【東京都:東上野】珈琲家 喫茶店のモーニング編
今日の喫茶店のモーニング編は、珈琲家 東上野店だ。
珈琲家というものすごく直球のネーミング。店構えもシンプルだ。
だからこそ、入った時の感動が大きい。入店時の心構えがフラットだからだ。勝手にイメージをふくらませてして、妄想が過ぎることがないし、邪念もない。だから意外性が功を奏し、感動が一気に弾ける。ベールに包まれた秘められた世界の向こう。そこは本当に異空間だ。こざっぱりした店内で、マスターが一人で切り盛りする。このサイズ感のお店が好きだ。入った瞬間にここはいい!と直感した。仕切りはたった一枚の薄手のカーテンで、隔たりはこんなにもわずかなのに、一気に世界が変わる感じがたまらない。
モーニングの名前は”おはようセット”という。ドリンクにプラス100円で頼める。ドリンクに縛りがないと、つい珈琲や紅茶以外のものを...と思ってしまう。この日は、アイスオランダオーレにした。メニューにきちんと説明があるのでどんな飲み物かわかりやすい。カフェモカに似た、コーヒーの上にホイップクリームがのっている。ホイップにココアが混ざっているのが珍しい。彩りに統一感があって美しかった。味は、ビターでクールでとても美味しい。マスターがカウンターで作業されている様子を眺めた。コーヒーはネルドリップだった。今度は直球でコーヒーを頼もう。
ここ東上野店だが、茅場町店にも行ったことがある。同じ名前だが雰囲気が異なる。両店共、土日祝がお休みで平日営業のみだ。ここはまたきっとくるだろう。好きだ。
この日はJR御徒町駅から歩きました。その時に見かけた朝のアメ横。シャッターが閉まっているところは珍しい。こんなアメ横を見たのは初めてです!
【2017年10月訪問】
【東京都:溜池山王】シーザー 喫茶店のモーニング編
喫茶店のモーニングシリーズのつづき。今日は溜池山王の喫茶軽食シーザーだ。
小松ビル地下にある。
レトロなビジネスビルの地下食堂街だ。食堂街といっても、ここに残るレストランはここシーザーのみになっている。50年前は食堂がたくさん並んでいたらしい。
1997年に銀座線と南北線の溜池山王駅がオープンした時のことを、よく覚えている。最近のことに思えるが、もう20年前なのだ。この界隈は駅のオープン時に整備されたそうだが、それまでは地下に水が漏れてくるなど、道路舗装があまり良くなかったとのこと。溜池という地名の通り、この辺りはもともと池があり、水にまつわる土地であったことがわかる。溜池山王駅ができるずっと前のこと、その昔、この近辺に都電が走っていたことなどを、この街の歩みとともに喫茶店を営んできたマダムが話してくれた。
ここにはモーニング時間帯の9:00前に到着した。平日だったので出勤前のビジネスマンがちらほらいた。出勤前にこんな素敵な喫茶店に寄れたら嬉しい。フレンチトーストがモーニングメニューにあるので、迷わずオーダーした。店内は右と左で全く世界観が異なる。利用した右側は、シーザーの木彫りの紋章がずらりと並んだ、渋くダークな世界だ。この木彫りのインテリアを何度も写真で見かけており、印象に残っていた。反対の左側は黄色いテーブルが印象的だ。店内が素敵で見惚れていると、マダムが「珍しそうに見ているね」とテーブルの向いにおもむろに座る。
シーザーは黒いカレーが有名でよく雑誌にも掲載されている。その雑誌をみせてくれながら、いろいろ撮影秘話を話してくれた。話好きなマダムだ。退店時に「ランチは混んでいるから、それ以外の時間に、またゆっくりおいで」と見送ってくれた。嬉しかった。
マッチもナプキンもオリジナルロゴ入りだった。今度は黄色い世界で黒いカレーを食べたい。
【2017年8月訪問】
【東京都:阿佐ヶ谷】gion 喫茶店のモーニング編
喫茶店のモーニングシリーズ。今日は阿佐ヶ谷のgionだ。
モーニングは、飲み物プラス70円という破格の値段。
12:00までオーダーできるのがうれしい。
喫茶店開業にあたり、マスターが喫茶店を数百件めぐった末に、理想のインテリアをgionに追求した、という逸話が好きだ。特にブランコの席はたまらなくいい。発色の良いピンクの壁に、ステンドグラスがテーブルに置いてある。ゆらゆら揺れてぼ~っとするのがよい。独特のインテリアなので、ぜったい座りたいと願っていた。訪問2回目で叶った。
この店は、純喫茶めぐりを開始して早々に訪れた。阿佐ヶ谷とその隣駅の高円寺には喫茶店がたくさんあるので、この界隈に来ると一気に喫茶店巡りができるというわけで、効率が良い。阿佐ヶ谷にはgion、エル、ポトロ、ヴィオロンなどがあり、高円寺にはボニー、ネルケン、七つ森、ブーケ、ルネッサンス、ポピンス、閉店してしまいましたがペペルモコなどがある。
この日は、早朝にでかけて夜まで喫茶店をはしごする、というなんともたのしい休日を満喫した。gionは雑誌もメニューも豊富で、お客さんの年齢層も多岐にわたる。わたしは美容院や喫茶店では雑誌に没頭してしまう。もちろんここには、gionが掲載された雑誌がほぼすべて置いてあるが、その数がすごい。
ところで、当ブログのスマフォ版トップ画像のクリームソーダは、ここgionの物です。gionでクリームソーダが飲みたいときは、ソーダ水にアイスをトッピングをしてクリームソーダにします。金魚鉢みたいな形のクリームソーダだ。友人と行ったので、青と緑の2色をオーダーした。並んだ姿に惚れ惚れする。すきな飲み物にアイスをトッピングすれば、お好みのフロートが出来上がるので、何通りもの楽しみ方がある。ワッフルも美味しそうだし、通いたい喫茶店の一つだ。
ありがたいことに、AM8:30(日曜9:00)~翌AM2:00までのロング営業だ。
いく機会がたくさんありそうだ。
【2015年5月訪問他】
【東京都:池袋】タカセ 池袋南口店 喫茶店のモーニング編
喫茶店のモーニングシリーズのつづき。
今日のお店はタカセ。池袋のレトロ喫茶といえば、まずここが思い浮かぶ。
訪れた南口店は、池袋本店とはひとあじ違う、庶民的な町のパン屋さんといった風情のパン工場併設店だ。
タカセのパン屋さん
朝一に焼きたてのパンをいただけるモーニングがとてもお得だ。しかもモーニングに提供時間の制限はない。この日は午前中に池袋で用があったので、早めの8:00頃に伺ったが、店員さん曰く「パンがのこってれば終日モーニング価格OK」らしい。
トングをカチカチ
さて惣菜パンを選ぼう。朝早く来たせいか、惣菜パンの種類が出揃っていなく、フィッシュバーガーとハンバーガーだけが並んでいた。どっちにしよう?と悩んでいると...。私の手元からカチカチカチと音が。あぁまたやっている。パン屋さんで商品を選ぶときになぜトングの先をカチカチカチと鳴らしてしまうのだろうか?リズミカルな音を出すことで瞬発力や判断力が上がるのか?気合を入れているのか?気づくと無意識にやっている。
気を取り直してお会計
ハンバーガーセットにした。甘めのケチャップがついたハンバーグがバンズに挟まったシンプルなものだ。隣の工場から出荷したてだ。
モーニングの値段は池袋にしては破格の370円。ドリンクは、オレンジジュースやグレープフルーツジュースを選べるところもいい。でもよく考えてみると、単品ドリンクの価格も安い。タカセのコーヒーが200円でいいの?この立派なロゴ入りのカップにはいって??驚きの昭和プライス。採算度外視の、サービス精神の塊のような値段設定だ。
終日モーニング価格並
ちなみに別の日は16:00頃に訪問した。ホットケーキセットにした。お値段は500円。よく考えてみればこれもモーニング並みの価格だ。高級ホットケーキではないが、ほっこりするような穏やかな味の生地はタカセ特製だ。
東口にある堂々としたランドマーク的な存在の池袋本店にも雰囲気や情緒たっぷりの素敵さがある。個人的には、南口店の温かさが好みだ。テーブルは3卓のみでこじんまりしているが、それも落ち着く。
南口店の目の前にあるタカセビルにも注目だ。タカセは自社ビルを結構いっぱい持っているのだ!
【2017年7月訪問】
【東京都:阿佐ヶ谷】アロウ 喫茶店のモーニング編
喫茶店のモーニングシリーズのつづき。今日は阿佐ヶ谷のアロウだ。
グリーンの看板が朝の光に反射していた。アロウはJR阿佐ケ谷駅北口の商店街スターロードの先にある。アロウへの道は、以前にも音楽喫茶のヴィオロンに行く途中に通ったことがあった。
ここに来ると、図らずともモーニング時間帯になる。なぜなら営業が午前8:00からお昼の12:00までだから。しかも夏は、まるまる2ヶ月ほど休業になるので、訪問のハードルが高めだ。思い立ってやってきた。モーニングセットはトーストとコーヒーで350円だ。価格も昭和的。
マスターがお店について話してくれた。以前は荻窪にもお店を持っていたという。この阿佐ヶ谷店は、夜はバーとして営業していたが、現在は、午前の喫茶営業のみにしていること。店内にはミラーボールがあり、マスターがわざわざ電気を消し明かりをつけてくれた。
何も言っていないのに「これが欲しかったんでしょう」とにこやかにマッチをくれた。少し小さめもミニサイズが可愛い。出口付近にピアノがあり、バーの時間帯に使っていたという話をきいた。昭和の日本の、どこかのお家に伺ったような不思議な時間を過ごごした。
東京都杉並区阿佐谷北2-3-1
【2017年5月訪問】
【東京都:仲御徒町】シーボン 珈琲専科 喫茶店のモーニングシリーズ
喫茶店のモーニングシリーズのつづき。シーボンは東京メトロ日比谷線の仲御徒町駅からすぐの場所にある。平日の朝、はやく起きた日にやってきた。
東京メトロ24時間券で乗り降りチャレンジ
東京メトロ24時間券を購入し、利用したことのない駅にできるだけいってみるという遊びをした。この日のチャレンジは、東京メトロ日比谷線で行った。
シーボンの店名の由来は、ガラス扉の表記がC’ Bonなので、
フランス語のセ・ボンだとは思うが、船好きの私は、インテリアの舵の形の温度計から、これはSea Born(シーボーン)ともかけているのでは?と勝手な想像を膨らませる。ご夫婦と思われるお二人で対応できるくらいのちょうどいい広さの店だ。カウンターとテーブル席が数席のこじんまりとした店構え。テレビから流れる朝のニュース番組をぼんやり眺めた。誰かがつけた誰かが好きな番組を見るのが好きだ。
曖昧な境界の向こう側
外からは中が窺い知れない構造だが、中はツヤツヤのソファが華麗に並ぶ飴色の純喫茶だった。この空間は外から透けて見えない閉ざされた空間だ。特別な場所にいるような気がして気分が踊る。ふと、ある小説のシーンを思い出す。川端康成の『雪国』で、主人公島村が雪国へと向う途中、車窓の中に女性と夕暮れの移ろいゆくおぼろげな景色を重ねる美しいシーンだ。
曖昧な境界を挟み不思議な世界にいる。日常にもこういう瞬間がいくつかある。夜から朝の途中や、ぎゃくに昼から夜の途中。空の色が曖昧に重なりぼやける時間。何かの狭間にいる瞬間は愛おしい。スモークガラス一枚で絶妙な時空の世界感が味わえる。
喫茶店はそんな愛おしい経験ができるから好きだ。
厚切りパンセット正統派モーニング
シーボンのモーニングは2種類ある。私は厚切りパンセットにした。このジャム瓶が気に入り、後日合羽橋道具街で幾つか購入した。喫茶店グッズは合羽橋道具街で少しずつ集めている
ちなみにこの日は地下鉄仲御徒町駅で下車したが、JR上野駅や御徒町駅からも徒歩圏内だ。
【2017年7月訪問】
【東京都:十条】スウィング 喫茶店のモーニング編
喫茶店のモーニングシリーズのつづき。今日は十条のSWINGだ。
駅近にあり、一軒家風で、いかにも 純喫茶らしい佇まいだ。
ここに店を構えて50年だそうだ。COFFEE SHOP CHAINということは、
幾つか支店もあったのだろうか?
モーニングは13:00までやっていて、A/Bセットは500円と大変有り難い価格だ。Aセットを頼んだ。トーストのなにやら網焼きらしき焼き目がたまらない。それでいてとても柔らかい。不思議な食感だった。厚手のポテッとしたアイスコーヒーのグラスも愛らしい。あぶくのドット模様だ。
ここにも船の模型があった。飴色に染まった味わいのあるイギリス船。マダムに船を置いた由来を聞いたが、どうやらインテリアを任せた商社さんが用意したものだそうだ。昔なのでよくわからない・・・・・・ということだった。50年前の輸入品らしいが。チャーミングなマダムが話してくれた。
純喫茶では船にまつわるインテリアモチーフを多く見かける。いままで
いろいろなオーナー話をきいたなかで、
”喫茶店に船のインテリアがある”理由TOP3を、私なりに考えた。
1.お客さんがくれた。
2.親戚が船会社に勤めていて不用品をもらった。
3.実家が船のオーナーであった。
下記記事内の珈琲艇キャビンはそのなかでも独特で、
喫茶店の入っている建物が船の形に似ていたため、インテリアを船に寄せたという。
(窓は船に実際に使われる特殊なガラス作りで、素敵だった。)
この理由TOP3ランキングに
喫茶店のインテリアデザインを請け負った商社が調達した。
を含めたいと思う。純喫茶ブームが起こった昭和40年頃は、こういうインテリアの喫茶店が理想だったのか。担当商社さんの傾向か。こんなふうに想像をするのが楽しい。当時、船は飛行機よりも身近な存在だったはずだ。
今より簡単に海外旅行ができない時代に、海の向こうに思いをはせる憧れの象徴だったのかもしれない。
この店は、グループ用の席も多く、会議をしているビジネスマンや、
ご近所の年配の方々などが昼さがりを過ごしていた。
食事メニュー、ドリンクやパフェ類も豊富だ。
地元密着の。THE 地域の喫茶店というようなとても良い雰囲気だった。
【2017年9月訪問】