純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【岩手県:盛岡市】六分儀 *2017年11月10日閉店*

今日は残念ながら、閉店してしまった喫茶店の記事だ。本日twitterで知った閉店のお知らせ。素敵なお店でした。
岩手県盛岡市の珈琲六分儀です。

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店名にある六分儀とは、太陽と天体や物標の高度測定をし自分の位置を割り出す航海計器。

AIS(Automatic Identification System船舶自動識別装置=船のGPSです)などがない時代に船の位置を図った計器のことだ。その六分儀が壁に飾られ素敵なインテリアとなっていた。つまり海や船が好きな私にとっては、夢のような喫茶店でした。一度でも行けて幸せだった。

盛岡の独自のカフェ文化の代表的な銘店

岩手県盛岡市は、県庁所在地であり宮沢賢治の故郷が近いからか、童話のような可愛らしい喫茶店が多い街だ。某チェーン店が進出しても撤退してしまうような、独自のカフェ文化がある。私の母の故郷は岩手県沿岸部の山田町だ。夏休みに帰省する際は、東北新幹線に乗って盛岡駅手前の新花巻駅で下車したあと、釜石線に乗り換えてしまうので、県庁所在地である都市、盛岡に行く機会は、めったになかった。

だから大人になって自由に旅行ができるようになり、知っているようで知らない盛岡をじっくり観光しようと思うようになった。宮沢賢治がこの街を舞台にしてメルヘンな世界を描きたくなるのも頷ける。空が青く、山が壮大で、空気が澄んでいる素敵な街だ。

六分儀はそんな盛岡の喫茶店文化を代表するような、レトロ喫茶だった。盛岡では知らない人はいないというくらいの名店だ。お会計は、六分儀や古時計が飾られた壁のくぼみにぽっかり空いた四角い小窓でおこなう。粋な可愛らしさに溢れている。カフェや、コーヒーではなく”可否” 六分儀という表記も素敵だ。

唯一無二な味わいの思い出

この時は”まいるど”というコーヒーを頼んだ。味わいのあるくせ字で書かれた手書きの伝票が魅力的だ。個人経営の喫茶店は、こういう唯一無二の個性が素敵なのだ。

いつかもう一度行けたらいいなと思っていたお店だったが、叶わなかった。それでも記憶の中では永遠に消えない素敵な喫茶店となった。心に刻みたい。

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岩手県盛岡市中ノ橋通1丁目4-15

2017年11月10日 閉店

【2016年9月訪問】