純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【東京都:田原町】coffee オンリー 合羽橋店

今日はオンリー合羽橋店のはなしだ。

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合羽橋道具街のユニオンコーヒーの角を曲がると、焙煎中のコーヒーの香りが漂う。
ひとめ惚れ必至の外観。合羽橋は月一程度で訪れるが、雑誌で紹介されるまで気づかなかった。通いなれた町で、未知の世界があると知るのが嬉しい。

店の前を過ぎると、長いこと愛用されたであろうレトロな機械でダイナミックに豆が焙煎されている。ついつい足を止めてしまう。外観はオンリー三店舗の中でも渋いイメージ。

田原町駅方面に少し歩くとパンのペリカンがある。最近映画にもなったので更に人気に拍車がかかったであろう。オンリー合羽橋店では、手に入りにくいペリカンのパンを使用している。浅草界隈はペリカンパンを使っている喫茶店が多数ある。10年以上前、ペリカンのパンを買いに行った時のこと。売り切れだったためお店の方に「近くでペリカンパンを卸しているお店はどこか」と訪ねたことがある。「たくさんありすぎて....」という答えだった。愚問だった。いまでは恋しくなったらすぐ行けるよう、ペリカンパンを使用している喫茶店は、幾つかリストアップしている。浅草ではオンリー、カリブ、フルーツパーラーゴトー。人形町ではロイド、喫茶去快生軒などなどがある。
ペリカンのパンはもちもちしていて美味しい。

オンリー三店舗の中でも、純喫茶紹介本にはこちらが取り上げられることが多い。オンリーロゴ入りのグラスとカップ&ソーサーもここで買える。奥の座席にはドラえもんが座っている不思議なゆるい空間だ。

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ペリカンのパンはこれ↓

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東京都台東区西浅草2-22-8

【2015年10月訪問他】

【東京都:亀戸】純喫茶 サヴォイア *2017年10月ごろ閉店*

今日の記事は、亀戸の純喫茶サヴォイア。実はすでに閉店している。
訪問は2017年の夏だった。いつか記事にしようと思い、下書きにいれておいたが、
この流れが多くて本当に寂しい。

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散歩の達人』2017年11月号(錦糸町・亀戸・大島特集号)が発売されたと同時期に閉店した。この特集にサヴォイアも取り上げられていたのだが。急なおしらせは、空のサンプルケースと、ドアの張り紙でわかった。

グリーンのふかふかのソファに希少な石材の壁。カウンター上のステンドグラス。最近ではめったにお目にかかれないタイプの純粋な喫茶店だった。手元には可愛らしいマッチがある。大事にしたい。

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東京都江東区亀戸3-47-15

 【2017年8月訪問】

2017年11月頃 閉店

【東京都:南千住】coffee オンリー 南千住店

 今日の記事は南千住オンリー。南千住周辺は、三ノ輪や三河島など喫茶店が多く残る。

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何もかもが穏やかで、自然で、体に心地よく馴染んでいた。

あたりはもうすっかり暗くなっていた。彼は急にコーヒーが飲みたくなった。そう思ってあたりを見渡すと、商店街から少し引っ込んだところに喫茶店の看板が見えた。近頃ではあまり見かけなくなった種類の、古風な喫茶店だった。彼は中に入りゆったりとした柔らかい椅子に腰をおろし、コーヒーを注文した。(略)その椅子に身を沈め、青年は久しぶりにホッとした気持ちになることができた。そこにある何もかもが穏やかで、自然で、体に心地よく馴染んでいた。運ばれてきたコーヒーはとても上品なカップに入って濃くてうまかった。(出展:『海辺のカフカ村上春樹

純喫茶な気分

 先日とある純喫茶に入ったところ「喫茶店が好きなの?」とオーナーが話しかけられた「はい、好きなんです」と即答する。チェーンのコーヒー屋と純喫茶の珈琲は別物なんだよね。という話で盛り上がった。

上で引用したのは村上春樹氏の『海辺にカフカ』(下巻)。純喫茶のこういうところが好きだという理由が書いてるようで、付箋を貼り何度も読み返した。

この気分にハマる純喫茶がオンリーだ。三店舗あり、お互い近い場所にある。足立区の南千住店と台東区の千束店、そして同じく台東区の西浅草店(合羽橋

 魔性の純喫茶

コーヒーは濃くてうまい魔性の味だ。喫茶店独特のぽってり厚みのある白いカップ&ソーサーで出てくると舞い上がってしまう。看板にある”魔性の味”は本当に名コピーだと思う。厚みのあるホットケーキ。近所にあったらいいのに、と土曜日の夕方に遠出してきた私は思った。キュートな外観に懐かしいメニュー。本の中で描かれる喫茶店のような、私の憧れはここだ、というモデル店がオンリー南千住店だ。

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東京都荒川区南千住5-21-8

【2015年7月訪問】

 

【東京都:南千住】純喫茶ラブ

今日の記事は南千住の純喫茶ラブ。南千住周辺は純喫茶が多く残る街だ。何軒もはしご可能かもしれない。住所は台東区になる。この日の足は、浅草からの都バスだった。

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扉に中華系のオーナメントがあるが、インテリアはこの外観からは想像できない世界だった。シルバーが効いた宇宙船のなかのような。またはチューブの中に入り込んだ感覚か。ちなみにロンドンの地下鉄はTUBEと呼ばれる。つまりラブは宇宙船だとか電車だとか、銀色の最新鋭の乗り物に乗り込んだ気分になる。足を踏み入れた瞬間から気分がマックスになる。

常連さんたちがのんびりくつろぐというその世界がまたいい。

二人で来ていた常連さん。一人一個ずつ餃子のテイクアウトをオーダーしていた。でもママが調理に失敗したから一個分しか提供できないらしい。「いいよ、失敗したのでも味は同じでしょ?」「でもやっぱり売れないこれはダメ〜」というやり取りが聞こえ、微笑ましかった。

私のオレンジスカッシュは珍しい注文なのか「そんなメニューあるんだ!」と歓声があがる。奥の方にも座席が続いているようだ。奥はバーのような雰囲気だった。次回は勇気を出して奥の席に座ってみたい。この日はシルバーの空間を楽しみたく入り口近くの席についた。と言っても満席でここしか空いてなかった。人気のお店である。料理メニューも美味しいらしい。

昭和レトロ食堂にはおきまりの、麺を絡めたフォークが浮いたスパゲッティがサンプルケースにある。そのケース越しに町を眺めてみると外は長閑な夕方が広がっていた。

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東京都台東区清川1-30-8

【2017年9月訪問】

【東京都:押上】珈琲 伽羅 *2017年末閉店予定*

今日の喫茶店は押上にある珈琲 伽羅。

よく見かけるKEY COFFEEの看板だが、このお店がKEY COFFEE監修の第一号喫茶店だという。

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道路の拡張工事のため、お店の大半を取り壊すことになっている、と聞いた。今年中での閉店を考えているとのこと。奥には数十年前につくられた木枠のエアコンが圧倒的な存在感をはなっていたが、また一つ素敵な空間がなくなろうとしている。

特に定休日はないけど、用事がある時は閉めるけど、でもずっと開けているという。7月の時点での話。この界隈も観光客が増え、喫茶店のお客さんも多国籍になったという話に、時代の移り変わりをしみじみかみしめた。

好きなところを写真撮っていいよといい、わざわざ足を運んでくれてありがとう、と最後まで温かい接客に感激した。常連さんはこのマダムに会いたいのだ。上品で親しみやすい。お店の外観も圧巻で、飴色のシュガーポットのような琥珀色の窓ガラスが印象的だった。

年内までは営業するつもりとのこと。平成の年号も来春までということになったが、喫茶店にとっても節目の時期なのかもしれないと思う。思い立ったら吉日。喫茶店の出会いも一期一会だと実感するここ数日だ。何事もご縁を大事にしていきたい。

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東京都墨田区業平1-13-6

 【2017年7月訪問】

【東京都:押上】珈生園

ほっとミルクセーキ

今日は喫茶 珈生園のお話。東京スカイツリーの真下といってもいいほどの場所にあるお店。

この建物と茶色のスケルトンの扉がノスタルジックだ。入店するとみかけない顔の私に「どこから来たの?」とマスターがニコニコしながら聞いた。カウンターに腰かけてテレビを見ていたマスターと、備え付けのテレビで再放送のドラマを眺めていた顔なじみのお客さんが一組だけの空間だった。そこ足を踏み入れると、ほっとして落ち着いた気分になった。ここでしばし読書に耽った。

 

ホットミルクセーキ、なんてなつかしい。温めた牛乳の膜に卵黄が絡まっていて風邪をひいた時のたまご酒のような感触だ。ここは書籍にも掲載された本だし、観光客がたくさんくる土地柄、一見さんも温かく迎えてくれるようだ。緩くてほのぼのした雰囲気が漂っていて素敵だった。

 ここから喫茶店巡りに関する独り言

珈生園さんとは関係ないが、喫茶店の中には、雑誌掲載やテレビ取材を積極的に受けるお店もあれば、取材NGのお店もある。その理由はどちらも理解できる。

 

茶店を巡っているうちに、メディアに出るお店の理由がなんとなく見えてくる。お店側がその対策をしているとか(充分な人員を配置しているとか)、人を受け入れる雰囲気の町だとか、お店の人が器用であるとか、そのほかいろいろ。逆の理由もなんとなくわかる。混みすぎたら接しきれなくて困るだとか、少し商売するのは不器用なタイプかもしれない。だけどもそういうタイプのお店は、派手に表に出てこないけれど行ってみたら素敵だと思うことが多々ある。メディアに出たら好き勝手なことを書かれて嫌な思いをしたからという理由もあるかもしれない。

 メディアに取り上げられることが多いお店は有利だけど、出てこないお店にもたくさん出会いたい。自分に波長の合うお店は、雑誌ではわからない。喫茶店に興味がある人には有名店だけじゃなく、ピンときたお店に入ってほしい。

個人経営の喫茶店が、後継者不足や区画整理のためにひとつひとつ消えて行くことに切なさを感じる。理由はさまざまだろうが切ない。でもなんでこんなに喫茶店を追い求めるのかの理由は、「まだある、まだある。健在でよかった!」と安心したいからなのかもしれない。

行ってみて自分で好きなお店を感じて欲しい。良い出会いのチャンスを逃すのはもったいないと思う。ただ個人経営の喫茶店は、食○ログなどに載っていないこともあるし、そもそも営業について知る機会が少ない。ひっそり閉業ということを事後で知ったりする。だから私は今現在の喫茶店の営業状況を、まだやってるよ!と現状を綴ることが意味があるのかなと思う。

自分でゼロから調べたお店じゃなく、喫茶店巡りの諸先輩の後追いだが、現状報告という意味あいで書くスタイルでもいいと思っている。

お酒が飲めないから、ふらっといけるスナックやバーのようなものが欲しいとも思う。気軽にだれかと会話をしたい。ホッとしたい。なつかしいメニューが食べたい。喫茶店にくる理由はいろいろだ。

行って良かったという喫茶店の現状や、そのとき感じた気持ちを綴っていきたいと思う。

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【2017年7月訪問】

 東京都墨田区業平1-13-6

 

【香川県:高松市】コーヒーサロン 皇帝 喫茶店のモーニング編

今日も喫茶店のモーニングシリーズ。趣向を変えて遠出をした時のお話をしよう。
2年前の夏、香川に訪れた時のモーニングだ。

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旅行時のホテルでは、基本的に朝食をつけない。近くの喫茶店で朝食をとろうと思うからだ。このときの香川旅行では、夜に丸亀をでて高松に到着したあと、骨付鳥を食べた。満腹になった。その足で商店街を散策し、老舗らしい風格の喫茶店にめぼしをつけておいた。翌朝が来るのを楽しみにベットに入った思い出がある。待ちきれずに早起きをしてしまい、ワクワクしながら喫茶店にいくと、それはそれは雰囲気の素敵な喫茶店で、創業34年だそうだ。サンプルケースにある重箱のお弁当に目を奪われる。しかしモーニングを注文したくてグッと我慢した。

中は広くてどこに座ろうか迷った。音楽室でみかけたような音楽家の彫刻が飾ってあるソファ席に座る。メニュー表はレコードジャケットのようで、個性的だ。店内に電話ボックスがあり、クラシックが流れる居心地の良い空間だった。モーニングのトーストセット420円を頂きつつ、ここでみつけた”KOMACHI”という香川県の雑誌で、喫茶店特集をしていたので読み込む。帰京後に、気に入ったのでバックナンバーを購入した。高松にはその後2017年の夏に再訪している。

香川県は、船にゆかりがある金毘羅さんがあるので、意外と身近な都市である。金毘羅さんの長くて急な700数段の階段を登り切れたら今年もまだいける。体力のバロメーターにしているのだ。この日も琴電にのって金毘羅さんへ向かった。

高松のほかの喫茶店の話はまた今度しようと思う。

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【2015年7月訪問】

 香川県高松市兵庫町11-5