチは虹のデザインなのだ。
直前に訪問した喫茶店が閉まっていて、がっかりして曇った心に思いがけなく
架かった虹のようだ。

 

「食事はないの飲み物だけなのよ」とのことだったが、それで充分だ!
アイスティーはぽってりしたグラスで供された。
窓側に座り、脇を通る車を眺めながら、
この車は名古屋を走っている!私はいま名古屋の土地に立っている!(座っているけど)と、興奮した。
わたしが純喫茶に感じる憧憬や芸術性をこの店名は表している。

 

不安定な世の中である。落ち着かない気持ちや世知辛さの反対側にあるものが”ロマン”だとしたら、わたしが純喫茶がすきな理由がなんとなくわかってきた。

 

六分儀で星の位置を測り、船の位置を確認していた時代の船乗りさんともお話しする機会がある(いまはデジタルで海図をコンピューターでみられる)。空の星の位置がわかるってロマンティックだ。それに海上で過ごしていると、あまりある時間の娯楽としてジャズやクラシックをはじめとした音楽や、詩、文章やエッセイを書かれたりする人もいる。士官なので理系で論理的な思考をお持ちの方が多いが、結構ロマンティックな方々も多い。合理性とロマンを併せ持った方々だと思う。

 

以上のことを 喫茶ロマンで考えた。

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愛知県名古屋市中村区太閤通4-7

【2017年4月訪問】