純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【大阪府大阪市:なんば】珈琲艇キャビン  不自由の中の自由

珈琲艇キャビンは大阪なんばの喫茶店だ。ここにくるために大阪にきた、と言っても過言ではない。

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もう!大好き!な喫茶店

船や海にまつわる名前というだけで来る動機としては充分だ。
しかも珈琲艇という名称がいい。センスにほれる。店名にそそられまくる。
内装が凝りに凝ったキャビンのような作りだとうわさに聞いていたので、
小旅行の計画をたてて、できれば早々に訪問したいと願っていた。

不自由こそ自由

わたしのお気に入りの喫茶店の多くはインテリアで舵を飾っていたり、船の模型があったりする。喫茶店を経営される方は、船好きな方が多いのかな、と感じている。
私は船だけでなく、飛行機や鉄道などひろく公共の乗り物が好きなのですが、それは旅好きだからで、”いろいろなところに連れて行ってくれる箱”としての乗り物が好きなのだ。人とのふれあいも好きで根本的に人好きなのだ(人見知りだが人好きだ)。
だから、このお店も、オーナーが船好きだから船のような喫茶店にしたのかと思いこんでいたところ「船のような内装にしたのは、建物の形が船に似ていたからだ」という。キャビンが入る建物は、まさに船首部分の形をしている。
元々あるものを素敵に生かした例だ。窓も日立造船所の本物の窓だそうだ。
船内のバーやラウンジにいるような気分になった。
帆船日本丸の模型もあったし、お気に入りポイントがたくさんある。

この喫茶店は、建物の形に制限があったからこそ誕生した偶然の奇跡だ。
人の生きる道も”制限があった方がかえって自由にできる” ” 枠があるからその中でのびのびとできる”のだと思う。選択肢が狭まっている方が選びやすいのだ。
好きなものだけを選び、好きなように自由に生きていいよと言われた方が不自由な気がする。この建物も、本来だったら使いにくい形かもしれない。
でもだからこそ、とことん追求する自由を見つけたのだと思う。
枠にはまりたくないと思うこともあるが、枠があるからこそその中で自由になるときがある。
枠がなく、自分は何者でもないことは、じつはとても怖い。
枠があれば、その中での完成って目指しやすいからだ。
だから同様に終わりそうにない小説というのは怖いと思う。
今のところ読みたいけど終わりそうにない小説は、『アンナカレーニナ』だ。
あらすじをしって読んでみたいと常々思っているが……あのボリュームだ。終わりそうにないから怖い。

.......なんてことを喫茶店で考えた。

茶店に船にまつわる装飾品がある理由

ちなみに船関係のインテリアがある理由について、
わたしが独自に調査したTOP3は、
1.お客さんがくれた。
2.親戚が船会社に勤めていて不用品をもらった。
3.実家が船のオーナーであった。

と言う理由があった。喫茶店のオーナーが船が好きだという理由もあるが、常連さんが船好きだある。という理由が大いにあるようだ。
茶店好きは、人好きで旅好きである。という私の仮説はあながち間違っていないかもしれない。
茶店に通う人たちは、こだわりをもって好みの喫茶店を決めたら、そこの常連さんになる。そしていつしか船の模型をプレゼントするような間柄になったんだ....。
などと誰かのストーリーを勝手に妄想する。楽しい。
この妄想こそが私の最高の休日の過ごし方だ。

わたしは常連と呼べるほどの訪問は出来ていないが、
いつか距離的にも味的にも波長の合うお店を見つけ、通いつめられるようになったらいいな、と思う。

 

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大阪府大阪市西区南堀江1-4-10

 【2017年5月訪問】