純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【愛知県:名古屋市中村区】ロビン  海王丸のごきげんよう

純喫茶丸は今日も名古屋の喫茶店をいく。少し休憩も必要だが、動いている方が気がまぎれる。進まないといけない時がある。船も人の心も同じだ。
ロビンは、名古屋市の中村区にある喫茶店だ。
地下鉄の日赤中村駅で降りて、幾つか喫茶店を訪問したあとにやってきた。

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 ロビンは山之内遼さんが『47都道府県の純喫茶』で紹介していたお店だ。

www.j-n.co.jp

モーニングの時間に訪問した。ママがとても優しく明るく迎えてくれ、初訪問でも居心地が良かった。いろいろお話をしてくださった中、ぐうぜん山之内遼さんの話になった。かつてママの娘さんが純喫茶を巡っている山之内さんのブログをたまたま見つけ、ロビンのことをメールで伝えると、迅速な返信とともに間もなく実際に訪れたこと。
2〜3回しかあっていないのに、お孫さんがすぐに懐いてしまうくらいの好青年だったということ。
亡くなった時に家族で悲しんだこと。
「遼くんの本を読んでくれて嬉しい」とおっしゃっていた。
山之内さんは愛されていた。
山之内さんにすっかりなついたそのお孫さんが、小学生のころに、
初めて買ったポスターカラーで書いたというのが、このロビンのポスターだ。

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いろいろな喫茶店で看板を見てきたが、オリジナリティがあふれている。
一目で心を奪われた。


会話のとちゅう私が海の仕事に携わっていることを伝えると、
ママが横浜で練習船海王丸」の”登檣礼”を見学したはなしをしてくれた。
船乗りさんは正式な資格を取るまえに実習船に乗り、実地訓練を行う。
実際に船にのって操船と寄港を練習するのだ。
“登檣礼”(とうしょうれい)というのは練習船が出港する際におこなう儀式だ。
練習生が数十人、甲板から高さ50mほどのマストに登り、見送り人たちに「ごきげんよう」といい応援団のような挨拶をするのだ。
海上でてしばらく家を留守にする船乗りさんたち。家族や友人はさぞ心配だろう。
ママはその「ごきげんよう」という言葉にとても感銘を受けたらしい。ごきげんようは「さようなら」でもないし「またね」でもないと。


「長い航海に出ますが、無事に帰ってきますので、留守を宜しくお願いします」

という意味の言葉だと、感じたらしい。素敵な感性だと思う。名古屋の喫茶店で船の話で盛り上がるとは想像してなかった。ただそれは、ママがどんなお客さんとでも話が弾むよう、会話の引き出しを持っているからだと思う。

ごきげんよう。に対する思いや、素敵なインテリアや、お孫さん作の愛あるポスター。その豊かな感性が代々受け継がれている素敵な家族経営の喫茶店だった。

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 愛知県名古屋市中村区寿町36

【2017年4月訪問】