初めてこのお店の存在を知った時。銀座にこのようなお店が残っているとはなんて貴重だと感動したものでした。本日の記事は2017年11月末で閉店する予定の喫茶グローリーです。
建築物は築100年 喫茶店営業は50余年とのこと。
なんでもレアな建築物のようで大正時代のもの。看板建築と自動販売機が埋め込まれたような形でユニーク。雑誌にも取り上げられ建築好きさんにも人気だとか。近くにトマト模様で目立つトマトビルという建物があり(パンケーキで有名な雪の下が入っているビル)新旧のコントラストが面白い。この界隈は銀座一丁目にある1930年代の建築物、銀座最古の手動式エレベーターが残る奥野ビルや銀座柳通りのアンリ・シャルパンティエの建物なども荘厳で眼福ものです。
グローリーは一度中に入ると、銀座にいることを忘れてしまうほど、庶民的な昭和の町角喫茶店。喫茶店らしい飴色の革貼りの椅子に沈み、奥のタイル張りカウンターで作業をするマスターの小気味良い動きを感じる。グラスに氷がカランとぶつかる音、炭酸のシュワ〜という音が心地よい。ぼぉ〜とブラウン管のテレビを眺めていると本当に時が止まったようで、せわしない自分の心も安らぐ気がします。
頼んだのはレトロ気分もど真ん中クリームソーダ。三角におられた紙ナフキンが懐かしい。グローリーは平日のみで確か17時くらいで閉まるのではないでしょうか。私は午後休暇を取得しこちらに立ち寄ったのを思い出します。
2軒だけになった銀座1丁目の純喫茶。こちらが閉店すると向かいにあるミモザだけになってしまいます。どちらも飴色のコーヒーシュガーのような世界。懐かしい世界は、思い出だけにしたほうがいいのでしょうか。知ってしまうといつかはお別れしなければならない時が来るのを気づいてしまう。そんな甘くほろ苦い時間を過ごしました。
11月末までにまたいければと思っています。
【2016年4月訪問】