純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【東京都:新大塚】エデン (ゑでん)喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その23*新大塚*

丸ノ内線全駅制覇の旅。今回は新大塚のエデン。看板はカタカナなのですが、素敵なデザインで有名なマッチのロゴは「ゑでん」の表記なんですよね。

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そういえば雨が似合っていた。

その日は雨でした。春は名のみまだまだ肌寒い3月の夕方。駅からすぐのエデンに向かうだけなのに雨が嫌だなぁと思ったわけですが、いつもいざ喫茶店に入ると、雨が降っている様子を中から眺めるのは好きなんですよね。
最近、瀬戸内海で見たカリフラワーみたいな夏の積み雲のことばかり覚えている私は、喫茶店には雨が似合うんだった。という気持ちを忘れ開けていましたが、この記事を書いていて、それを少しずつ取り戻してきています。

駅からの道。傘でよく前が見えなかったけど、エデンの前に到着すると、ガラス越しに雨のカーテンのようなようなものが見えました。外も本物の雨だけど、インテリアも雨だ。...なんか、素敵。これは、近づいてみてわかったのですが、ブラインドでした。本物の雨の雫とグラデーションになって、ブラインドの線が本当に流れているように見えたのです。席に座り、ピンクの電話があるカウンター越しに、入り口の雨のカーテンを眺めたのが、とても穏やかな時間でした。

髪結いの亭主を彷彿

純粋にずっとここは喫茶店だったから、〇〇みたいと形容するのは可笑しいけど、このインテリアは床屋さんを彷彿とさせます。

以前、パトリスルコントの映画にはまって大体の有名作品は見ていた時がありました。その時見た『髪結いの亭主』は、なかなか好きでした。主人公アントワーヌは初恋の相手が床屋さんの夫人。床屋の美人なシェーファー夫人がこういうカウンターでお客さんを待っていました。彼は彼女に髪を洗ってもらった時に、ふと漂った芳しい香りに、すっかり恋に落ちてしまったのです。その恋はかないませんでしたが、彼は2番目に好きになった髪結いの夫人と結婚します。
フランス映画はゆっくり静かに人の心を語るようなストーリーが多いので、純喫茶が好きな気持ちと同じような感覚で好きです。このお店、エデンという名前もエデンの東からとったのかな。映画っぽくてつい思い出してしまいました。

日常に馴染む奇跡の喫茶店

ゴブラン織りの壁、グリーンのソファとピンクの電話にガラス扉。それに純喫茶という看板。完璧ですね。ただ座っていたいだけ、この雰囲気に囲まれていたいだけでいい、と思える貴重な喫茶店。私が勝手に東京の好きな純喫茶TOP10を選んでいいとしたら、ここは入れたいですね。勉強している学生、どうやら同級生に保険の勧誘をしているらしき女性(外交員)と男性(契約させられてしまいそうな人)。純喫茶だからと物珍しさで特別扱いされている風でもなく、普通にいろいろな形で活用されていました。こういう普通に人の流れ気の流れがある喫茶店が好き。そういう意味で、名古屋の喫茶店みたい。新大塚駅は初めておりましたが、新大塚だからこそ残っているのかもしれませんね。ここではないどこかで、看板や庇が劣化したから取り替えたというお店もあるのです。逆に外観は良く保たれていても、中の空気が生きているかっていうとそれもなかなか叶わないことも多い。お客様の安全のために改築するとか、自然現象で破壊してしまったものを回復させた、とか、手直ししながら営業されている他のお店にも頭が下がりますし、営業しててくれて嬉しい。そんなどうしようもできない理由があるのは承知です。でも、ここエデンは奇跡的に両立しているのです。外観もインテリアも究極にいい状態で残っています。どうかこのまま.....開発とか、ダイナミックに街を変貌させようとか、そういう思惑から遠く離れた街でありますように。

今度は晴れの日に行ってみたい。晴れの日にエデンに入ったら今度は、どんな思いがよぎるのだろう。

ここはプリンが美味しいんです。手作りで蒸した硬いタイプ。かぼちゃのケーキも食べてみたいし。絶対また来よう。大塚や新大塚は他にも商店街が活きていて、1日かけて散策してみたい街です。なぜか夜に来ることが多いんですよね。今度は太陽のもとで何かを感じに来てみようと思います。

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東京都文京区大塚4-52-5

【2017年3月訪問】

【東京都:夏氷 かき氷のお店 その① 天然氷編】まとめ 4選 

丸の内線全駅制覇の旅は今日は休憩です。

7月25日はかき氷の日でした。だから、今日は夏の寄り道ということで、かき氷のお店4選のまとめ記事をお送りします。純喫茶ではないですが、季節感あるお休み処として書いていこうと思います。今回その①では天然水かき氷編を。なんで7月25日がかき氷の日かというと、その昔かき氷は夏氷とよばれていて、な (7) つ(2) ご(5) おりの語呂合わせから記念日に制定されたようですよ。

十条:だるまや餅菓子店

1軒目は、だるまや餅菓子店。十条の甘味屋さんです。かき氷のシロップに尋常ではないこだわりを見せるというかき氷職人が作るシロップは、どれも追求しすぎで嬉しい悲鳴をあげたい。少し前まで都内で天然氷のかき氷が食べられるお店は珍しかったですが、今は結構増えてきましたね。そんな中でも、だるまやは天然氷かき氷を早々に提供してきたお店です。先ほどお店のツイッターを見たら、羽田空港にいます。今から福岡行きの最終便に搭乗します。」とつぶやかれていました。シロップ用の果物を買い付けるようです。シロップのためならどこへでも。自ら現地に出向き目利きし味に納得したものを出すのですね。こう言うこだわりが好きです。

 「そうだ、氷食べたい。」って気温になる頃には混むだろうと思い、5月に訪問しておりました。頼んだのは、宇治金時練乳抹茶の天然氷バージョン。(純氷バージョンもあります。)抹茶がですね。とにかく濃い。抹茶の素材を堪能するためのシロップなので、甘みがついていません。『抹茶が苦手な方はご遠慮ください』って書いてありました。茶道で点てるお抹茶をさらに凝縮した感じ。抹茶抹茶抹茶です。私だって、かつては氷に1000円以上出す?って思ってましたけど、これには、出しますねぇ。抹茶の濃厚な苦みとあんこと練乳の甘み、店主のこだわり全てに敬意を払いたい。結構なお点前でした。一方夏祭りの200円くらいのかき氷、家で作るかき氷。それはそれで好きです。でもだるまやさんのかき氷は、もう別ジャンルの食べ物ですね。こだわりは細部にまで。コーヒーにもこだわりがあるようです。

【だるまや餅菓子店】

東京都北区十条仲原1-3-6

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東京:ヨックモック ブルーブリックラウンジ 東京駅一番街

続いてはヨックモックのカフェでいただけるかき氷。とちおとめのシロップ。日光の四代目徳次郎の天然氷です。天然氷は密度が濃く、細かく削れてふわふわになり、且つ溶けにくいとのことらしいのですが、見てください。この綿菓子のようなふわふわ感。とちおとめのシロップは甘くて酸っぱくてとろ〜〜りとしていて練乳をかけるとショートケーキみたいな味!これ、840円....妥当すぎます。なんとサービスでヨックモックが1本ついてくるんですよ。ヨックモックのかき氷、ずっと食べたくて今年の誕生日当日、ケーキの代わりに食べに来ました。散々お祝いをしてもらったので、ご馳走はもういいかなとも思いましたが、かまいません。誕生日はいつも以上に自分を甘やかします。シロップをかけて上から見ると花束のように見えました。ありがとう!!甘いものを食べるとね、あたまの中もお花になります。でもこれで元気になるから私って、燃費がいいと思っていますよ。

かき氷をいただけるのは、ヨックモック東京駅一番街店、BLUE BRICK LOUNGE青山店、青山売店だけです。私はコースターも欲しかったので、ちょうど良い機会でした。

ヨックモック ブルーブリックラウンジ東京駅一番街店】

東京都千代田区丸ノ内1-9-1 東京駅1番街 B1F

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浅草:浅草浪花家

メンズみるくといろいろなものが入ったあんこ 780円
(各種ナッツ、コーヒー味のみるく、ココア *こしあん白)

こ...これは....かき氷というジャンルなのでしょうか!!感動しております。最初はティラミス、続いてコーヒーぜんざい、その次は氷コーヒー、最後にコーヒーミルクセーキに変身していきます。ナッツがひまわりの種とか健康によさそうだし。メンズなのはなんででしょうか?男性が頼みやすいように??みるくがひらがななのが絶妙です。平日のお昼に伺いましたので、行列は前に2組目だけ。休日は並ぶだろうなぁ.....。

かき氷の種類によってグラスが2種類使い分けられているようなのですが、こちらは一方のものより胴が高いタイプです。中に具が詰まっているんです。ボリュームがとてもあるんですね!大きくて飽きてしまうのかなあと思いきや、全然そんなことなかったですよ。中に白あんが入っていました。白あんは氷の色と同化しているのでで、急に甘いところが出てくるからびっくり嬉しい。たいやき屋さんだからあんこが美味しいのですね。麻布十番の有名店、およげたいやきくんのモデル、浪花屋の暖簾わけのお店です。

【浅草浪花家】

東京都台東区浅草2-12-4

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巣鴨:かき氷工房 雪菓

ここは巣鴨とげぬき地蔵で有名な高岩寺のすぐ裏手にあるお店。カレーうどん古奈屋さんのお隣、少し脇道でノボリも控えめだから見つけにくいかもしれません。でも行列が目印。巣鴨に美味しいかき氷屋さんがあると噂に聞いてから、いつか来たいと心待ちに。7月25日がかき氷の日と知り、やっと吉日が来ました。平日で少し天気も怪しげだったし、ものすごく暑い日よりも穴場日かもしれない、と。

巣鴨とげぬき地蔵のお祭りは4のつく日なんですよ。今日は25日だから空いているだろうと思いましたが、とげぬき地蔵通りは結構な人出が。そうか、土用丑の日だから、みんなうなぎのお店「八つ目 にしむら」さんが御目当てなんですね。にしむらは亡くなった祖父が好きなお店でした。人生の最終期はほとんど入院していたのですが、もう無理には治療しない方がいい...とお医者さんが決めて自宅療養していた時、ここの鰻をみんなで食べました。「うまいうまい」と喜んでいましたが、それが祖父の最後の鰻に。好きな鰻をみんなで食べられて良かったね。巣鴨は思い出の地です。祖母と4に付く日によくとげぬき地蔵に来ましたしね。そんな思い出の巣鴨にある雪菓。

ここでは安納芋のかき氷を。プラス50円の天然氷で。こんな感じで氷の上がテクスチャーの固いシロップで覆われているかき氷は人生初。すごい.....この重量にも崩れない天然水の密度!このかき氷も最後まで飽きずに食べられます。徐々に食感が変わっていくかき氷。

最初は冷たい芋ようかん、続いて黒蜜をかけてぜんざいのように。最後は全部をよ〜〜く混ぜてスイートポテト味のミルクセーキのようでした。メニューに注意書きで「今年は天然氷があまり取れなかったので、天然氷にすると少なめになります。」という趣旨が書いてありましたが、少なめでこの量ですか!!すごい!充分ですよ。お値段 800円でした。天然氷は通常の氷より温度が高いから頭がキーーンとならないらしいけど、私は勢いよく食べるからか、天然氷でも鼻や頭が少し痛くなります。だから次のオーダーは純氷でもいいかもしれない。氷の違いが..わからない....繊細でなくてごめんなさい。それでも美味しく楽しめると思います。だってシロップが美味しいから。他にはイチゴレアチーズが気になりました。あまり暑くない日にまた行こう。暑い日は混みそうだから。ここのお店、特筆すべきは、店員さんが皆さん感じ良いこと。人気店なのに擦れていない。気さくで、純氷のように純粋なお嬢さんがいて、これはまた来たくなる!と思いました。甘いもののお店は、優しい店員さんがいてくれると更にほんわかした気持ちになりますよね。いたるところにあるネコのぬいぐるみがさらにゆるい優しさを感じさせます。

【かき氷工房 雪菓】

東京都豊島区巣鴨3-37-6

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その②もまた書きますので、どうぞご覧くださいね。

【2017年初夏〜夏訪問】 

 

【東京都:後楽園】名曲と珈琲 神田白十字 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その22*後楽園*

丸ノ内線全駅制覇の旅。今回は後楽園駅の喫茶店といっても、東京ドームを抜け、水道橋駅から神保町駅の間というこちらも駅から遠めですがお許しを(願)。

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神田のヘブン

こちらは嵐、桜井翔さんのドラマのロケで使われたそうです。こちらへは2015年に訪問していますが、 すでに時が経っていたのか平日の夜だからかファンの方らしきお姿はなく。どこかの教授然とした佇まいの紳士がコーヒーを嗜んでいました。

教会のような外観で、神聖な感じがして入店を躊躇してしまいそうですが、入ってみたらマスターが味わいのある方でホッとしました。神保町と水道橋はそれぞれよく立ち寄るのですが、その間を歩いたことってなくて。このお店の存在をずっと知りませんでした。コーヒーパークっていう響きがいいですね。2階は団体向けのようです。クラス会やゼミにどうぞ。ということですが、こんなところで開催したらはかどりそう!

パフェが ザ・喫茶店という感じ。
ラインナップは、フルーツパフェ、チョコレートパフェ、キウイパフェ、ピーチパフェ。私が頼んだのはピーチパフェ。旬まっただなかではなかったからか、缶詰ですが場合によっては生なのかしら?でも、缶詰のフルーツっていうのも郷愁漂うからこれでいい。

夏の夕方の儚さ

訪問時は初秋だったので、季節感のないものを頼んでいてなんですが、日本は四季がありますよね。今年の夏も、とても暑いですが、暑い暑いと汗を流しながらもあっという間に夏は終わってしまう。私は夏の夕方が好きです。19:00頃まで明るい。日中は暑くてたまらなくても、ジリジリした太陽が下がると比較的涼しくなる。そして、過ごしやすくなったねと言いながらスイカやとうもろこしを食べる。夏休みに入って浮き足立っている近所の子供達が浴衣を着て盆踊りに出かけ出す時間。神社で夏祭りが開催されていると、屋台でかき氷やあんず飴が食べたくなる。線香花火、誰が一番最後まで燃えているか!競争する。

夏生まれの私は夏が好き。だからいくら暑くても1年のうちで夏が来るのは嬉しい。テンションが上がって、興奮しきり。そして一日ごと、その日の太陽とお別れする夏の夕方には、なんとなく強い思い入れがあるのだと思う。楽しかった、けど寂しい。という感じ。

色々な色

今年の夏は四国旅行にいってきました。東京はネオンや看板、電線といった、視界を遮るものが多いから、自然の色だけに支配される景色をみたくなります。特に海に囲まれた四国、瀬戸内海は好きなんです。いろんな国を色でイメージすると、イタリアは濃紺の空とそれに映える黄色い建物。フランスはマスタードイエローやパープル、サーモンピンクなど少しくすんだ色。ドイツはビールの麦色。イギリスは霧のグレー。香港や台湾は赤。そして日本といえば、夏の色。畑や山の緑と、空と海の青。入道雲の白、三色だけで支配される世界がとても好き。

桃と夏の色

日本では、気象現象に関する空の色の名前は実は少ないらしくて。空は移ろうものだから、あえて名付けなかったのでしょうか。逆に四季があるからこそ豊かになったのは、植物の色や染色技術に由来した色の名前だそう。一方英語では空の色の表現は多彩で、アザーブルー、セルリアンブルー、セレストブルー、ヘブンリーブルー、スカイブルー、ホライズンブルーといった様子。中国語では虹藍、海天藍などの言葉も美しい。

今並べてみた言葉の中で、私が惹かれたのは、ホライズンブルー。水平線の空の色、海と空の境目がわからないくらいの青。ヘブンリーブルーというのも好きな感じ。イタリアの宗教画に書かれている天使と空の絵の澄んだ青色が思い浮かぶ。

夏生まれの私は夏の旬の桃も大好物です。ピーチパフェなんてあったら飛びつきます。生でも缶詰でも。桃という響きの思い出は良きものばかり。初物をいただくのは大事なことという我が家の教え通り、父が初夏に桃を大量に買ってきてくれた良き思い出。

教会のような白十字で思い出しました。ホライズンブルーとヘブンリーブルーの空の青のこと。桃の思い出がいっぱいの夏のこと。

誰もが、生まれた季節が好きなのかしら。著書を読んでいると吉本ばななさんも夏に思い入れがありそう、と思ったらやはり夏生まれだそうで。


あぁ、今日も楽しかった。また明日の夏の朝も笑顔でお迎えできそうです。

(参考書籍:「色々な色」光琳社出版)

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東京都千代田区西神田2-1-14

【2015年9月訪問】

【東京都:本郷三丁目】ボンナ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その21*本郷三丁目*

 丸ノ内線全駅制覇の旅。今回は本郷三丁目駅から徒歩10分程度。少し駅から離れていますがお許しを(願)。実は東京メトロ南北線 東大前駅からの方が近いです。私は乗り換えがこちらの方が便利で、毎回本郷三丁目駅から歩いています。

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インテリアに包まれる喫茶店

 ミッドセンチュリーのインテリア、程よいコンパクトな静寂な空間。ぼ〜っとしたらすぐにその雰囲気に溶けていきそうです。この街は全体的に閑静です。東大の周辺は研究に使えそうな古本屋さんや、純喫茶のような一軒家、ダイナミックでない建物が多く、圧迫感のない街。知性という名のこのお店。知性というその品性があるこの街にとても馴染んでいます。創業は昭和30年ごろという老舗。時代に併せて変容できる柔軟性も知性の一つで、入り口付近のカウンターは一人客がパソコン利用しやすいようにと、最近改装したそうです

東京でここまでインテリアに包まれ溶けてしまいそうな気持ちになる空間って、名曲喫茶のほかはとても珍しいですね。あまり思いつきません。照明の仄暗さとお店の大きさとマスターの佇まいが絶妙に合っているのでしょうね。

吉本ばななさんの『人生の旅をゆく』

最近は吉本ばななさんの『人生の旅をゆく』という本を読み終わりました。

47章からなる読みやすいエッセイです。旅紀行でもあるのですが、ばななさんの記憶をも旅しています。懐かしいこと、大切にしたいことやなくなってしまったものへの思い出がとても温かくて。

私はこの日いろいろな手続きでお役所に行ったのですが、気づいたら1時間30分も順番を待っていたようなのです。でも夢中でこの本を読んでいたら、そんなことすっかりどうでもよくなりました。じんわりして思わず泣いてしまいました。

特にもずくという章が好きです。

私たちは死ぬときにお金も家も車も恋人も、何も持っていけない。自分が着ている洋服も指輪も、何一つ持っていけないのだ。
持っていけるのは、もう持ちきれないほどになっている思い出だけだ。悪い思い出もきっとあるだろう。
でも、それはきっと死ぬときは良い思い出に変化しているだろう。
そして良き思い出をたくさん創ることだけが、人生でできることなのではないか、そう思う。(出典:『人生の旅をゆく』吉本ばなな NHK出版)

 

旅の本だけど、どこか遠くに行かなくていい、特別なことをしなくてもいい。身近な人、友人や家族や愛するペットと、今、この瞬間どれだけ豊かな時間を過ごせるか。 向いていることを精一杯取り組んで誠実に生きることが大事だって、そう書いてあるような気がしました。非日常の旅との対比で、日常の人間同士のささやかな営みがとても贅沢なんだよ。ということを教えてくれました。今、身近な人との時間を大切に、と。

もずくもずくもずく

もずくの香りで友人との思い出がよみがえってくるお話 ”もずく”の章で、もずくのパスタの作り方が出てくるのですが、これがとても美味しそうで、早速作ってみました。

もずくとニンニクとゴーヤーをさっと炒めてパスタに和えて醤油で味付けし、パルミジャーノチーズをかけて食べるだけ(出典:同上)

今日も本当に湿度が高く真夏日の東京。夏の旬は体が欲しがる味だった。この沖縄素材づくしのパスタ本当に美味しかった!パルミジャーノがなかったので、パスタに和える前のゴーヤともずくチャンプルに、とろけるチーズをのせ火を止めてから余熱で溶かしました。本に出てくる料理って美味しそう。本は”旅する箱”なので自分も本の中に入って、主人公になってその時代や背景を旅しているから。だからもずくの章を読んだ私は、すっかりもずくをいただく心の準備ができていたのです。


旅に出て良き仲間と思い出をつくるのもいいですね。でもなかなか頻繁には行けないから、私の毎日は、喫茶店でインテリアに溶け込むか、本の中に溶け込むのか。


そんなささやかな日常で、良き思い出を今日も創っています。

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東京都文京区本郷6-17-8

【2015年7月訪問、他】

 

【東京都:御茶ノ水】画廊喫茶ミロ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅の制覇の巻その20 *御茶ノ水編*

 丸ノ内線全制覇の旅。今回は御茶ノ水駅近くの画廊喫茶ミロです。
訪問順でいうと、2015年に喫茶店巡りを開始してから片手で数えられる段階。

なんで早く来たかって、御茶ノ水は馴染みがあるけどこんなお店知らなかった
行ってみたい!という気持ちがはやったから。

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◯◯してミロ〜〜!

三島由紀夫氏も訪問したというミロ。画廊喫茶だから、画家のミロから名付けたのかなとまず思うのです。店内にもミロの絵が飾ってあります。それも理由の一つなのですが、もう一つストーリーがあって。
『飲んでミロ、来てミロ、入ってミロ』という語呂合わせからきていると聞いて、そのユーモアあふれる感じがとても好きです。

この話を知った時『やってミルク♪』というフルーチェのCMを思い出しました。

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ロマンってそもそもどういう意味?

 細い路地の途中に入り口があるので、知らない人は素通りしてしまうかもしれません。でも今や同じチェーン店の看板がどこの駅前でも見られ、大きさや明るさで勝負するあまり、逆に個性がなくなってきている中、このお店の看板だけオーラが違って、浮かびあがって見えてくるから、ひときわ惹きつけられます。

 

このお店にも通った三島由紀夫氏は、船や少年の冒険といったロマンをよく小説で描いていた作家なのですが、同世代の北杜夫氏も同じようなことをテーマにしています。その当時流行ったというよりはいつの時代も共通のテーマなのだと痛感します。ロマンというのは抽象的な言葉なので辞書を引きます。

ロマン「①小説、散文の物語。多くは長編②ロマンティックな事柄、気持ち」(出典:岩波国語辞典 第五版)

あ、散文ってなんだっけ。

散文「定型や韻律を持たない普通の文章⇄韻文」(出典:同上)

あーまたはっきり説明できない言葉が出てきたな〜。韻ってそもそもなんだっけ?

「①響。音の出だしに続いて聞こえる部分。音色〈余韻、哀韻、音韻、松韻〉②略③文学上、同一または類似の音韻を文中の定まった位置に繰り返すこと。〈韻をふむ〉「韻律、押韻、頭韻、脚韻」(出典:同上)

 結局わかったこと。
ロマンとは、ロマンティックな事柄や気持ちのことを指すようだ。

で...そ 、その....ロマンティックの意味が知りたいんだけどなぁ。

ロマンティック 「現実の平凡さ、冷たさを離れ、甘美で空想的、情緒的または情熱的である様」(出典:同上)

たかが小説を読むのになんて神経質なことをしているんだろうとお思いでしょう。

このわからない言葉を延々と辞書で調べて深みにはまっていくシーンが、
北杜夫氏の「船乗りクプクプの冒険」の中に出てくるのです。

子供の時好きだったこと

私は思い出しました。幼少期、本を読みふけっていた私は、わからない言葉を辞書で延々と調べていくのが好きでした。知らないことを調べ続けるのが大好きでした。辞書を引いても説明文の意味がわからなくて、その意味をまた調べたり....辞書さえあれば、開いたページの言葉からネットサーフィンするように永遠に遊べました。

同書の、辞書で調べ続けるというシーンに、なんと懐かしい気持ちになったことか。
言葉ってものを大切に扱いたいと思った気持ち。
それが私のピュアな気持ちかもしれない。

「本に書いてあることをそのまま暗記するだけではいけない、覚えることよりも自分で考え出す方がずっと大切だ。
しかし考えるためにはまず最小限度のことを覚えなければならない。
最小限度という言葉がわからない人は、さっそく字引を引いてみると。」(出典:北杜夫「船乗りクプクプの冒険」集英社文庫

そしてまた思ったのです。北杜夫氏は本職は外科医でありながら、海の世界で働いたことがあります。「どくとるマンボウ航海記」の元となった船医としての経験。水産庁の調査船照洋丸に1958年に乗船後、1960年に「船乗りクプクプの冒険」を書いているので、「〜クプクプの冒険」では、十二分に北杜夫氏の船上での経験が反映されていることと思います。

エンドレス辞書引き

もともと北氏はマメな質ではあろうかと思います。でも乗り込む前に商船学校や海員学校、専門の学校で勉強をしない限り、太刀打ちできない海の専門用語があります。これは差別とかそういう意味合いは全くないのですが、海と陸は言葉が違います。むしろ海が先ですから海で生まれた言葉が次に陸で変化して使われるようになっているのですが、いまではまるで逆のような扱いで。え?海ではこういう言葉を使うの!と驚く人(私もです。)の方が多い時代です。海の世界には陸では出会わない言葉が多数。
私にとっては当初、ほとんど外国語のようなものでした。もしくは赤ちゃんが大人の会話を聞いているかのように職場の会話が理解できない時期がありました。中途で素人の私が初めて船の世界に入った時、ほとんどの場面で辞書を引いていました。

北杜夫氏もきっと船で知らない言葉に直面し、その都度専門用語を辞書をひきながら奮闘していたのではないか想像できます。理解したいのです。考えたいのです。でもそのためには最小限度のことは覚えなければ。と。


奮闘と書きましたが、逆にそれが充実して楽しかったりもします。


”そもそも”とか”なんで?”と考えることってとても面白くて、辞書をエンドレスでひき続けられるんじゃないかというくらい、私にはその作業は面白かったです。
未知の言葉を自分の言葉にしていく過程。

北杜夫氏もそんな気分だったのかと想像すると、この小説は他人事でもないし、フィクションでもなくなってきます。児童文学であるのですが、自分の児童だった時代を思い出し、なんだか心の奥深くに染み込んでくる小説でした。

今でも、夢中になるほど面白いことって、実は子供の頃好きだったことなのではないでしょうか?忘れかけていたけど、そういえば好きだったな、ということを思い出すと温かい気持ちになります。この本は私に大事なことを思い出させてくれた一冊です。

平凡から離れたい時に行ってミロ

喫茶店の看板やインテリアを見て心踊るのって、私にとってはそれ即ちロマンということです。現実の平凡さを離れたいという気持ち。ここでいう平凡って見慣れた没個性の町並みのことを言います。どこを見ても同じお店、同じロゴ、同じマニュアルで、接客とも言えないロボットのようなセリフ。そんな東京の平凡。平凡から離れたくてロマンを求めて喫茶店に行くのだと思う。

辞書で調べ続けること、読書、喫茶店訪問。好きなものって一見点と点だけど、つなげると結局同じ根っこに行き着くなぁと思いました。

ミロのメニューは興味津々。頂いたのはスパゲティミラネーズというメニューですが、ナポリタン以上にイタリアの人に「???」という顔をされそうな一皿ですが、フルーツが添えられていたり彩りも豊かでスパゲッティ版お子様プレートのようです。
店内は一度改装されていますが、いろいろと平凡から離れられます。平凡から離れないと近づけないもの。それが今の時代は人情というものなのかもしれません。

さぁ、皆さんも平凡に疲れたら是非、ミロに行ってミロ♪

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 東京都千代田区神田駿河台2-4-6

【2015年5月訪問】

【東京都:淡路町】珈琲 ショパン 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その19*淡路町*

ショパン神田須田町の喫茶店。東京メトロ丸ノ内線淡路町か都営新宿線小川町が最寄り駅。淡路町といえば池波正太郎さんなのですが、この界隈は老舗のお店の建物などで雰囲気がとても良い。
外国の友人が東京観光したいと言ったら、この界隈を案内するようにしています。 

 

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それに喫茶店好きにもこの周辺は丁度いい。いい喫茶店がギュギュッと凝縮して存在しています。私は行きたいリストをアイフォンのメモに書き留めているのですが、次第に情報のストックが増えすぎるにつれ、To Doリストのように消化しないと落ち着かなくなってきます。早く現物を見てみたくてウズウズするのです。
そのウズウズを解消できるのはやはり行ってみることだけ。
神田辺りはこのウズウズ症候群解消にぴったりの街。一気にはしごができる喫茶店天国。駅で言うと、淡路町、小川町、御茶ノ水、神保町、本郷三丁目などなども徒歩圏内です。徒歩でなく地下鉄の乗り降り自由な一日券を買えばもっと楽に回れますね。

どちらかというと必要のないことを書こうと思う。

最近北杜夫さんの本に嵌って読んでいるのですが、どくとるマンボウ航海記のあとがきにこんな趣旨の事が書いてありました。

どちらかといえば書く必要のないものを書いていこうと思う
ガイドブックのようなものより、必要ない情報こそ読者は見たいのではないか。(意訳)北杜夫「どくとるマンボウ航海記」

 

といったこと。「どくとる〜」は、北杜夫さんの実際の体験記。
船内や海外の港町での出来事を綴ったエッセイなのですが、その当時は日本人の海外旅行自由化が開始されるかそれ以前な時代なので、著者の海外訪問記は観光ガイドとしてウケそうなのにそうせず。
メインの観光話よりもその他のたわいもない著者の感想で埋め尽くされているのです。
でもそれがいいのです。観光ガイドはすでに誰かが出しているので。
それ以外の些細な身の回りの話が聞きたいし楽しい。

本筋で取りこぼした隙間も大事

私のブログも意図せずそれに近いものになっていて、喫茶店自体の話よりも行くまでの高揚感とか、本筋でない話で終始している気がします。
ショパンだってせっかく素敵な建築なのにデザイナーの事、クラシック音楽のガイドはできないけど、この喫茶店から連想される何かしらの出来事とか、私が喫茶店で感じたことなどを、メインストリームでは描かれない取るに足らない独り言を書いていますし、でもそれでいいと思っています。
もしかすると誰かにとっては必要な情報かもしれないけど、誰にも必要がないかもしれないことを。北杜夫さんみたいになりたいなぁ。

音楽の授業って何のためにあると思う?

そこで、ショパンにまつわるお話をひとつ。音楽といえば。
中学生時代に音楽教師が話してくださったお話がとても印象に残っていて。

「音楽の授業は何のためにあると思うか?」と生徒に問います。
私は(心の声)「どの音楽家がどんな曲を作ったかなど、音楽史を学ぶためだろうなぁ」としか思わなかったのですが。答えは意外な方向から来ました。
「音楽の授業は心を豊かにするためにある」というのです。

その考え方、いい意味でカルチャーショックを受けました。今や私にとって音楽は心地よいかどうかが大事です。クラシック音楽が脳波に良い、胎教に良いなどの説があるくらい、人間の心の隙間に染み入り、なんとなく直感でときめいたりホッとしたり元気が出たり。そんなセラピーみたいなものなのだとその時から思うようになりました 難しく考えるのをやめた私に残されたのは、作品名の記憶じゃなくて、聴いた時の満ち足りた気分だけ....。もうお判りいただけたでしょうか....(笑)私はクラシック音楽作品にとんと疎いです。
音楽の授業において、学ぶのは歴史でもなく作品と音楽家を結びつけるための暗記学でもないと悟った私は、その日から直感でのみ音楽に親しんでいます。せっかくの珈琲ショパンに来ておきながら、ショパンの曲紹介ができないのが残念です!

でも赤いビロードのソファに沈みながらこの空間にふさわしい丁度いい音楽の中で、気持ちよく漂うことができました。音楽が心の隙間を埋め、心を満たすものだというように、珈琲ショパンは、それぞれの心の加減に合わせて実感するのが一番ですね。だから私は、誰かには必要かもしれないけど、誰にも必要ないかもしれないレポートを書いています。どうぞお楽しみいただけたら幸いです。(笑) このブログのなんらかの記事が音楽のように誰かの心の隙間にすっと入ったとしたら、それは最高なことです。

オリジナルメニューは強し。

最後にメニューの紹介を...。音楽は詳しくないけど、ショパンは好きだから何度も通っています。一度めはアンオーレをオーダー。
ミルクにあんこを入れて混ぜたもの。ミルクにあんこという組み合わせは女性に嬉しい飲み物だと思います。カルシウムに加えあずきはむくみがとれるらしいですよ〜!カフェインが苦手な人もいけるオリジナルメニューですね。その次の訪問でやっとアンプレスをオーダーできました。両面バターが塗られプレスされたホットサンドはジュージューと揚げ焼きのように香ばしくなっています。塩っ気と甘みとが最高。禁断のカロリーオーバー!それと、オーダーを取る前に「うちのブレンドは濃いです。」と教えてくださるのですが、そんなに言うほど濃いものってどんな味なのでしょうね。そこまで言われると気になりますね!

アイスコーヒーを頼みましたがアイスコーヒーもそのブレンドのアイス化なのかしら?結局聞けずじまい。宿題を残してお店を後にしました。

お店にあった神田のガイドブックでショパンのお店の解説がしてありました。
読みながら該当箇所を眺めるためにキョロキョロしたので私はきっと怪しいお客さんだったでしょう(笑)

昭和8年創業の体験型喫茶店です。是非実際にご体験ください!

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 【2015年9月他】

東京都千代田区神田須田町1-19-9

 

【東京都:東京】アロマ 喫茶店の旅 丸ノ内線全駅制覇の巻その17*東京*

丸ノ内線全駅制覇の旅。今回はいよいよ東京駅です。東京駅は広いですね。東京人でも迷います。アロマは東京駅の喫茶店。ヤエチカという愛称の地下街にあります。

丸ノ内線で降りたならば少し距離があります。ひたすら反対側の八重洲口に進む必要がありますよ。丸の内線のある丸の内口と、アロマのある八重洲口はJRの地下街の連絡通路で結ばれています。この通路の入り口を探すのにも最初は一苦労だったのですが(笑)
より簡単なのはJRの改札に入り駅構内を突っ切って通過するとわかりやすいのですが、そうするにはJRの入場券が必要だそうです。

入場券を買うのはもったいないから、頑張って上記の連絡通路を歩きました。(グーグルマップ先生によると徒歩15分くらい?と出てきます。)広い東京駅。案内役の係員さんも待機されていますので迷ったら聞いちゃってください!

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八重洲地下街ヤエチカにはお茶ができるカフェは多々あれど、
アロマは純喫茶らしい雰囲気を残している貴重なお店です。

人気店なのでお昼時は満席の時も多いと思います。この日は隣の人と至近距離で所狭しと並んだテーブル席に座り、トーストを食べてコーヒー飲んでさっと一服して出てきました。

バスケットに入った厚切りトーストは焼き加減が抜群。小倉あんを追加しました。
東京で小倉トーストが味わえる貴重な純喫茶。店内で買えるアロマのロゴ缶も可愛い。
部屋に並べたら可愛いだろうなと思いながら、まだ指をくわえて夢見ているだけ。

 

最近は吉本ばななさんのエッセイを読んでいます。
今は「下北沢について。」という本を。
本書ではばななさん下北沢の人々との交流が描かれていて温かさが溢れています。
この本を読むと、地元の商店街の個人商店や飲食店を
大事にしたいな〜と心底思います。

ばななさんは飲み屋さんの話の流れでこんなことを書いています。
私は妙にうなづいてしまいました。

お店によって自分のモードを変えなくてはいけなかったり、少し構えてみたり、自分がほんとうは何を欲しているかを考えたり、そういうことはやっぱり人生の楽しみのひとつだと思う。画一的な接客はつまらない。
同じようなお店にばかり行ったって何も空気が動かない。
自分の中の子供が退屈してしまう。出典:「下北沢について」吉本ばなな

 

非常に理解できます。私が喫茶店に行くときの気持ちに似ているから。
空気感って私が日々大事にしているところ。
喫茶店にはインテリアなどの物質的なものに惹かれている部分もあるけど、
一番大事なのは働く人やお客さんの空気。温度や色を感じたい。表情や、声の高低加減、響き方が各店違うところがいい。つくり笑いや練られたスクリプトはない。伝わらなければいいかえたり、声の大きさを変えたり。黙っていたい時は言葉が少なくてもいいし、誰とも目を合わせないで過ごしたい日はそうしてもらえる時間も大事。


その日の天気や体調で行きたい街、食べたい物を自分に問うてみたり。
いろいろな喫茶店を巡る時の気持ちはたくさんの要素で溢れている。
喫茶店では食べ物は美味しいし、心は平和だし、健康的な趣味を見つけたなぁ〜と我ながら満足しています。

このお店。アロマというネーミング。とてもいいと思う。
”芳しい”という言葉は、心が惹かれる好ましい、素晴らしい香りを表現するときに使う。さて、コーヒーが芳しいと思えるようになったのはいったいいつからでしょう。
自分の中の子供はいう。コーヒーって苦いし、なんでこんな飲み物を大人は美味しいって言うんだろうと。
好奇心で飲んでみたいと思うけどやっぱり苦くて、一口で後悔する。

 

本来の私は、毎回同じメニューを頼み続けるより、知らないものを選ぼうとするタチで。だからコーヒーも馴染みのない国の豆のストレートを頼んだり、そのお店独自のブレンドをオーダーする。これが食べたいなこれが欲しいな。と欲しいものがはっきり言える時が健全な時で。特に何を食べたいか、まとまらない時、なんでもいい決めらないという言葉を発する時は非常に疲れている。そういう時は、コーヒーに強い好奇心を抱いたあの頃の記憶を思い出し、その退屈知らずの無邪気さを取り戻してみる。そのきっかけ、トリガーはコーヒーのアロマ。コーヒーの香しさが私にとっての癒しなのはそのせいですね。気づきました!やっぱり喫茶店巡りは最高です。

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東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街 八重洲地下1番通り

【2016年5月訪問】