【東京都:中野坂上】モンプチ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その6*中野坂上*
モンプチは中野坂上にある。大通りから脇道にはいった住宅街の喫茶店だ。
パリで見かけるような一軒家店だなというのが第一印象だった。
ストライプの庇と、モンプチという名前がフランス語だからそう思ったのだろうか。
フランスの個人商店のお話
パリは個人商店を守る法律か条例かがあるらしく、デパートをはじめ大型店がセールできる期間が決められているなど、価格の不当競争が起きないようしているらしい。そしてチェーン店が進出しようとすると、住民は反対する。だから都市部でも個人のお店が存続していて、歴史のある個人商店が多く残っている。
カフェもそうだし、魚屋さん、八百屋さん・・・・・・。
BS日テレの番組、〈パリで会いましょう〉で感化されたかもしれない
数年前にBS日テレで、〈パリで会いましょう〉というドキュメント番組がO.Aされていた。まいかいパリに住むアーティストが、カフェでコーヒーを飲むシーンから始まる。カフェから始まる物語だった。カフェのオーナーへのインタビューがあったのも、この番組が好きなポイントだった。
東京だって、どこの町にも古くから人々に親しまれているJAPANESE CAFEがあるはずだ。その町に普通に暮らす人たちにだって、喫茶店から始まる物語があるんだとおもった。その番組こそ、私が喫茶店巡りを始めたきっかけかもしれない、とこの記事を書いていてふと思った。
メリーゴーランドのような可愛さ
モンプチはこじんまりとした、でも存在感のある個人の喫茶店だ。こういうお店を住宅街に発見するときって、小さい頃、ファンシーショップの心くすぐる看板を見つけた時の気持ちに似ている。なんとなく遊園地のメリーゴーランドのような、ファンシーな空気感が漂う外観だ。看板の形もこだわっている。
看板のフォントやフォルムは、個性を彩るのに大事なポイントだ。
むかしは、『なかよし』と『りぼん』を愛読していた。
大人になってもそういう世界感が好きなんだ。喫茶店巡りを通して、自分の好きなものの根っこを追い求めるにつれ、好きだったことやものを再発見すると、むかしのときめきの気分を思い出せる。わくわくする。
ここでは、ブレンドコーヒーを頼んで読書をしたが、
そういう時間が、いちにち中にほんの少しでもあると張合いがぜんぜんちがう。
マスターも優しかった。このお店の雰囲気のように穏やかな方だった。
最近は、船と船員さんたちのエピソードがない代わりに、
元外航船員だった叔父が
撮影したプリント写真を掲載している。
今日の伯父の写真は、昭和30年代の倉敷だ。
この車、誰のだろう。時代を感じる。
【2017年5月訪問】
【東京都:新中野】珈琲ハウス エイト 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その5*新中野編*
エイトは新中野にある喫茶店だ。有名なロゴは小池一夫さんのデザインである。
数字の1から8までを使って人の顔を表しているのがお茶目だ。
私のどこでもドア
いままで中野というと馴染みのない街で、単なる通過駅にすぎなかった。
この喫茶店を訪問するために新中野駅で初めて下車した。
地上に出るとわたしの町に雰囲気が似ていた。移動してきたということを忘れてしまう。電車って現代のどこでもドアだと思う。
電車の扉は動くドアだ。こんな感覚で電車に乗ってみると楽しい。
文化人の集まる喫茶店
エイトは小池一夫さんやゴルゴ13のさいとうたかをさんご用達のお店だ。漫画家さんや文化人が執筆の合間に来る喫茶店は憧れである。
近所にこんな素敵な喫茶店があるのが羨ましい。わたしが喫茶店が好きなのは、気晴らしにもなるし雑談が出来る場所でもあるし、ぼーっと過ごせる場所であるから。それとおなじくらい乗り物だ好きだ。ここでもぼーっと時間を過ごせる。
「長距離の飛行機は暇すぎて何をしていいかわからない」というひともいるかもしれない。わたしの場合は、普段ぼーっとするためのまとまった時間がとれないから、乗り物に長いこと乗ると、そういう時間ができるので嬉しい。
乗り物ってすごい。
到着地につき、ドアを開るとみたことない景色に目の前に広がるのだ。
乗り物は、妄想しだいでは、どこでもドアのように思える。
あれから1年。
エイトに訪問できたのは2016年の6月のことだった。実は1年ほど前にも訪問したことがあった。そのときは振られた。
勤務がおわって17:00頃にいったのだが、エイトについた瞬間、ママさんがちょうどドアに鍵をかけていた。
振られた、というよりも声をかけるタイミングを逃して告白できなかったくらいの気持ちだった。潮時が来たらまたアタックすればいいと思った。
この近くにも喫茶店があるだろうと、隣駅の新高円寺に向かったのだった。
それから1年後に訪問がかなった。このころコーヒーフロートにはまっていた。エイトのコーヒーフロートはアイスが大量に乗っていて大満足の一杯だ。
今日の叔父の写真は、昭和30年代の岩手県 浄土ヶ浜です。
天然の白黒写真、白黒でも風光明媚さが伝わってくる。
【2016年6月訪問】
【東京都:東高円寺】サムシンエルス 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その4 *東高円寺編*
青梅街道沿い 東高円寺:新中野=6 : 4
丸ノ内線全駅下車の喫茶店旅を始めようとおもったころ、喫茶店の存在がすぐ思い浮かぶ駅とそうじゃない駅がある。新高円寺は後者にあたり、本当に苦戦した。コーヒーを飲めるところならあることはあるが、なかなか食指が動かなかった。
ついに見つけたのがこのみせだ。場所はというと東高円寺駅と新中野駅の間6 : 4くらいの距離だ。新中野駅からの方が近いかもしれない。でもわたしは東高円寺駅から歩いたのだ。この喫茶店は東高円寺編にくみこむことにする。駅から徒歩5-6分くらいの距離だ。
スモークガラスあるある
補強しながら大切に使っている看板が良い。新しいものは簡単に手に入るが、この雰囲気と重みは簡単には作り出せない。店内も素敵だ。
初めての喫茶店は、入ってみるまで恐る恐るだ。中がうかがえないから。暗く感じるのはガラスがスモーク施工されているからだ。外から中は窺えないけど、逆は・・・・・・しかりではない。中から外はよく見える。これは喫茶店あるあるだ。わたしが夢中で外観や看板を撮影していた様子は、きっと中から見えていたはずだ。
入店すると、まよわず窓側の見晴らしのいい席に案内された。マスターは気配り名人だ。カウンターのすぐそばに座った私は、マスターの様子がよく見える。
続々と入店するお客さんへの気配りがすごい。長くサービス業をされている方はさすがだとおもわせた。
私が帆船の模型を見つけ、撮影許可をいただくと、よく見えるように位置を調節してくれた。寡黙そうなマスターだが、優しいのだ。
たまたま街を漂流してたどり着いた喫茶店だが、帆船模型があるお店で思いがけなく幸せだった。
別添えのグラスがかわいいロシアンティー
最近ジャムが気になっている。たぶん先日、テレビ番組の〈沸騰ワード10〉で
家政婦の志麻さん作、カブのイチゴジャムマリネのレシピを見たからだ。すぐに試したくなり早速作った。おいしかった。梅干しとハチミツを混ぜたような味がした。
この日はいちごジャムのロシアンティーが飲みたい気分だったので、
何気なくオーダーしたら思いがけなく素敵な装いで運ばれてきた。
別添えのグラスに入ったいちごジャムが可愛い。ランチ時間帯ではなかったが、お客さんが続々とはいってきた。このお店は、評判がいいんだろう。近くのサラリーマンがきわどい話をしていた。2020年までに、東京の飲食店界隈はどうなっているんだろう。今は分岐点だということは確かだ。だからこうして2017年現在の喫茶店の様子を、ブログに残すことは意味があると思う。 できる限り書いていこう。
今日の伯父の写真は川崎ゼネラル岸壁(昭和30年ごろ撮影)
読めない…何丸?
【2017年6月訪問】
【東京都:新高円寺】ブーケ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その3 *新高円寺駅編*
Cafe ブーケは新高円寺駅前にある喫茶店だ。
丸ノ内線沿線は、駅からすぐの場所に純喫茶が残っていて良い雰囲気だ。
高円寺⇆新高円寺まで歩けますよ
新高円寺駅というのはあまり馴染みのなかった駅だ。この店に来るために初めて降りた。新高円寺駅はJR高円寺駅南口からずっとずっと南下すれば着く(徒歩20分くらい)。高円寺駅からつづく商店街を散策しながら、ここまで来るのもいいと思う。
ちょうど疲れた頃にここで休憩するような折り返し地点の峠の喫茶店のような感じか。JR高円寺駅から出発するなら、
地理的にトリアノン→ぽえむ→ネルケン→ルネッサンス→七ツ森→ブーケの順にまわると便利かもしれない。新高円寺から来る方はその逆だ。いろいろと喫茶店巡りが出来ると思う。
インベーダーゲームと蛇の思い出
ここは私が幼少期によくきた喫茶店に似ている。庇とガラスの感じがそうだ。
父方の親戚はちょっと面白く、テレビに出ていたりした。伯父はインベーダーゲームや、ストローの袋をくしゃくしゃにしてドリンクをたらすと蛇のようにニョキニョキ延びる遊びを教えてくれた。
瞑想ブーム先取り
ブーケは喫茶店巡りを始めて2軒目くらいにいった。かなり早い段階で訪問したのはブーケのかわいいマッチが欲しかったからだ。
それに高円寺には、頻繁にくるのにこんな素敵な喫茶店があることを知らなかった。
早急に確認しにきたかった。
この店の窓側の席と歩道との距離はちかい。通りを行き交う人々がものすごい近くを歩いている横で食事をしているという図がおもしろい。外は雨が振っていたが、雨足が弱まるまで喫茶店で過ごすというのも贅沢な時間だ。ヨガも好きだが、ヨガが自分の心を取り戻すエクササイズだとしたら喫茶店にも同じような効果があると思う。
最近ビジネスマンの間で「瞑想」がはやりらしい。忙しさと瞑想のバランスが取れると生活の質が上がるらしいのだ。でも、喫茶店好きな人はその効果をすでに知っている気がする。
SNACKというジャンルのナポリタン
喫茶店巡りを開始した当初は、ナポリタンを頼み続けていた。ここでもそうだ。喫茶店のフライパン毎に染み込んでいる味があると思う。各店で味が確実に違う。ここのは気取らないSNACK(軽食)という感じだった。
こうしていると今もナポリタンが食べたくなる。気取らない喫茶店のナポリタンがたべたい。
自分で調理すると体に優しい味付けを・・・・・・などと心配をしてしまうが、喫茶店では好きなだけジャンクに走る。
【2015年5月訪問】
【東京都:新宿区 四谷三丁目】フルーツパーラーフクナガ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その11 〜四谷三丁目編〜
【東京都:南阿佐ヶ谷】ポトロ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その2 *南阿佐ヶ谷編*
ポトロは南阿佐ヶ谷前にある喫茶店だ。
丸の内線の駅から階段を上り、地上に出るとすぐわかるはずだ。
季節ハズレですが(笑)ボージョレーで昼飲みの話
ここを初めて知ったのは、3年前にボージョレーヌーボーの会を南阿佐ヶ谷で開催した時だ。駅前で待ち合わせをしたら、この黄色い看板が目立っていた。
喫茶店巡りをし続けたおかげで、わたしも?類にもれず、喫茶店の看板を見つけるのが得意になった。ワインの持ち込みが可能で、昼から営業している居酒屋さんを探して南阿佐ヶ谷まで来たわけだが、休日のお昼頃から7-8時間飲んだ。
就業時間並みだが、こういう時間は過ぎるのがあっという間である。
気の合う仲間との昼飲みって、なんであんなに楽しいのか。
私はほとんどアルコールキャパシティがないが、飲めないけどお酒の席は好きなのだ。お酒の席ではみんなが笑っているからだ。愉快な時間が過ごせるからだ。
所さんのテレビ番組の『朝まではしご酒』のコーナーもすごく好きだ。
お酒は飲めないが、その分おつまみを人の数倍食べるのでたのしい。
ポトロのこと
ボジョレー会から半年後に、ポトロ訪問の運びとなった。半二階のお店はカウンターと少しのテーブル席でいっぱいになるくらいの広さ。駅前なのに静かでホッとする場所だ。私は喫茶店のフルーツサンドが好きで、メニューにあったら必ずといっていいほど頼む。ここセットはとてもお得な値段だった記憶がある。
喫茶店訪問を始めた初期なので、値段を記憶するのを忘れている。
そしていろいろな世代のお客さんがいた。
さまざまに時間を過ごしていて、こういうのすごい良い、と思った。
喫茶する場所で、若い人しかいけないような空気とか、逆に若い人が滅多に来ない雰囲気のお店もあるが、ここは全地元民の憩いの場という感じだ。
どうやら喫茶店のインテリアデザインをする際に、ターゲット層を絞るようだ(そうでないところもあるだろうけど)。だからだいたい似たような客層で埋まることが多いだろう。でも、ポトロはオールマイティなのだ。
こだわりのあるお店も好きだけど、こういう風に誰でも行ける喫茶店もすごくいいのだ。
今日のオススメ本 「鉄で海がよみがえる」
最近読み終えた本は、畠山重篤さんの『鉄で海がよみがえる』だ。
三陸地方で漁師をされている畠山さんの講演に以前参加したことがある。
懐かしくて本屋で見かけたときに思わず手にとった。
畠山さんの講演によると、三陸の牡蠣がとても美味しいのは、鉄分を多く含んだ海水のおかげだという。これは腑に落ちる。
日本の海図第一号は釜石港です。
かつての岩手県釜石市は鉄鋼業が盛んな町だった。当時の日本が、釜石という地に対し特別力を入れていた証拠に、日本の海図第一号は釜石港なのだ。
海に溶けた鉄分や、森が豊かな岩手県では、牡蠣が美味しく育つそうだ。
腑に落ちるって、大事なことだと思う。腑に落ちた瞬間のあの気持ちよさ。
何かを継続しているとき、とちゅうで壁にぶち当たっても、いつか腑に落ちる瞬間がある。そして、その腑に落ちる瞬間の気持ちよさがあるからやめられなくなる。
そういえば、喫茶店巡りが好きな理由も最近腑に落ちてきている。
これからもますます張り切って続けよう。
今日の叔父の写真はロンドンの女性(昭和30年代撮影)とてもお洒落です。白黒だけど霧の街というのが伝わる感じ。
【2016年4月訪問】
【東京都:荻窪】珈里亜 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅の制覇の巻その1 *荻窪編*
珈里亜(かりあ)は荻窪にある喫茶店だ。
駅前の建物で、まどから電車が眺められる素敵な喫茶店だ。
趣味は散歩で人生開眼
昭和の時代には駅前に必ずこういう喫茶店があった。幼少期によく連れて行ってもらった喫茶店も駅前の2階にあった。だからここに入った時、とても懐かしい気持ちでみたされた。あちこちこういった個性的なお店があった時代がうらやましい。いまは、どの駅前も景色があまり変わらない。好みのお店を求めて電車に乗らないといけない。その代わり散歩をするのが趣味といえるのは、現代だからこそかもしれない。
私は散歩と称して、地元の東京でも町歩きを堪能している。
これがまた楽しくて海外旅行が趣味だったころのように、わざわざ遠くに行かなくてもすごく楽しいということに気づいた。人生が100倍楽しくなった。
喫茶店のために丸ノ内線全駅で降りてみた
そんな散歩の成果が喫茶店巡りなわけだ。
この度、丸ノ内線の全駅制覇を達成したので、
今日から
丸ノ内線の喫茶店全駅制覇の記録を残そうと思う。
お得な切符、東京メトロ24時間券というのがあって...。
文字通り、なんと24時間乗り降り自由なのだ。
勤め人でも休日の前の日から出かけて、翌日の半日がフルに使えるのだ。
私はこれを活用しまくっている。
今日から始める丸ノ内線全駅の喫茶店の記録。
荻窪駅からスタートする。この珈里亜から見えるのは、丸ノ内線ではなくJR線だが・・・・・・。
珈里亜のこと
珈里亜はブルーのクリームソーダーが有名だ。
その色と、三つ並んだバルコニー(COFFEE 珈里亜 TEA LOUNGEというロゴがひとつひとつ並んでいていい!)を見て、脳内で自動的に流れるBGMは、松田聖子だ。
青い珊瑚礁か、渚のバルコニーか。貝殻のような灰皿も素敵だった。
マスターは海がお好きなのかな?ところで、最近ビックリしただが、
今の大学生くらいの方たちは、神田沙也加さんのお母さんが松田聖子さんだということを知らない方もいるらしい。神田沙也加さんは、お母様の血を受け継いだのか声がとても澄んでいる。それと最近のCMでみた聖子ちゃんは、今でも若々しくてすごい。
ここは駅近くだから待ち合わせの喫茶店としても使えそうだ。早めにきて相手を待ち、お店に向かってくる姿を窓越しに眺める。このお店は今もそういう楽しみ方ができるレアな喫茶店だ。昭和にはあちこちで見られた風景だ。
かつて携帯がない頃は、喫茶店に電話してことづてするという、なんとも趣のある文化もあった
昭和の時代に、私は喫茶店で人と待ち合わせするほど大人ではなかったが、
アイドルの歌詞にこんなシーンがあったということを覚えている。
ここは何がいいかというと、電車が眺められるところだ。
バスも見えるから乗り物好きにはたまらない。喫茶店と乗り物に、散歩が好きな私のパワースポットだ。駅前喫茶店はそれだけで最強である。
今日の叔父の写真は太平洋航海中(マストを上げているのか?)
昭和30年代撮影。
【2017年4月訪問】