純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【東京都:池袋】皇琲亭 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その25*池袋*

丸ノ内線 全駅制覇の旅 今回は池袋だ。
今回の喫茶店は、本格珈琲専門店 皇琲亭だ。

f:id:saria444:20170728233248j:plain

東が西武で西東武

不思議な不思議な池袋〜。東が西武で西東武〜♪
池袋には二大デパートがあるが、その位置がややこしい。西武百貨店がある方が東口で、東武百貨店があるのが西口なのだ。 その池袋あるあるをうまく歌詞に落とし込んだ、家電量販店 池袋店のテーマソングがある。ちなみに新宿店や有楽町店では、歌詞なしバージョンが流れている。さながらバカボンの歌のようだ。私は未だに太陽が昇る方角がどちらかを思い出すとき、バカボンのテーマソング「西から昇るお日様が〜♪」を歌う。その逆だと思えばいい。もちろん正解は、太陽は東から昇る。

 皇琲亭に行くには、西武百貨店がある東口から出る。改札を出たらすぐ地上に出てもいいが、私はたいていISP(イケブクロショッピングパーク)という地下ショッピングセンターを経由し、ヤマダ電機LABI直結口から地上にあがる。
雨の日は濡れず、暑い日は日差しを浴びず、横断歩道で足止めもされることなく、皇琲亭まで来られる。そう、このお店はヤマダ電機の裏口近くにある。

珈琲専門学校のモデル店

2階にコーヒー専門学校があり、そのモデル店としてこのお店があるようだ。それこそ池袋二大デパート内をはじめ、この街には多数の飲食店がある。セルフ式のチェーン店もあるし、隠れ家カフェや、最近わだいのサードウェーブコーヒー店もある。しかしその雑多な街で、静かな落ち着いたお店といえば、1984年から営業している老舗のココなのだ。渋い空気と、インテリアが琥珀色で、店員さんが蝶ネクタイをつけた黒い制服を着ている。カップが整然と棚に並んでいるさまは、まさにコーヒー専門店のモデルだ。ここには、クリスマスの時期と夏に訪れたことがあるが、冬には渋皮栗のモンブランブレンドをたのんだ。夏にはアイスコーヒーをたのんだ。旬のケーキを頼むと、喫茶店で季節を感じる。

あなたの知らない船員さんの世界

ところで、先日マツコの知らない世界で客船の世界が特集されていた。
案内役の上田寿美子さんが、客船の船員さんを紹介していて興奮した。客船の船員さんとは直接かかわったことがない。
上田さんが言っていたが、船員さんには長期休暇がある。特殊な働き方だ。数ヶ月勤務して、数ヶ月休暇がある。これはこの職業のメリットだ。こういう働き方をすると家族と離ればなれになるし、24時間シフトだし(航海士の場合)大変な仕事だ。職場が居住地だから通勤時間は最短で5秒。ゆううつな満員電車に乗る必要もない。この職業の存在がしられていないせいで、船員になりたい人が減っているのかもしれないが、
メリットを知ったら、なりたい人が増えるかもしれないと期待している。

船員ブームくる?

最近は、MBS系列のドラマ『マジで航海しています!』がOAされたり、内航船で活躍している(!)カンパチ船長がSNSで人気になったりしている。
カンパチ船長は雑誌クロワッサンで特集が組まれ、本物の船長さんのお話も載っている。船用語も解説してあった。さいきん船関連の特集が多くなってきているのを感じる。これは身近に感じてもらういい機会だと、嬉しくなった。個人的に、船員さんの能力としてすごいと思うのは、方向感覚が優れているところだ。太陽の位置で方角を言い当てたり、風の吹いている中、空中に手を伸ばして風向を言い当てたりできる。今まで私の周りにはそういう人がいなかったから、感動した。

わたしは、西武百貨店があるのが東口で、東武百貨店があるのが西口だ。なんていちいち思い出さないといけないくらい方向感覚がない。関西方面に旅をすると体験するがが、道を聞いた時に「ここを西に行って」など、方角で説明を受ける。まずどっちが西なんだろうという状況なので、指差し付きか、上下左右で説明されないとわからない.のだ...。もう Google Mapの案内をただただ従うだけの脳みそになっているから、方向感覚がないと思う。もしスマフォの電源が切れたら、そうなったら、道行く人を捕まえる(すいません....本当に切羽詰まった時だけ)。船員さんは、今では体内に磁石を持っている(?)ようだが、それも特訓の成果だ。海図を見ながら針路説明するときに、「右の方向へ」なんて上下左右で表現したら、船長から「東西南北で答えろ!」と怒られるらしい。かつて便利な電子機器がなかった頃の船員さんは、夜空の星の位置でポジションを理解していたという。何てナチュラリストなのだろう。

丸ノ内線全駅制覇の旅は、まだ中野坂上駅から方南町駅までを紹介していない。
まだまだ続く。

f:id:saria444:20170728233155j:plain

f:id:saria444:20170729190200j:plain

 

f:id:saria444:20170729190220j:plain

f:id:saria444:20170729190146j:plain

f:id:saria444:20170728233449j:plain

f:id:saria444:20170728232929j:plain

(クリスマスに訪れた時の看板⬆︎)

東京都豊島区東池袋1-7-2 東駒ビル 1F

【2015年12月他 訪問】

【東京都;茗荷谷】ビー玉 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その24*茗荷谷* お供:田山花袋『温泉めぐり』

丸ノ内線全駅制覇の旅、今回は茗荷谷だ。茗荷谷駅はこの日始めて下車した。
ここ一帯は、文教の街というイメージだ。

f:id:saria444:20170731230006j:plain

ビー玉のあおいあおい海

ビー玉はモヤモヤさま〜ずで映ったそうだ。大江麻理子さんの代に。
今はちがうが、この番組は喫茶店で締める流れが好きだった。
茶店ビー玉は、ロゴが可愛い。”てん”がビー玉になっているのだ。
インテリアのカウンターにある水色のビー玉は、キラキラと光を蓄えた海水を表現しているように見える。ランチョンマットがロープワークの柄だから、海をモチーフに統一しているらしい。

壁一面のガラス窓は光がたっぷり入るので、そういうお店で窓側にすわるときは、
光を反射させたくて、珈琲よりアイスティーを頼むことが多い。

温泉めぐりと喫茶店めぐり

最近読んでいる本は田山花袋の『温泉めぐり』(岩波文庫)だ。作者は、文学だけでなく紀行文も多数執筆していたようで、日本全国の温泉を巡った本も書いていた。○○めぐりをしたくなる気持ちは、喫茶店をめぐる私は親近感がわき、読んでみたくなったのだ。今夏、旅先の四国で聴いたラジオで、この本の紹介をきいた。読んでみると、温泉のお湯の感想は一割もない。多くをしめるのは、道中での友人との会話や、宿の主人や宿泊客のにたいする作者の勝手な妄想である。おもしろかった。やはり文学者が書く紀行文は普通のガイドブックとは一味違うし、表現力豊かな描写で読みやすい。一泊の予定が四泊五泊の予定に変わるだとか、避暑ならぬ避寒のために温泉に行けるとか、そんな贅沢はできないからとても羨ましい。「都会からやってくるにわか温泉ファンとは違うんだぞ」という作者のこだわりが、文章からにじみ出ている。そのフェチ度の高さに、わたしの”田山花袋”像が一瞬で変わった。いい意味だ。今でも温泉ガイドとして活用できるかな。

何もないところで心惹かれること

特に惹かれたのが、次の文だ。

(引用)小さい温泉場、後ろは岩山、前は下田へ通じる街道と田畑、それより他に見るものもない温泉場、それでいながらちょっと通り過ぎたばかりの小さなその田舎の温泉場の姿が未だにはっきりと私の頭に印象されて残っていた。(略)

....だたそれだけだけれども、そのあたりの静けさが、のどけさが、またさびしさが私の心を惹いた。私はそこにも物語が二つも三つもかくされてあるのを思った。人知れず起って、そして人知れず消えていくであろうと思われる物語りを想像した。
(出典:田山花袋「温泉めぐり」p17 岩波文庫 )

 

 景勝といえるものはないかもしれないが、それぞれの地には人々が紡ぐ日常がある。日々胸にしまうほどでもない、名もない人々のささやかな幸せ、温かい気持ちや記憶は、喜びも癒しも、渦巻く思いも、その人が世界を退場した時に一緒に消えて無くなる。書籍になったり日記に書くほどでもない、毎日沸き起こっては消えていく小さな感情が、一見何もない場所にもある。人々の物語があり、でもそれはいつかは消えて無くなってしまうものだと知ると、切なくなる。温泉から浮かんではなくなる水蒸気や湯けむりを見ていると儚い気持ちになる。あぶくのように消えてしまうのだからこそ、せめて自分の心や気持ちだけは大切に扱いたいし、自分の大切な人とは良い感情の交換をして、嫌なことなんて水に流してしまえばいいと思える。喫茶店を巡っている時も、私はそれに近いことを考える。

茶店ビー玉の、海のようにキラキラ光るビー玉を見て、そう思いました。

懐かしさの正体

”なつかしい”という言葉は『温泉めぐり』の中に頻繁に出てくる。例えば、

(引用)温泉というのはなつかしいものだ。長い旅に疲れて、どこか この近所に静かにひと夜、二夜ゆっくりと寝てゆきたいと思うおりに、思いもかけなくその近くに温泉を発見して汽車から降りて一里二里を車または、乗合馬車に揺られ、山裾の村に夕暮れの煙の静かになびいているものを見ながら、そこに今夜は静かにゆっくりと湯にしたって寝ることができると思うほど旅の興を惹くものはない。(出典:同上 p11)

 

 

この”懐かしい”の意味は、どういう意味なのだろうか疑問がわき、早速辞書をひく。

”懐かしい』”用法は、そのむかし、「懐く」と同義、離れがたい気持ちを表す用法で使われていたようだ。喫茶店に入ると、一度もきたこともないのになぜか浮かぶ”懐かしい”という気持ち。その正体は、”ここから離れがたい”という気持ちだったのだ。

「どこがいいんだろうね〜」そう、マスターが言うお店ほど、素敵でせつなくて離れがたいお店なのだろう。

f:id:saria444:20170731230104j:plain

f:id:saria444:20170731230246j:plain

f:id:saria444:20170731230352j:plain

f:id:saria444:20170731230439j:plain

f:id:saria444:20170731230731j:plain

f:id:saria444:20170731230633j:plain

f:id:saria444:20170731230534j:plain

東京都文京区大塚3-6-1

【2017年7月訪問】

【東京都:新大塚】エデン (ゑでん)喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その23*新大塚*

丸ノ内線全 駅制覇の旅のつづき。今回は新大塚のエデンだ。
看板はカタカナ表記だが、マッチのロゴは「ゑでん」の表記だ。

 f:id:saria444:20170728131253j:plain

そういえば雨が似合っていた。

その日は雨だった。春は名のみでまだまだ肌寒い3月の夕方のこと。
駅からすぐのエデンに向かうだけなのに、雨が嫌だなぁと思ったわけだが、
いざ喫茶店に入ると、雨が降っているのも悪くないとも思う。
窓からみる雨模様は悪くない。
最近、瀬戸内海でみたカリフラワーのような夏の積み雲のことで頭がいっぱいの私は、喫茶店には雨が似合うという感情を忘れていた。

エデンのガラス模様は雨のカーテンに似ていた。外は本物の雨だけど、インテリアもが雨の模様だった。雨のカーテンに見えたのはブラインドだ。
本物の雨のしずくとグラデーションになっている。席にすわり、ピンクの電話が置かれたカウンター越しに、入り口の雨のカーテンを眺めると、とても穏やかな時間をすごせた。

髪結いの亭主を彷彿

このインテリアは床屋さんを彷彿とさせる。

以前、パトリスルコントの映画にはまっていた時があった。その時見た『髪結いの亭主』は好みだ。主人公アントワーヌは、初恋の相手が床屋さんの夫人である。
床屋の夫人が、こういうカウンターでお客さんを待っている。主人公は彼女に髪を洗ってもらったときにふと漂った芳しい香りのせいで、すっかり恋に落ちてしまう。その恋は成就しなかったが、2番目に好きになった人と結婚する。
フランス映画は静かに人の心を語るので好きだ。

日常に馴染む奇跡の喫茶店

ゴブラン織りの壁に、グリーンのソファにピンクの電話とガラスの扉。それと〈純喫茶〉という看板が完璧だ。ただ座っていたい、この雰囲気に囲まれていたいと思える貴重な喫茶店だ。好きな純喫茶をTOP10を選ぶ権利がわたしにあったら、エデンをまずあげる。勉強している学生や、どうやら保険の勧誘をしている風な女性と男性がいたりする。ひとの気の流れがある喫茶店が好き。新大塚駅はこの時初めて下車したが、新大塚だからこそこういう喫茶店が残っているのかもしれない。エデンは奇跡的に、外観もインテリアも究極にいい状態で残っている。どうかこのままでいてほしい。......ダイナミックに街を変貌させようとか、そういう思惑から遠く離れた街でありますように。

今度は晴れの日に行ってみたい。晴れの日にエデンにいったら、どんな思いがよぎるのだろう。

ここはプリンが美味しい。手作りの蒸した硬いタイプだ。かぼちゃのケーキも食べてみたいし。絶対にまたくる。大塚や新大塚は、ほかにも商店街が活きていて、もっと時間をかけて散策してみたい。なぜか夜に来ることが多いが、今度は太陽のもとで何かを感じに来ようと思う。

f:id:saria444:20170728131308j:plain 

f:id:saria444:20170728131328j:plain

f:id:saria444:20170728131345j:plain

f:id:saria444:20170728131407j:plain

f:id:saria444:20170728131425j:plain

f:id:saria444:20170728131455j:plain

f:id:saria444:20170723160616j:plain 

東京都文京区大塚4-52-5

【2017年3月訪問】

【東京都:夏氷 かき氷のお店 その① ふわふわ氷編】まとめ 4選 

丸の内線全駅制覇の旅は、今日は休憩する。

7月25日はかき氷の日だ。だから、今日はかき氷のお店4選のまとめ記事をお送りする。純喫茶ではないが、季節感あるお休み処の情報として、書こうと思う。
今回のその①では、ふわふわなかき氷編だ。なんで7月25日がかき氷の日かというと、その昔、かき氷は夏氷とよばれていて、な (7) つ(2) ご(5) おり、の語呂合わせからきたそうだ。

十条:だるまや餅菓子店

1軒目は、だるまや餅菓子店だ。十条の甘味屋さんである。かき氷のシロップに尋常ではないこだわりを見せるという、かき氷職人が作るシロップは、どれも追求しすぎで嬉しい悲鳴をあげたい。少し前まで、都内で天然氷のかき氷が食べられるお店は珍しかったが、今は結構増えてきた。だるまやは、天然氷かき氷をはやくから提供してきたお店だ。先ほど店のツイッターを見たら、羽田空港にいます。今から福岡行きの最終便に搭乗します」とつぶやかれていた。シロップ用の果物を買い付けるようだ。シロップのためならどこへでも。自ら現地に出向き、目利きし、納得したものを出すのだ。こういうこだわりが好きだ。

 「そうだ、氷食べたい」って気温になる頃には混むだろうと思い、5月に訪問した。頼んだのは、宇治金時練乳抹茶の天然氷バージョン純氷バージョンもあります)。抹茶がとにかく濃い。抹茶の素材を堪能するためのシロップなので、甘さがない。「抹茶が苦手な方はご遠慮ください」と書いてあった。茶道で点てるお抹茶を、さらに凝縮した感じだ。抹茶抹茶抹茶です。私も、かつては氷に1000円以上出す?と思っていたが、これには、出す。出しても構わない。抹茶の濃厚な苦み、とあんこと練乳の甘み、店主のこだわり全てに敬意を払いたい。結構なお点前だった。だるまやさんのかき氷は、もう別ジャンルの食べ物だ。こだわりは細部にまである。

【だるまや餅菓子店】

東京都北区十条仲原1-3-6

f:id:saria444:20170726001434j:plain

f:id:saria444:20170726001500j:plain

東京:ヨックモック ブルーブリックラウンジ 東京駅一番街

続いてはヨックモックのカフェでいただけるかき氷だ。とちおとめのシロップだった。日光の四代目徳次郎の天然氷である。天然氷は密度が濃く、細かく削れてふわふわになり、且つ溶けにくいとのことらしい。この綿菓子のようなふわふわ感がすばらしい。とちおとめのシロップは、甘くて酸っぱくてとろりとしている。練乳をかけるとショートケーキみたいな味になる。サービスでヨックモックが1本ついてくる。ヨックモックのかき氷を、ずっと食べたくて、今年の誕生日にケーキの代わりに食べにきた。散々お祝いをしてもらったので、ご馳走はもういいか、とも思ったがかまわない。誕生日はいつも以上に自分を甘やかす。シロップをかけ、上から見ると花束のように見えた。甘いものを食べると、あたまの中もお花(畑)になる。これで元気になるなら安いものだ。燃費がいい。

かき氷をいただけるのは、ヨックモック東京駅一番街店と、BLUE BRICK LOUNGE青山店、青山売店だけだそうだ。コースターも欲しかったので、ちょうど良い機会だった。

ヨックモック ブルーブリックラウンジ東京駅一番街店】

東京都千代田区丸ノ内1-9-1 東京駅1番街 B1F

f:id:saria444:20170726001550j:plain

f:id:saria444:20170726001718j:plain

f:id:saria444:20170726001633j:plain

浅草:浅草浪花家

メンズみるくといろいろなものが入ったあんこ 780円
(各種ナッツ、コーヒー味のみるく、ココア *こしあん白)

こ...これは....かき氷というジャンルなのでしょうか!!感動している。最初はティラミス、続いてコーヒーぜんざい、その次は氷コーヒー、最後にコーヒーミルクセーキに変身していく。ナッツがひまわりの種とか、健康によさそうだし。メンズという名称はなぜなのだろうか?男性が頼みやすいように??みるくがひらがななのが絶妙だ。平日の昼に伺ったので、行列は前に2組目だけだった。休日は並ぶのだろう。

かき氷の種類によって、グラスが2種類使い分けられているだが、これは胴が高いタイプだった。中に具が詰まっている。とてもボリュームがある。大きくて飽きてしまうかも、と思いきや、全然そんなことない。中に白あんが入っている。白あんは氷の色と同化して気づかなかったので、急に甘いところが出てきてびっくりした。たいやき屋さんだからあんこが美味しい。麻布十番の有名店、およげたいやきくんのモデル、浪花屋の暖簾わけのお店だ。

【浅草浪花家】

東京都台東区浅草2-12-4

f:id:saria444:20170726001755j:plain

f:id:saria444:20170726001914j:plain

巣鴨:かき氷工房 雪菓

ここは巣鴨とげぬき地蔵で有名な高岩寺のすぐ裏手にあるお店。カレーうどん古奈屋さんのお隣、少し脇道でノボリも控えめだから見つけにくいかもしれません。でも行列が目印。巣鴨に美味しいかき氷屋さんがあると噂に聞いてから、いつか来たいと心待ちに。7月25日がかき氷の日と知り、やっと吉日が来ました。平日で少し天気も怪しげだったし、ものすごく暑い日よりも穴場日かもしれない、と。

巣鴨とげぬき地蔵のお祭りは4のつく日なんですよ。今日は25日だから空いているだろうと思いましたが、とげぬき地蔵通りは結構な人出が。そうか、土用丑の日だから、みんなうなぎのお店「八つ目 にしむら」さんが御目当てなんですね。にしむらは亡くなった祖父が好きなお店でした。人生の最終期はほとんど入院していたのですが、もう無理には治療しない方がいい...とお医者さんが決めて自宅療養していた時、ここの鰻をみんなで食べました。「うまいうまい」と喜んでいましたが、それが祖父の最後の鰻に。好きな鰻をみんなで食べられて良かったね。巣鴨は思い出の地です。祖母と4に付く日によくとげぬき地蔵に来ましたしね。そんな思い出の巣鴨にある雪菓。

ここでは安納芋のかき氷を。プラス50円の天然氷で。こんな感じで氷の上がテクスチャーの固いシロップで覆われているかき氷は人生初。すごい.....この重量にも崩れない天然水の密度!このかき氷も最後まで飽きずに食べられます。徐々に食感が変わっていくかき氷。

最初は冷たい芋ようかん、続いて黒蜜をかけてぜんざいのように。最後は全部をよ〜〜く混ぜてスイートポテト味のミルクセーキのようでした。メニューに注意書きで「今年は天然氷があまり取れなかったので、天然氷にすると少なめになります。」という趣旨が書いてありましたが、少なめでこの量ですか!!すごい!充分ですよ。お値段 800円でした。天然氷は通常の氷より温度が高いから頭がキーーンとならないらしいけど、私は勢いよく食べるからか、天然氷でも鼻や頭が少し痛くなります。だから次のオーダーは純氷でもいいかもしれない。氷の違いが..わからない....繊細でなくてごめんなさい。それでも美味しく楽しめると思います。だってシロップが美味しいから。他にはイチゴレアチーズが気になりました。あまり暑くない日にまた行こう。暑い日は混みそうだから。ここのお店、特筆すべきは、店員さんが皆さん感じ良いこと。人気店なのに擦れていない。気さくで、純氷のように純粋なお嬢さんがいて、これはまた来たくなる!と思いました。甘いもののお店は、優しい店員さんがいてくれると更にほんわかした気持ちになりますよね。いたるところにあるネコのぬいぐるみがさらにゆるい優しさを感じさせます。

【かき氷工房 雪菓】

東京都豊島区巣鴨3-37-6

f:id:saria444:20170726002024j:plain

f:id:saria444:20170726002001j:plain

f:id:saria444:20170726002139j:plain

f:id:saria444:20170726001938j:plain

その②もまた書きますので、どうぞご覧くださいね。

【2017年初夏〜夏訪問】 

 *その②、書きました。⬇︎

kissafreak.hatenadiary.jp

 

 

【東京都:後楽園】名曲と珈琲 神田白十字 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その22*後楽園*

丸ノ内線 全駅制覇の旅のつづき。今回は後楽園駅だ。
といっても後楽園駅からは遠めだが、お許しを(願)

f:id:saria444:20170722214126j:plain

神田のヘブン

こちらのお店は、嵐の桜井翔さんがドラマロケで使用したそうだ。
ファンらしき方の姿はあまりなく、どこか教授然とした佇まいの紳士がコーヒーを嗜んでいた。

教会のような外観で、神聖な感じがして入店をいっしゅんひるむが、入ってみたらマスターが優しそうでホッとする。神保町と水道橋には、それぞれよく立ち寄るが、その間を歩いた機会がない。このお店の存在を永らく知らなかった。コーヒーパークっていう響きがいい。2階は団体向けのようだ。クラス会やゼミにどうぞということだが、ここで開催したら楽しそうだ。

オーダーしたパフェは、”ザ・喫茶店”という感じがする。
他のラインナップは、フルーツパフェ、チョコレートパフェ、キウイパフェ、ピーチパフェがあった。私のはピーチパフェだ。缶詰のフルーツというのも、それはそれでいい。

夏の夕方の儚さ

季節感のないものを頼んでいてこういうのもなんだが、日本は四季がある。
今年の夏もとても厳しかったが、暑い暑いといいながらあっという間に終わってしまいさみしい。夏の夕方が好きだ。19:00頃まで明るい。日中は暑くてたまらなくても、ジリジリした太陽がさがると、比較的涼しくなる。過ごしやすくなったねと言いながらスイカやとうもろこしを食べる夜が好きだ。夏休みに浮き足立っている近所の子供達が浴衣を着て盆踊りに出かけ出す時間だ。神社で夏祭りが開催されていると、屋台でかき氷やあんず飴が食べたくなる。線香花火は、誰のものが一番最後まで耐えるか、競争したことを思い出す。

夏生まれの私は夏が好きだ。だからいくら暑くても、1年で夏が来るのは嬉しい。テンションが上がって、興奮する。そして一日ごと、その日の太陽とお別れする夏の夕方には、楽しかったけど寂しい、という気持ちになる。

色々な色

今年の夏は四国旅行にいった。東京はネオンや看板や、電線といった、視界を遮るものが多いから、自然の色だけに支配される景色をみたくなる。とくに海に囲まれた四国や、瀬戸内海が好きだ。異国を色でイメージすると、イタリアは濃紺の空とそれに映える黄色い建物、フランスはマスタードイエローやパープルの組み合わせや、サーモンピンクなど少しくすんだ色を思い出す。ドイツはビールの麦色。イギリスは霧のグレー。香港や台湾は赤。そして日本といえば、夏の色だ。日本の夏は、畑や山の緑と、空と海の青と、入道雲の白がある。自然の色だけで支配される世界がとても好きだ。

桃と夏の色

日本では、気象現象に関する空の色の名前は実は少ないそうだ。
空は移ろい変わりやすいからあえて名付けなかったのだろうか。
逆に四季があるからこそ豊かになったのは、植物の色や染色技術に由来した色の名前だそうだ。一方、英語の空の色の表現は多彩で、アザーブルー、セルリアンブルー、セレストブルー、ヘブンリーブルー、スカイブルー、ホライズンブルーといったものがある。中国語では虹藍、海天藍などの言葉も美しい。

いま並べてみた言葉の中で、私が惹かれたのは、ホライズンブルーだ。水平線の空の色とは、海と空の境目がわからないくらいの青のことだ。ヘブンリーブルーというのも好きな響きだ。イタリアの宗教画に書かれる、天使と空の絵の澄んだ青色が思い浮かぶ。

夏生まれの私は夏の旬である、桃が大好物だ。ピーチパフェは最高のデザートである。生でも缶詰でも。桃という響きの思い出は良きものばかりだ。初物をいただくのは大事だという我が家の教え通り、初夏には桃を楽しんだ思い出がある。

教会のような白十字でいろいろなことを思い出した。ホライズンブルーとヘブンリーブルーの空の青のこと。桃の思い出がいっぱいの夏のこと。誰もが、生まれた季節が好きなのだろうか。

(参考書籍:「色々な色」光琳社出版)

f:id:saria444:20170722214209j:plain

f:id:saria444:20170722214146j:plain

f:id:saria444:20170722214246j:plain

f:id:saria444:20170722214307j:plain 

f:id:saria444:20170722214326j:plain

f:id:saria444:20170722214341j:plain

f:id:saria444:20170722214358j:plain

東京都千代田区西神田2-1-14

【2015年9月訪問】

【東京都:本郷三丁目】ボンナ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その21*本郷三丁目*

 丸ノ内線全駅制覇の旅のつづき。
今回は本郷三丁目駅から徒歩10分程度にあるボンナだ。少し駅から離れるがお許しを(願)。
丸ノ内線よりも、南北線東大前駅からの方が距離は近いが、私は毎回本郷三丁目駅からくる。

f:id:saria444:20170721220224j:plain

インテリアに包まれる喫茶店

 ミッドセンチュリーのインテリアがある程よくコンパクトで静寂な空間だ。
すぐにその雰囲気に溶けていく。この街は全体的に閑静だ。
東大の周辺には研究に使えそうな古本屋さんや、純喫茶のような一軒家が多い。
この喫茶店は、知性という名だ。知性の街にとても似合うと思う。
創業は昭和30年ごろという老舗だ。時代にあわせて変わることができる柔軟性も知性の一つだろう。入り口付近にあるカウンター席は、一人客がパソコンを利用しやすいようにと、最近改築したらしい。

東京でここまで時代を閉じ込めた空間はとても珍しい。照明の仄暗さや、お店の大きさとマスターの佇まいが絶妙に合っているのだろう。

吉本ばななさんの『人生の旅をゆく』

最近、吉本ばななさんの『人生の旅をゆく』という本を読んだ。

47章からなる読みやすいエッセイだ。旅紀行でもあるが、ばななさんの記憶をも旅している。懐かしいこと、大切にしたいことや、なくなってしまったものへの思い出がとても温かい。

私はこの日、諸事情で役所に行ったが、気づいたら1時間30分も順番を待っていたようだ。夢中でこの本を読んでいたら、そんなことすっかりどうでもよくなった。

この中では、とく、「もずく」という章が好きだ。

私たちは死ぬときにお金も家も車も恋人も、何も持っていけない。自分が着ている洋服も指輪も、何一つ持っていけないのだ。持っていけるのは、もう持ちきれないほどになっている思い出だけだ。悪い思い出もきっとあるだろう。
でも、それはきっと死ぬときは良い思い出に変化しているだろう。
そして良き思い出をたくさん創ることだけが、人生でできることなのではないか、そう思う。(出典:『人生の旅をゆく』吉本ばなな NHK出版)

 

とくに遠くに行かなくても、特別なことをしなくても、身近な人や、友人や家族、愛するペットと、いまこの瞬間にどれだけ豊かな時間を過ごすかや、 向いていることを精一杯取り組んで誠実に生きることが大事だと、そう言われた気がした。非日常の旅との対比で、日常の人間同士のささやかな営みが、とても贅沢ということを教わった。

もずくもずくもずく

もずくの香りで友人との思い出がよみがえってくるお話、「もずく」の章で、もずくのパスタの作り方が出てくる。これがとても美味しそうなのだ、早速作ってみた。

もずくとニンニクとゴーヤーをさっと炒めてパスタに和えて醤油で味付けし、パルミジャーノチーズをかけて食べるだけ(出典:同上)

東京は、本当に湿度が高く、真夏日がつづく。夏の旬は、体が欲しがる味だった。この沖縄素材づくしのパスタは本当に美味しかった。パルミジャーノがなかったのでとろけるチーズをのせ、火を止めて余熱で溶かす。本は〈旅する箱〉なので、自分も本の中に入り、主人公になってその時代や背景を旅する気分になる。だからもずくの章を読んだ私は、すっかりもずくをたべる準備ができていた。


旅にでて、良き仲間と思い出をつくるのもいいものだ。なかなか頻繁には無理だから、私は、喫茶店でインテリアに溶け込むか、本の中に溶け込む。そんなささやかな日常で、よき思い出を今日もつくる。

f:id:saria444:20170721220314j:plain

f:id:saria444:20170721220406j:plain

f:id:saria444:20170721220520j:plain

f:id:saria444:20170721220442j:plain

f:id:saria444:20170714203105j:plain

f:id:saria444:20170714203218j:plain

f:id:saria444:20170721220605j:plain

東京都文京区本郷6-17-8

【2015年7月訪問、他】

 

【東京都:御茶ノ水】画廊喫茶ミロ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅の制覇の巻その20 *御茶ノ水編*

 丸ノ内線全制覇の旅のつづき。今回は、御茶ノ水駅近くの画廊喫茶ミロだ。
訪問順でいうと、喫茶店巡りを開始してから、片手で数えられる段階できた。

 f:id:saria444:20170720200518j:plain

◯◯してミロ〜〜!

三島由紀夫氏も訪問したというミロ。画廊喫茶だから、画家のミロから名付けたのかとまず思う。店内にもミロの絵があるし、それも由来の一つなのだが、もう一つストーリーがある。
「飲んでミロ、来てミロ、入ってミロ」という語呂合わせからきているという。
そのユーモアに惹かれた。同時に「やってミルク♪」というフルーチェのCMを思い出した。

f:id:saria444:20170720200547j:plain

ロマンってそもそもどういう意味?

 細い路地の途中に入り口があり、知らなければ素通りする場所にある。最近は喫茶店巡りが好きになり、看板を探すようになったので、街歩きが楽しい。周りは似通ったチェーン店の看板がならぶなか、なぜかこのお店の看板はほかとはちがうオーラがする。目に飛び込んでくる。

このお店にも通った三島由紀夫氏は、船や少年の冒険といったロマンを小説で描いている。同世代の北杜夫氏も同様のテーマが多い気がするが、その当時の流行というよりはいつの時代でも共通のテーマなのだと思う。

ロマンというのは抽象的な言葉なので辞書を引こう!

ロマン「①小説、散文の物語。多くは長編②ロマンティックな事柄、気持ち」(出典:岩波国語辞典 第五版)

では、散文とはなんぞや。

散文「定型や韻律を持たない普通の文章⇄韻文」(出典:同上)

韻文とはなんぞや、

「①響。音の出だしに続いて聞こえる部分。音色〈余韻、哀韻、音韻、松韻〉②略③文学上、同一または類似の音韻を文中の定まった位置に繰り返すこと。〈韻をふむ〉「韻律、押韻、頭韻、脚韻」(出典:同上)

辞書の中の言葉がはっきり理解できないから、 次々と辞書をひいていく。

結局、
ロマンとは、ロマンティックな事柄や気持ちのことを指すようだ。

で......そ その......ロマンティックの意味も知りたい。

ロマンティック 「現実の平凡さ、冷たさを離れ、甘美で空想的、情緒的または情熱的である様」(出典:同上)

たかが小説を読むのに、こんなことまでするのかと思うだろうが、

同じように、わからない言葉を延々と辞書で調べて深みにはまるシーンが、
北杜夫の『船乗りクプクプの冒険』に出てくるのだ。

子供の時好きだったこと

私は思い出した。幼少期に、本を読ん、わからない言葉を辞書で延々と調べていくのが好きだった。知らないことを調べるのに夢中になる。辞書の説明文の意味がわからず、その意味をまた調べていく。辞書のページからページへ、と言葉をネットサーフィンのするように永遠に遊んだ。

同書の、辞書で調べ続けるシーンをみつけたとき、
なんと懐かしい気持ちになったことか。
言葉を大切に扱いたいと思う気持ち、それが私の純粋な気持ちかもしれない。

「本に書いてあることをそのまま暗記するだけではいけない、覚えることよりも自分で考え出す方がずっと大切だ。
しかし考えるためにはまず最小限度のことを覚えなければならない。
最小限度という言葉がわからない人は、さっそく字引を引いてみると。」(出典:北杜夫「船乗りクプクプの冒険」集英社文庫

北杜夫は本職は外科医でありながら、海の世界で働いたことがある。『どくとるマンボウ航海記』をかくきっかけとなった船医としての経験がある。
水産庁の調査船、照洋丸に1958年に乗船した後、1960年に『船乗りクプクプの冒険』を書いているので、同書は、北杜夫の船上での経験が反映されている。

エンドレス辞書引き

商船学校や海員学校など、専門の学校で勉強をしない限り、海の専門用語は素人には難しいと思う。海と陸は言葉が違う。むしろ海で言葉がうまれたのが先で、海で誕生した言葉が陸に転用されているのだ。でも現代はまるで逆のような扱いになっている海の用語は、陸では出あわないことが多数ある。
私にとっても、ほとんど外国語のようなものだった。もしくは大人の会話が理解できない赤ちゃんのように、職場の会話が理解できない時期があった。中途で素人の私が初めて船の世界に入った時、ほとんどの場面で辞書をひいた。

北杜夫氏もきっと船上で未知の言葉に出合い、その都度辞書をひきながら奮闘していたのではないか想像する。世界を理解したい、考えたい。でもそのためには共通認識を得なければいけないと。

奮闘と表現したが、逆にそれは充実して楽しいことでもある。


「そもそも」とか、「なんで?」と考えることは、とても面白い。エンドレスに辞書をひくこと、私にはその作業が面白い。
未知の言葉を自分の言葉にしていく過程がすきだ。

北杜夫氏もそんな気分だったのかと想像すると、この小説は他人事でなく、フィクションでもなくなってくる。自

今でも、夢中になることって、実は子供の頃に好きだったことなのではないか。忘れかけていたが、そういえば好きだった、ということを思い出すと、温かい気持ちになる。この本は私に大事なことを教えてくれた一冊だ。

平凡から離れたい時に行ってミロ

茶店の看板やインテリアを見て心踊るのは、私にとってはロマンだ。現実の平凡さを離れたいという気持ちがある。東京の平凡から。平凡から離れたくてロマンを求めて喫茶店に行くのだと思う。

辞書で調べ続けることと、読書と、喫茶店訪問と。好きなものをあげると、一見バラバラのようだが、同じ根っこがあるな、と思う。

ミロのメニューは興味がひかれる。注文したのは、スパゲティミラネーズというメニューだが、ナポリタン以上にイタリアの人に「???」という顔をされそうな名称だ。フルーツが添えられ、彩りも豊かでスパゲッティ版お子様プレートのようだ。
店内は一度改装されているが、いろいろと平凡から離れられるお店。平凡から離れないと近づけないもの。それが、今の時代は人情なのかもしれない。

平凡に疲れたら是、非ミロに行ってミロ♪

f:id:saria444:20170720200641j:plain

 

f:id:saria444:20170720200707j:plain

f:id:saria444:20170720200845j:plain

 東京都千代田区神田駿河台2-4-6

【2015年5月訪問】