純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【東京都:神保町】珈琲舎 蔵 喫茶店のチーズケーキ編

今日は、神保町の〈蔵〉を紹介する。

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珈琲舎という響きと、この重厚な木の看板から、ストイックなイメージがする。
中に入ると、店内は照明が落ち着いていて、それだけで癒される。
壁に掛かるまっすぐな眼差しでじっとこちらを見つめる女性の絵画と、テーブルのゴージャスなフラワーアレンジメントと、棚に並ぶコーヒーカップの穏やかな色彩が印象に残っている。
メニューにはコーヒーと少しのスイーツがある。
本の街にあって、プラス数百円でコーヒーがおかわりできる。
のんびりしてしまう。本のページをめくりながら過ごす時間が愛しい。

 

わたしは収集癖がある。ノベルティや紙モノ、それに喫茶店のマッチが加わった。
物だけでなく、文字やことばを集めることも好きだ。
ずっとむかしから本を読むことが好きだ。
物語の中に未知の言葉を見つけ、永遠に辞書サーフィン(ネットサーフィンならぬ)をするほど、没頭していたのを覚えている。
だから情報収集は、趣味の一つだと思う。最近集めているのは、喫茶店の情報だ。
集めた情報をもとに、こうして喫茶店に通う。
そこで本を読み、また言葉を集める。

 

最近読んでいる本は、『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』だ
キャスリーン・フリン (著), 村井理子 (翻訳))

 

わたしはあるとき、ほんのわずかな期間だが、菜食主義をとおしていた。
アレルギーがひどかった時期で、当時、食生活の見直しをしたのだった。
そのため、調味料にこだわった。ソースや塩、油に香味野菜やスパイスに。
今でもタレは市販品ではなく、手作りしている。
少しずつ毎回買うよりも結果的に安あがりだと思う。
それに、できたてはフレッシュで美味しい。
この本で油やチーズの味の比較する場面がある。そのシーンにとても共感した。

 

 私も数年前までは、この本の登場人物のように、ほとんど料理ができなかった。
外食がほとんどだった。でもそれだとかなりの出費になる。
でも、これまでの外食の経験があるからこそ、料理の際、再現力がついたことは確かだと思う。
どんどん外で好きな味を探す。好きの基準を探す。
だから今のわたしは、毎回違う喫茶店を訪問して、新しい“好き”を探している。

 

チーズケーキの味も喫茶店ごとに違う。
レアもあるしベイクドもフレッシュもある。
どのコーヒー(産地や焙煎の仕方)にどのチーズケーキが合うかも、
大事な要素だと思う。でも、その自分の好きは、自分にしかわからない。
美味しいかすごく美味しいかを探しに来る。
蔵のチーズケーキはすごく美味しい。
こうして、好きなものを追い求めた記録をここに残している。

〈蔵〉でチーズケーキを濃厚に味わったこの時間は、
最高に好きな時間だった。

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東京都千代田区神田神保町1-26 矢崎ビル 2F

【2015年8月訪問他】