【東京都:新宿三丁目】カフェアルル 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その9*新宿三丁目*
カフェ・アルルは新宿三丁目の喫茶店だ。このエリアも生活感を感じる新宿エリアだ。
新宿は買い物をする街という感覚の私にとっては、未知のエリアだ。
喫茶店巡りをしていなかったら、足を踏み入れることのなかった場所かもしれない。
庶民の東京とパリの共通点
看板が多すぎて、うれしい悲鳴をあげたい。立体的なニャポリタンを食べている猫の看板が印象的だ。なかには本物の猫がいるから猫が取り上げられることが多いけど、
実は犬の看板も多いのだ。
以前も話したことがあるかもしれないが、2013年頃に放送されていたパリ全区のアーティストを訪ねる番組〈パリで逢いましょう〉という番組が好きだった。
パリの街頭で大道芸人があやつる人形や、駅前のメリーゴーランドの景色にみとれてしまう。ここアルルは、そういった庶民的なパリをも感じる。雑多な感じだ。
パリは多民族国家だから、いろいろな民族の方がいる。
東京育ちの性
ここが落ち着くのは、私が東京うまれ東京育ちだからかもしれない。
雑多さや、ごちゃまぜ感というのは、嫌いではない。人混みにも慣れているし、少し空気が汚れているところや満員電車や高層ビルの波は、リアルな東京の姿だと思う。
だから、その隠れ家として静かな喫茶店を求めるのだけど。
一人になりたい時
カフェ・アルルには、いろいろな種類の漫画や雑誌があり、ピエロや多種の彫刻がある。メニューもバラエティに富んでいるし、バナナと豆が付くし。おまけに隣では石松(猫の名前)が寝ているし。猫はあやうく処分されそうだったところを救われてここで飼われることになったそうです。新宿らしいエピソードだと思う。新宿はいろいろな人を受けいれる懐の深い町だ。受け入れる器が大きいのはもとが宿場町だったという特性をもつからかもしれない。そういえば、気配を消したいときは都会の方がいいらしい。人が多いと大多数の一部になる。町全員が顔見知りのような場所の方がかえって気が張る。東京うまれの私はそう思う。まるで新宿の縮図のようなアルルに来ると、人混みのなかにいるのに一人の時間が確保できて逆にホッとするのだ。
雑多な世界にまぎれると、神経が研ぎ澄まされて自分が見えるのかもしれない。
今日の伯父の写真は前回に引き続き岡山 昭和30年代の玉野ドック。
荷役の様子を収めたのでしょうか。伯父はこうして陸に上がるたびに写真に収めて現像しては、私の祖母にアルバムにして送っていたそうです。東京の景色も珍しかった当時の岩手県山田町民の祖母にとっては日本各地の港の景色は新鮮だったのではないかと思いを馳せるのです。私の写真も、後世の誰かが何かを感じてくれたらいいなと思い、
今日もブログを記しています。
【2017年5月訪問】
【東京都:西新宿】MAX 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その7*西新宿*
MAXは西新宿にある喫茶店だ。
最寄駅は都営大江戸線の西新宿五丁目駅である(丸の内線だと、西新宿駅になる)。
バスに乗ってグーグルマップ
この日は、中野富士見町から京王バスに乗り、グーグルマップにMAXの住所を入力して、バスがお店に一番近づいたら、次の停留所で降りた。
すごい速さで●が目的地に近づくさまが面白かった。
この場所は以前、代々木から新宿まで徒歩で帰宅したときにみつけていた。
昨年のテレビ朝日主催の〈ドリームフェスティバル2016〉の初日の帰り道だ。
会場は代々木体育館だった。
終演後は代々木駅も原宿駅も混雑していたから、歩いて別の駅まで向かうことにした。トコトコ歩いていたら見つけた喫茶店だ。初めて歩いた街道沿い。
電車で来るならどの駅が最寄りなのだろうと思いつつ、中野付近の喫茶店巡りをしていたときに、バスという手段もあると気付いた。
丸ノ内線全駅制覇の旅だけど、今回、往路はバスで来た。
復路は丸ノ内線に乗ったからいいことにする。丸ノ内線の最寄り駅は西新宿駅になる。
生活感のある新宿
新宿と名が付くけれど、新宿駅周辺とはまた違った雰囲気がある。
喫茶店の近くの交差点では、ランドセルを背負った10歳くらいの子を見かけた。
新宿で生活感を感じたのは初めてだ。
MAXは、新宿で普通に暮らすご近所さんの憩いの場だった。
顔なじみのお客さんも多いようで、「おかえり」「今日はどうだった?」などの会話も聞こえてきた。常連さんが自分でお冷を取りに行ったり、みなが助け合っていて
店員さんもお客さんもみな穏やかないい空間だ。
サイフォンの写真を撮らせてもらおうと近づくと、マスターが「みていいよ」といったので、たっぷり堪能した。サイフォンで淹れるのは、家ではなかなかできないものだから、興味津々だ。家でコーヒーを入れることが少なくなったが、たまの機会も、ペーパードリップで行っているので、専門店のコーヒー作法は本当に興味ぶかい。
決断力とまぁいいかの練習
店内は意外と奥行きがあった。喫茶店にはいると、いつもどこに座るかウロウロしてしまう。若干怪しげだろう。早く決断しないと、と思いつつ直感でインテリアがよく眺められそうな場所を選ぶ。今回は入り口近くのカウンター前に座ったが、奥の方の席もとても静かでよさそうだった。そこのテーブルはコレクションテーブルになっていて、コーヒー豆が敷いてあるし、壁の装飾も素敵だった。平日だけどひっきりなしにお客さんがきて、店内をウロウロすることが憚られたので、また来ればいいかとおもった。
決断した後に目移りした時に「まぁいいか」と思える訓練もできる。
私にとって喫茶店に来ることは、”決断力を鍛える”ことにもつながる。
なるべく数秒で決める練習だ。憩いに来ているのに「〜するべき」というのは矛盾している気がするけど、どの席にするかいつまでも決まらないと挙動不審だ。そして決断後に、この席でよかったと、自画自賛する。審美眼も養える?
喫茶店巡りって、いろいろ楽める。
ザ 王道のコーヒー専門店
しかしここがご近所の方々は羨ましい限りだ。
ガラスに書かれたMAXという大きなロゴから、プリンを連想した。私にとってはここは少し遠出になるかもしれないが、生きる博物館をまた一つ見つけたので、いつかまたきたい。戦後の喫茶店文化が花咲いた時期に開業し、いまもコーヒー専門店はぞくぞくと出来ているけど、MAXのような味わいのあるお店が好きだ。
ここでは、昭和な喫茶店の王道を実感できる。
最近キアヌ・リーブスが来日して、東京の純喫茶を訪れたとニュースで見た。どこだろう?きっとあそこ?ここ?と想像してみているけど、外国人のお客さんにMAXをお勧めしたら喜ぶと思う。
今日の伯父の写真は、どこかのバースから見た船。昭和30年代撮影。伯父手書きの但書が添えられてなかったから、港名や船種は不明です。
【2017年4月訪問】
【東京都:中野坂上】モンプチ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その6*中野坂上*
モンプチは中野坂上にある。大通りから脇道にはいった住宅街の喫茶店だ。
パリで見かけるような一軒家店だなというのが第一印象だった。
ストライプの庇と、モンプチという名前がフランス語だからそう思ったのだろうか。
フランスの個人商店のお話
パリは個人商店を守る法律か条例かがあるらしく、デパートをはじめ大型店がセールできる期間が決められているなど、価格の不当競争が起きないようしているらしい。そしてチェーン店が進出しようとすると、住民は反対する。だから都市部でも個人のお店が存続していて、歴史のある個人商店が多く残っている。
カフェもそうだし、魚屋さん、八百屋さん・・・・・・。
BS日テレの番組、〈パリで会いましょう〉で感化されたかもしれない
数年前にBS日テレで、〈パリで会いましょう〉というドキュメント番組がO.Aされていた。まいかいパリに住むアーティストが、カフェでコーヒーを飲むシーンから始まる。カフェから始まる物語だった。カフェのオーナーへのインタビューがあったのも、この番組が好きなポイントだった。
東京だって、どこの町にも古くから人々に親しまれているJAPANESE CAFEがあるはずだ。その町に普通に暮らす人たちにだって、喫茶店から始まる物語があるんだとおもった。その番組こそ、私が喫茶店巡りを始めたきっかけかもしれない、とこの記事を書いていてふと思った。
メリーゴーランドのような可愛さ
モンプチはこじんまりとした、でも存在感のある個人の喫茶店だ。こういうお店を住宅街に発見するときって、小さい頃、ファンシーショップの心くすぐる看板を見つけた時の気持ちに似ている。なんとなく遊園地のメリーゴーランドのような、ファンシーな空気感が漂う外観だ。看板の形もこだわっている。
看板のフォントやフォルムは、個性を彩るのに大事なポイントだ。
むかしは、『なかよし』と『りぼん』を愛読していた。
大人になってもそういう世界感が好きなんだ。喫茶店巡りを通して、自分の好きなものの根っこを追い求めるにつれ、好きだったことやものを再発見すると、むかしのときめきの気分を思い出せる。わくわくする。
ここでは、ブレンドコーヒーを頼んで読書をしたが、
そういう時間が、いちにち中にほんの少しでもあると張合いがぜんぜんちがう。
マスターも優しかった。このお店の雰囲気のように穏やかな方だった。
最近は、船と船員さんたちのエピソードがない代わりに、
元外航船員だった叔父が
撮影したプリント写真を掲載している。
今日の伯父の写真は、昭和30年代の倉敷だ。
この車、誰のだろう。時代を感じる。
【2017年5月訪問】
【東京都:新中野】珈琲ハウス エイト 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その5*新中野編*
エイトは新中野にある喫茶店だ。有名なロゴは小池一夫さんのデザインである。
数字の1から8までを使って人の顔を表しているのがお茶目だ。
私のどこでもドア
いままで中野というと馴染みのない街で、単なる通過駅にすぎなかった。
この喫茶店を訪問するために新中野駅で初めて下車した。
地上に出るとわたしの町に雰囲気が似ていた。移動してきたということを忘れてしまう。電車って現代のどこでもドアだと思う。
電車の扉は動くドアだ。こんな感覚で電車に乗ってみると楽しい。
文化人の集まる喫茶店
エイトは小池一夫さんやゴルゴ13のさいとうたかをさんご用達のお店だ。漫画家さんや文化人が執筆の合間に来る喫茶店は憧れである。
近所にこんな素敵な喫茶店があるのが羨ましい。わたしが喫茶店が好きなのは、気晴らしにもなるし雑談が出来る場所でもあるし、ぼーっと過ごせる場所であるから。それとおなじくらい乗り物だ好きだ。ここでもぼーっと時間を過ごせる。
「長距離の飛行機は暇すぎて何をしていいかわからない」というひともいるかもしれない。わたしの場合は、普段ぼーっとするためのまとまった時間がとれないから、乗り物に長いこと乗ると、そういう時間ができるので嬉しい。
乗り物ってすごい。
到着地につき、ドアを開るとみたことない景色に目の前に広がるのだ。
乗り物は、妄想しだいでは、どこでもドアのように思える。
あれから1年。
エイトに訪問できたのは2016年の6月のことだった。実は1年ほど前にも訪問したことがあった。そのときは振られた。
勤務がおわって17:00頃にいったのだが、エイトについた瞬間、ママさんがちょうどドアに鍵をかけていた。
振られた、というよりも声をかけるタイミングを逃して告白できなかったくらいの気持ちだった。潮時が来たらまたアタックすればいいと思った。
この近くにも喫茶店があるだろうと、隣駅の新高円寺に向かったのだった。
それから1年後に訪問がかなった。このころコーヒーフロートにはまっていた。エイトのコーヒーフロートはアイスが大量に乗っていて大満足の一杯だ。
今日の叔父の写真は、昭和30年代の岩手県 浄土ヶ浜です。
天然の白黒写真、白黒でも風光明媚さが伝わってくる。
【2016年6月訪問】
【東京都:東高円寺】サムシンエルス 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その4 *東高円寺編*
青梅街道沿い 東高円寺:新中野=6 : 4
丸ノ内線全駅下車の喫茶店旅を始めようとおもったころ、喫茶店の存在がすぐ思い浮かぶ駅とそうじゃない駅がある。新高円寺は後者にあたり、本当に苦戦した。コーヒーを飲めるところならあることはあるが、なかなか食指が動かなかった。
ついに見つけたのがこのみせだ。場所はというと東高円寺駅と新中野駅の間6 : 4くらいの距離だ。新中野駅からの方が近いかもしれない。でもわたしは東高円寺駅から歩いたのだ。この喫茶店は東高円寺編にくみこむことにする。駅から徒歩5-6分くらいの距離だ。
スモークガラスあるある
補強しながら大切に使っている看板が良い。新しいものは簡単に手に入るが、この雰囲気と重みは簡単には作り出せない。店内も素敵だ。
初めての喫茶店は、入ってみるまで恐る恐るだ。中がうかがえないから。暗く感じるのはガラスがスモーク施工されているからだ。外から中は窺えないけど、逆は・・・・・・しかりではない。中から外はよく見える。これは喫茶店あるあるだ。わたしが夢中で外観や看板を撮影していた様子は、きっと中から見えていたはずだ。
入店すると、まよわず窓側の見晴らしのいい席に案内された。マスターは気配り名人だ。カウンターのすぐそばに座った私は、マスターの様子がよく見える。
続々と入店するお客さんへの気配りがすごい。長くサービス業をされている方はさすがだとおもわせた。
私が帆船の模型を見つけ、撮影許可をいただくと、よく見えるように位置を調節してくれた。寡黙そうなマスターだが、優しいのだ。
たまたま街を漂流してたどり着いた喫茶店だが、帆船模型があるお店で思いがけなく幸せだった。
別添えのグラスがかわいいロシアンティー
最近ジャムが気になっている。たぶん先日、テレビ番組の〈沸騰ワード10〉で
家政婦の志麻さん作、カブのイチゴジャムマリネのレシピを見たからだ。すぐに試したくなり早速作った。おいしかった。梅干しとハチミツを混ぜたような味がした。
この日はいちごジャムのロシアンティーが飲みたい気分だったので、
何気なくオーダーしたら思いがけなく素敵な装いで運ばれてきた。
別添えのグラスに入ったいちごジャムが可愛い。ランチ時間帯ではなかったが、お客さんが続々とはいってきた。このお店は、評判がいいんだろう。近くのサラリーマンがきわどい話をしていた。2020年までに、東京の飲食店界隈はどうなっているんだろう。今は分岐点だということは確かだ。だからこうして2017年現在の喫茶店の様子を、ブログに残すことは意味があると思う。 できる限り書いていこう。
今日の伯父の写真は川崎ゼネラル岸壁(昭和30年ごろ撮影)
読めない…何丸?
【2017年6月訪問】
【東京都:新高円寺】ブーケ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その3 *新高円寺駅編*
Cafe ブーケは新高円寺駅前にある喫茶店だ。
丸ノ内線沿線は、駅からすぐの場所に純喫茶が残っていて良い雰囲気だ。
高円寺⇆新高円寺まで歩けますよ
新高円寺駅というのはあまり馴染みのなかった駅だ。この店に来るために初めて降りた。新高円寺駅はJR高円寺駅南口からずっとずっと南下すれば着く(徒歩20分くらい)。高円寺駅からつづく商店街を散策しながら、ここまで来るのもいいと思う。
ちょうど疲れた頃にここで休憩するような折り返し地点の峠の喫茶店のような感じか。JR高円寺駅から出発するなら、
地理的にトリアノン→ぽえむ→ネルケン→ルネッサンス→七ツ森→ブーケの順にまわると便利かもしれない。新高円寺から来る方はその逆だ。いろいろと喫茶店巡りが出来ると思う。
インベーダーゲームと蛇の思い出
ここは私が幼少期によくきた喫茶店に似ている。庇とガラスの感じがそうだ。
父方の親戚はちょっと面白く、テレビに出ていたりした。伯父はインベーダーゲームや、ストローの袋をくしゃくしゃにしてドリンクをたらすと蛇のようにニョキニョキ延びる遊びを教えてくれた。
瞑想ブーム先取り
ブーケは喫茶店巡りを始めて2軒目くらいにいった。かなり早い段階で訪問したのはブーケのかわいいマッチが欲しかったからだ。
それに高円寺には、頻繁にくるのにこんな素敵な喫茶店があることを知らなかった。
早急に確認しにきたかった。
この店の窓側の席と歩道との距離はちかい。通りを行き交う人々がものすごい近くを歩いている横で食事をしているという図がおもしろい。外は雨が振っていたが、雨足が弱まるまで喫茶店で過ごすというのも贅沢な時間だ。ヨガも好きだが、ヨガが自分の心を取り戻すエクササイズだとしたら喫茶店にも同じような効果があると思う。
最近ビジネスマンの間で「瞑想」がはやりらしい。忙しさと瞑想のバランスが取れると生活の質が上がるらしいのだ。でも、喫茶店好きな人はその効果をすでに知っている気がする。
SNACKというジャンルのナポリタン
喫茶店巡りを開始した当初は、ナポリタンを頼み続けていた。ここでもそうだ。喫茶店のフライパン毎に染み込んでいる味があると思う。各店で味が確実に違う。ここのは気取らないSNACK(軽食)という感じだった。
こうしていると今もナポリタンが食べたくなる。気取らない喫茶店のナポリタンがたべたい。
自分で調理すると体に優しい味付けを・・・・・・などと心配をしてしまうが、喫茶店では好きなだけジャンクに走る。
【2015年5月訪問】