【浅草】アンヂェラス *2019年3月閉店*
アンヂェラスは浅草にある喫茶店だ。
豪華3階建ての、昭和20年代からある老舗中の老舗だ。
故池波正太郎氏も御用達だった。
彼が好んだ梅ダッチコーヒーは、梅がさっぱりしていて食後に合う。
乙女メニューには、赤いサクランボが可愛いかもしれないが、
大人の遊び心をつくしたメニューには、青い梅というのが渋く似合う。
コーヒーに梅酒というのは、一瞬戸惑うが、
ブランデー入りコーヒーの存在を思うと、案外イケるである。
ショーウィンドウと1階のケーキのショーケースに、
浮かれること請け合いだ。
バターケーキのホールをいつか買いたい。
今日のお供は『命あげます』(三島由紀夫)だ。
この方も、とある喫茶店でシャンデリアにぶら下がろうとしたりして、
遊び心のあった方だ。
【2017年1月訪問】
【初台】ダンボ
〈ダンボ〉は、初台にある喫茶店だ。
黒板にチョークで書くスタイルの看板が好きだ。
”クリーミータイム”というネーミングに惹かれて頼んだトーストセットだ。
これぞ喫茶店トーストの見本といった正統派がでてきた。
厚みにしろ、焼き加減にしろ、バターにしろ、シャリシャリの紙ナプキンにしろ
全て好きだ。
オリジナルの伝票があり、コーラの看板があり、
マッチが健在のイチオシ喫茶店である。
ここは。ミルク&コーヒーのお店なのだ。だから”ミルク”がメニューのトップにある。
今日のお供は、
『結局。「すぐやる人」がすべてを手にいれる。』(藤由 達蔵著)
私は、喫茶店にすぐ行ってしまう。すぐやる!行動力は、あるのだ(笑)。
【目黒】ドゥー
〈ドゥー〉は目黒にある喫茶店だ。
裏道にある庇はうっかり見落としてしまいそうなのだが、
大通りにあるこの看板を目印にする。
脇道に入ったら、控えめなシックな看板があった。
隠れ家的存在なのかと思いきや、日曜の昼下がりに全席埋まっていたほどの人気ぶりだ。このお店の信頼のほどがうかがえる。
雑誌で見ていらい、ずっと食べたかった念願のクロックムッシュだ。フランス直輸入のゴーダチーズをつかったシンプルな一皿だ。
マッチは、琥珀色の灰皿にセット済みだった。
シンプルなデザインだが、フォントと色褪せ具合にグッとくる。
マスター一人で切り盛りしてるから、
お客さんがカウンターに食器をさげにいく姿が見られる。
誰からともなく始めたことなのだろうが、素敵な光景だった。
今日のお供は、スティーブンソン『宝島』
好きなものは人情なのだ。
【高崎】コンパル
コンパルは、群馬県高崎市にある喫茶店だ。
行きたい喫茶店のある県の、ライブに申し込んでおいた。
やっときたよ!高崎!
なんて贅沢な休日の過ごし方なのだ、と思う。
なぜわざわざ喫茶店巡りをするのか、しかも小旅行の距離の場所へ。
その答えは、文化遺産級の空間を愛でて癒されたいからだ。
ここは、何より看板とマッチのデザインが最高である。
マッチが欲しくいために訪れたといっても過言じゃない。
使われているのは、たった三つなのに、デザインが秀悦なのだ。
この色の組み合わせが好きなのだ。
ピンクにミドリが。ほんわかする。
いい匂いはするストーブもあった。
丸いミルクティーみたいな椅子が可愛く並んでいる。
わざわざ作り込まなくても、日常が素敵なんだと感じた瞬間だ。
生活に根付き、人の体温を感じるものがいい。
天気の良い日の窓側にすわると、英気を養える。
今日のオーダーは、ナポリタンにした。お腹いっぱいになった?と気さくなマスターが、そのあともたくさん昔話をしてくれた。
この空間を、映画の撮影につかいたいという依頼が多いというのもうなづける。
窓からの景色も、加工なしのそのままで映えるのだから
今日のお供は『コンビニ人間』(村田 沙耶香著)
多様性がいいのだ。
【東十条 】みかさ
みかさは東十条にある喫茶店だ。
白字にブルーの〈みかさ〉と
オレンジのひさしが素敵だ。どちらも魅惑のフォントが使われている。
Coffee生ジュースを書かれた大きなガラス窓。かわいい、かわいすぎる。
昼間。明るい日差しのしたで眺めた方が建物がよく観察できると思ったが、たいがい喫茶店を訪問するのは夜になってしまう。
明かりの灯ったオレンジが、夜の闇に妖艶に浮かび上がる姿も
ムードがあって好きだ。
店内のインテリアはビロードのソファに、濃いめのブラウンの壁がめだまだ。
昭和の応接間のようだ。
この日、店内では常連さんとママさんが大相撲を観戦していた。
稀勢の里の優勝が決定した瞬間は、さながらスポーツバーのような熱気だった。
この日のお会計、
ミックスサンド 480円
コーヒー 350円