純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【東京都:王子】街角 *2018年4月ごろ閉店*

また残念ながら、閉店した喫茶店のお話を綴る。
王子の街角が閉店したそうだ。twitterの喫茶店仲間である
 @satochibi さんの投稿で知った。

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私は訪問二度目でドアを開けることができた。
一度目は土曜日で、すでに閉店時間をすぎていた。
のちにそのことをママに伝えると、その頃からすでに不定期営業だったという。
「定時にはできない。開店は10時過ぎになることもあるし、夕方に早く閉めたり、土曜日も休むことがあった」とママはいう。
ようやく私の訪問がかなったのは、2017年5月のある平日のことだ。
あっという間に時が過ぎ、
気づけば再訪までに1年近く経っていた。

海洋文学のような年代物のインテリア

ここは、海洋文学に出てくるような、
古き良き物語の舞台のようなインテリアだった。
外からもみえる場所に、大きな舵が飾ってある。
木製の本格的なものだ。お店の雰囲気は妖艶で独特のオーラがあり、
昔ながらの木製のボックス席に座ると、まるで船室にいるような気分になった。

MAX Visibility

この当時、私の心にはもやがかかっていたのだが、
ここで過ごしていたら、なぜか心が晴れたことを思い出す。
店内でぼんやり過ごしていた私に、優しいママが心地よい距離感をとってくれた。
お店を出るころには、視程が広がるのを確かに感じた。

水尾が消えるまで

ピラフが素朴なカレー味で美味しかった。家庭的な味で懐かしく、それも癒しになったのだと思う。
茶色い空間に、カラフルでポップな灰皿とグラスがアクセントの本当にお洒落な空間だった。

船を見送った港に佇むような気持ちだが、行ってしまった船の描く水尾が消えるまで好きなだけ余韻に浸りたい。

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東京都北区豊島2-2-1

2018年4月ごろ閉店

【2017年5月訪問】

 

【東京都:志村三丁目】カフェベルニーニ 喫茶店のチーズケーキ編

今日は志村三丁目の喫茶店〈カフェベルニーニ〉を紹介する。

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完全オリジナル焙煎

こちらは一番リピートしているお店だと思う。
みせの奥で自家焙煎をしていて、全自動ではなく店主の技で完全オリジナルで焙煎をしている。店主の岩崎さんは、ジャパンバリスタカップの審査員の経験があり、
腕には間違いない。この店のコーヒーとチーズケーキの組み合わせは無敵だ。

最近はダン・ブラウンの『ロスト・シンボル』を読んでいるが、
中でもコーヒーすきにとって印象に残っているシーンがある。コーヒーの芳香がただよってくるようだ。
主人公のラングドンが、序盤に、友人であり恩師のピーター・ソロモンから、
日曜の早朝に電話を受ける場面である。

六時ごろ家に戻ると、スマトラ産のコーヒー豆を手で挽く朝の儀式に取りかかり、キッチンに満ちるエキゾチックな香りを楽しんだ。(略)コーヒー作りを再開し、グラインダーに豆を追加した。けさは少しよけいにカフェインがいる。長い一日になりそうだ。(出典『ロスト・シンボル』ダン・ブラウン:越前 敏弥:訳)

これを読んでいたら、スマトラコーヒーが飲みたくなり、
先ほどシングルオリジンのスマトラ マンデリンを購入してきた。
マンデリンはインドネシア産地のコーヒーだ。

エキゾチックコーヒー

マンデリンはインドネシアスマトラ島で栽培される豆で、日本人にも欧米人にも特殊な香味で人気が高いという。
本書でエキゾチックな香りのコーヒーとして登場するにふさわしい銘柄だ。
インドネシアはブラジル、ベトナム、コロンビアに次いてコーヒー豆の生産量が高い国である。生産量は多いが、上質なマンデリンは希少品種で高級品なのだ。
ラングドンが愛飲するコーヒーとして、スマトラ産のコーヒーを描くことで、
彼の特別感を出している気がする。

私はコーヒーをたくさん飲むが、まいかいお店のオススメを注文するせいもあり、
あまり銘柄にはこだわらないし、じっさいよくわからない。
だから、いざ好きな豆は?といわれても答えるのが難しい。
そういう時はミーハーよろしく、最近本で見かけたから、という理由で選んだりする。
気になるシーンや、あとで調べ物をしたい箇所などに、付箋をたくさん張るのだが、私のよむ本には、コーヒーや喫茶店にまつわる記述に付箋がはられていることがしばしばある。

癒しの銘柄選び

こちらのお店は浅煎り、中煎り、深煎りと、豆によって焙煎方法を変えている。
選ぶのが楽しい。産地や煎り具合を比べつつ、いろいろな銘柄を試すのがいいのだ。
最近はエルサルバトルや、エチオピアの豆などを購入した。
迷ったらお店オリジナルの〈ベルニーニブレンド〉を買えば間違いない。

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【2015年4月訪問他】

東京都板橋区志村3-7-1

 

 

【東京都:神田】カフェ ビオット 喫茶店のチーズケーキ編

カフェビオットは、神田美倉町にある喫茶店だ。
店先では焙煎中のコーヒーの香りが芳しく、入らずにはいられない。
コーヒーの相棒チーズケーキは、スパイスが効いた大人の味だ。

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人生とは海のよう。私たちの人生はそこに浮かぶ船のよう。

海に由来する表現はたくさんあり、今も地上に生きている。

例えば「潮時」もそうだ。
”潮”は船の世界では大事な概念である。
貨物船は貨物をいかに多くいかに安全に運ぶかが大事だ。
船にはそのための安全基準が設けられている。
喫水線(きっすいせん)と言って船にはある一定のラインが設定されており、
船体がそれ以上浮かんでいないと(あるいは沈んでいないと)いけないラインがある。
その目的は複雑で多岐にわたるが、
ここでは特に、浅瀬にいて船の底が海底にぶつからないようにするため、と思っていただければよい。

貨物を積むと、その重量分だけ船は沈下する。
そのため潮汐がふえれば、よりたくさん積めることになる。
船の荷役をする際は、潮が満ちる方を望むことが多い。
でも上部にあるクレーンにぶつかるほど高すぎてもいけない。
潮の高さによる調整は、微妙なさじ加減が必要なのだが、
ちょうどいいタイミングのことを、”潮時”という。
”潮待ち”という言葉は、そのまさにちょうどいいタイミングを待つ、という意味で使う。決してネガティブには使わない。

しかしスポーツ選手等の引退に際し、
「もう潮時ではないか」などと書かれていると、肯定的には感じない。
一般的に”潮時”というとネガティブなイメージを持つ方が多いのではないだろうか。
じじつ、文化庁の国語課の調査では”ものごとの終わり”という意味で捉えている人が多いと書かれていた。

 

潮時について

問1.潮時とは本来どのような意味なのでしょうか。

答:ちょうどいい時期 という意味です。

辞書で調べてみましょう。

「ものごとを行ったりやめたりするのに適する時。好機。

(出典:「日本国語大辞典 第2版」(平成12年〜14年 小学館))

あることをするためのちょうど良い時期。好機。時期

(出典;「広辞苑 第6版」(平成20年 岩波書店))

 

このように潮時とは本来、あることをするためのちょうど良い時期を表しており、

ものごとの終わりという意味ではありません。

(出典:文化庁 広報誌 ぶんかる 言葉のQ&A 003より)

 

 

船の世界で使う”潮時”という言葉は「満ちていく潮」の方がgood timingでしょう。
いっぽうで潮干狩りをしたい人には干潮の方がgood timingでしょう。

海の潮は、満ちるのか引くのか、どちらが好機なのかは、それぞれの世界で変化する。引退とセットで使われる潮時の場合にも、美しく去りたいという美学もあるだろうし、ものごとの終わりがネガティブであるとも限らない。

このように人生の歩みや生き方を表するのに、
海から生まれた言葉を借用していることが多く、とても興味深い。
人生とは海のよう。私たちの人生はそこに浮かぶ船のよう。”だからでしょうか。

だから海の言葉が好きなのだ。
海の言葉には哲学やロマンが溢れており、素敵だと思う。

 (参考図書:「海の英語」佐波 宣平 成山堂書店) 

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東京都千代田区神田美倉町1番地

【2017年9月訪問】

 

【東京都:秋葉原】タニマ  *2018年3月27日閉店*

「タニマが閉店する......!」そんな情報が流れたのは、3月の半ばのことである。
またもお見送りか。
タニマは秋葉原の賑わう通りの谷間にあって、
せわしない日常と、ゲーム街やアイドル劇場との谷間にある理想郷だった。

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このお店はとにかく昭和のかわいさ満載だった。
看板の黄色と青の絶妙な配色、ひさしのストライプにテーブルクロスのギンガムチェックがとにかくポップだ。全体的に好きなインテリアデザインだった。


店内ではカードゲームにいそしむ青年たちで溢れ、
秋葉原文化が色濃く感じられるお店だった。
普段東京に住む私にとっても、ともすれば見過ごしがちな、
東京の良きカルチャーを実感できるお店だった。
ここに来るだけで、秋葉原に何日も滞在するのと匹敵するくらいのお店だったと思う。

 

閉店のニュースを耳にすると、いつも船を見送った後の港のような寂しさが押し寄せる。寂しいから、ここで過ごしたポップな時間を、クリームソーダの水面にそっと揺らした。明日からの新しい潮流に思いを馳せる。

 

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東京都千代田区外神田4-4-9

【2017年3月27日閉店】

 

【東京都:神保町】カフェ トロワバグ 喫茶店のチーズキーキ編

今日は神保町の〈トロワバグ〉を紹介する。
先日の〈カフェ トロワシャンブル〉と姉妹店だという。
この街には喫茶店は数あれど、駅の出入り口に近く立地も抜群だ。

大好きな本屋街で散々宝探しを探したあと、現実に戻る前に、いまいちど息を整えるのために入る。本を探した後はテンションが高まっているからだ。

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そこかしこの談笑が

一枚板のオーラ満点のカウンターに華やかなフラワーアレンジメントがある。
ウッディな茶色いインテリアに、華やかな彩りが添えられてていいアクセントになっている。グラタントーストが名高いが、
トロワシャンブルと同様、チーズケーキが濃厚でとてもおいしい。
コーヒーとチーズケーキの組み合わせの正義をまた実感する。
店内は学生さんや、ママとお話ししたいのだろうというお客様で満席だ。
店内に溢れる談笑が、すべて楽しそうだった。

コーヒーマシンのオートパイロット

さて今日はオートパイロットの話をしたいと思う。
オートパイロットは、本来、船舶の自動操縦システムのことなのだが、
これも船員仲間どうしは、人に対して使う。

例えば社内にあるコーヒーメーカーで珈琲を淹れていた時の話だ。
私は、コーヒー豆をセットせずにお湯だけが落としていた......ということが数回ある。このルーティンを無意識におこなっているので、
手順が抜けても気づかないのだ!
はー、あぶない。最終的にものすごく透明に近いコーヒー水が出来上がっていた。
「今日のコーヒーなんか薄いんだけど......」と言われてハッと気付く。
コーヒー豆入れてなかったのだ。
この時「(脳が)オートパイロットだったから気づかなかった!」といったらみんな笑っていた。私はコーヒーマシンのパイロットだった。

オートパイロットとは

オートパイロット(autopilot)とは操船時の自動操縦のことだ。

かんたんいいうと、自動車のマニュアルとオートマを思い出していただければいい。
自動で操縦するモードのことだ。
オートパイロットとは、20世紀中盤から大型船に導入され、
ジャイロコンパスなどの方位センサーで方位信号を受け、
目的の針路で航行するように操舵を自動制御する装置だ。
(明和海運株式会社 海運豆知識より引用)

詳細はこちらをどうぞ。↓

www.meiwakaiun.com

万年筆のパイロット

あの万年筆で有名な〈PILOT〉は、飛行機のパイロットではなく、
船の水先案内人=パイロットにちなんでいる。
PILOT社の創業者二名が元船員だったことに由来してるらしい。
業界を先導するような企業にしたい、という思いで名付けたそうだ。
ちなみに東京海洋大学(当時 東京商船大学)のご出身である。
数年前、パイロットのイメージがどうしても飛行機になってしまっていたとき、
当時の上司からPILOT社の由来をきいて腑に落ちた。

 

どの世界にも水先案内人がいる。みんながそれぞれ得意なことがあって、
みんな何かの専門家である。
そうやって人間同士、なかよく持ちつ持たれつで生きていけたらいいのに、
と思った。

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 【2015年10月訪問:他】

東京都千代田区神田神保町1-12-1 富田ビル B1F

【東京都:下北沢】トロワシャンブル 喫茶店のチースケーキ編 

今日は、下北沢の〈カフェ トロワシャンブル〉を紹介する。

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映画の撮影でも使用される店内は、美術品さながらである。
コーヒーによく合うチーズケーキは、ベイクドかレアタイプかを選べる。
この日選んだのは、ベイクドだ。濃いめのコクがある珈琲は、わたしの好きな味だ。

コーヒーを浚(さら)う

さいきん船員仲間が、カップの底に残った珈琲一口を飲みきる際に
「珈琲を浚(さら)う」と表現した。
これはとても独特の表現なので紹介したい。


船舶専門用語で、strippingというものがある。
液体やバラ積みの貨物を荷役するときに耳にする言葉だ。
特にタンカーの荷役中、底の方に残った油を取りきる際に使うのだが、
日本語では

「浚う」という。

 最後まで取り除く。みたいなニュアンスだ。

 

鍋を浚う

仲間が集まると、普段からこんな専門用語が自然に会話に盛りこまれる。
以前、鍋をかこんだ時に、いわゆる”遠慮の塊”に対して
「浚っていい?」というセリフが聞こえてきた。
そして、コーヒーを飲み干す時にも「浚(さら)う」というセリフをつかっていた。
なんだかとても興味深い。

”stripping”

ショーなどで裸になっていくあの“ストリップ”と同じ意味だ。
最後の衣服の一枚までを取り尽くし、裸にするという意味だから、
なるほど、と腑に落ちた。
実のところ、私はstrippingの意味が覚えにくかったから、
ストリップショーを思い浮かべながら暗記した。

言葉の旅

言葉のそもそもの意味を知ることが好きだ。
言葉は派生して色々な意味に変化する。
そもそも語源はなんだ?と遡って知の旅をするのが良いのだ。

 

そんなことをかんがえながら、チーズケーキとコーヒーの正義の組み合わせをいただいていた。
美味しいからもったいなくて、大事に少しずつ飲んでいたコーヒーカップの残りはあと少し。
おもいきって浚い、読んでいた小説を閉じ、店をあとにした。

出口脇のプランターに見つけたのは愛すべき”くせ字”だ。

”タバコ捨てないで!”

”!”の書き方が80年代に流行った丸文字風だが、いつ書かれたものだろうか。
やっぱり人間の文字って可愛い。
パソコンで印刷された文字には慣れたけど、
味わいのある直筆の文字がとても好きだ。

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東京都世田谷区代沢5-36-14 湯浅ビル 2F

【2017年8月訪問】

 

【東京都:神保町】珈琲舎 蔵 喫茶店のチーズケーキ編

今日は、神保町の〈蔵〉を紹介する。

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珈琲舎という響きと、この重厚な木の看板から、ストイックなイメージがする。
中に入ると、店内は照明が落ち着いていて、それだけで癒される。
壁に掛かるまっすぐな眼差しでじっとこちらを見つめる女性の絵画と、テーブルのゴージャスなフラワーアレンジメントと、棚に並ぶコーヒーカップの穏やかな色彩が印象に残っている。
メニューにはコーヒーと少しのスイーツがある。
本の街にあって、プラス数百円でコーヒーがおかわりできる。
のんびりしてしまう。本のページをめくりながら過ごす時間が愛しい。

 

わたしは収集癖がある。ノベルティや紙モノ、それに喫茶店のマッチが加わった。
物だけでなく、文字やことばを集めることも好きだ。
ずっとむかしから本を読むことが好きだ。
物語の中に未知の言葉を見つけ、永遠に辞書サーフィン(ネットサーフィンならぬ)をするほど、没頭していたのを覚えている。
だから情報収集は、趣味の一つだと思う。最近集めているのは、喫茶店の情報だ。
集めた情報をもとに、こうして喫茶店に通う。
そこで本を読み、また言葉を集める。

 

最近読んでいる本は、『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』だ
キャスリーン・フリン (著), 村井理子 (翻訳))

 

わたしはあるとき、ほんのわずかな期間だが、菜食主義をとおしていた。
アレルギーがひどかった時期で、当時、食生活の見直しをしたのだった。
そのため、調味料にこだわった。ソースや塩、油に香味野菜やスパイスに。
今でもタレは市販品ではなく、手作りしている。
少しずつ毎回買うよりも結果的に安あがりだと思う。
それに、できたてはフレッシュで美味しい。
この本で油やチーズの味の比較する場面がある。そのシーンにとても共感した。

 

 私も数年前までは、この本の登場人物のように、ほとんど料理ができなかった。
外食がほとんどだった。でもそれだとかなりの出費になる。
でも、これまでの外食の経験があるからこそ、料理の際、再現力がついたことは確かだと思う。
どんどん外で好きな味を探す。好きの基準を探す。
だから今のわたしは、毎回違う喫茶店を訪問して、新しい“好き”を探している。

 

チーズケーキの味も喫茶店ごとに違う。
レアもあるしベイクドもフレッシュもある。
どのコーヒー(産地や焙煎の仕方)にどのチーズケーキが合うかも、
大事な要素だと思う。でも、その自分の好きは、自分にしかわからない。
美味しいかすごく美味しいかを探しに来る。
蔵のチーズケーキはすごく美味しい。
こうして、好きなものを追い求めた記録をここに残している。

〈蔵〉でチーズケーキを濃厚に味わったこの時間は、
最高に好きな時間だった。

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東京都千代田区神田神保町1-26 矢崎ビル 2F

【2015年8月訪問他】