純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【東京都:(馬喰横山)東日本橋】ウール 喫茶店のホットケーキ編

きょうは馬喰横山にある東日本の〈ウール〉を紹介する。
このネーミングは、繊維問屋街ならではだ。

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ウールを脱ぎ捨てて

今日は満月である。このあと少しずつ欠けていく月のように、
冬の気分も溶け、やがて春になっていく。

今日から3月だ。冬が去り、春に向かって季節は進んでいるのに、
あまのじゃくなもので、冬のざっくりウールニットが恋しい
そんな思いのなかで、馬喰横山のウールのことを思い出した。

このお店のホットケーキは、学校帰りに友だちといったファミレスのようなお店の
ホットケーキに似ている。そう、それは、多分レンチンのだ。
でもそれもまた、懐かき思い出の味なのである。

「ファミリー・ライフ」

最近読んだ本は、

『ファミリー・ライフ』(アキールシャルマ著 小野正嗣訳)
装丁の絵が優しい感じで、タイトルも直球なのでつい手に取ってしまった。


裏表紙の書評には

「兄を奪ったあの夏の事故。愛と痛み、祈りに満ちた自伝的小説」とある。

一気に読んだ。登場人物は、インドからアメリカに移住してきたシャルマ一家ほか、
インド系アメリカ人がほとんどである。
私は業務で、インド人ともかかわっている。
インドのことを理解するのに、役に立つだろうかと思い、インド系の作家が書いた作品を読む。
しかし、人種や国のちがいというのはあまり関係なく、人間だれしもが持っているだろう心情が描かれていた。

私には救いの本だった。著者のシャルマ氏も文学に出会うことで救われたそうだ。
私もそうである。本は〈旅する箱〉であって、
時間も空間も旅行できる。人の心の中へもいける。
何より、字を追うだけで心が落ち着く。
ひとりになりたいとき、没頭するものが欲しいとき、本はいい。
何より本によって、人生観が変わる瞬間に立ち会える。
シャルマ氏はヘミングウェイに出会って救われたというが、
私はまだ人生探しというか、本探しというか、作家探しをしている状態というかだ。
でも、本棚に救いの神がたくさんいると思うとたのしい。

祈りでも本でも喫茶店でもいい

茶店を選ぶ時もおなじでいる。
今は、いろいろな喫茶店に、実際に訪ね自分のお気に入りを探している途中なのだ。
できるだけ多くの喫茶店の空気を味わってみたい。

 

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【2015年8月訪問】

東京都中央区東日本橋3-12-9