純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【愛知県:名古屋市東区】グロリヤ 栄光と影でモーニング

まだまだ名古屋の喫茶店の記事は続く。
3日間で(正確には2日半)17軒まわったので、記事にできているのはまだ半分に満たない。
グロリヤは名古屋市東区にある喫茶店だ。地下鉄の栄駅で下車し、テレビ塔を目指せばわかると思う。

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名古屋の喫茶店の看板にはパトランプが付いているものが多い。。
車移動する人のために目立つようにという理由らしい。
ここはインテリアはこざっぱりしているが、外観が強烈な魅力を放っている。
東京都板橋区にあるウィーンを思い出す。 

喫茶 ウイーン [東京都板橋区常盤台]の詳細情報 - Yahoo!ロコ

それにしても店内が3階構造なのが名古屋らしいところだ。
栄やテレビ塔周辺は繁華街で、少し歩いたさきにある錦(伏見)はビジネス街だ、と認識しているが、ここでモーニングをとって出勤するのがとても合理的だと思う。
300円代のモーニングは自炊よりコスパがいい。朝は準備も片付けも忙しいし。平日のあさ8時台に訪問したら、スーツをまとったお客さんがかわるがわるはいってきた。朝は回転がとても早い。 

 

これから行こうとする人に余計なお世話かもしれないが、注意が必要だ。
この記事のグロリヤは
GLORIAと書いてグロリヤ
と読む。久屋大通テレビ塔 がキーワードだ。
名古屋の丸の内という場所に「グロリア」という別のお店もある。
名古屋の土地勘がない人で漠然とグロリヤ(ア)に行きたいと思っている人は(私みたいに)間違えるかもしれない。
グーグルマップ等で誤って入力すると違った方へ行ってしまうかもしれないので念のためおしらせしておく。そっちの方のグロリアも素敵そうなので、次回行ってみたい。
今回はこの看板ロゴが見たかったので、間違えないようにきっちり準備した。(←この注意は、慌てていると間違いに気づかない自分への自戒だ。
(この間も横浜で、赤レンガ倉庫に行きたかったのに、グーグル先生に赤レンガと入力して信用したら〈赤レンガ〉という名前の飲食店に着いたしまったことがあるので、注意しないと(自分が))

 

せっかくの3階構成だが、なんとなく半地下に入るのをためらう自分がいる。この日も1階に座った。半地下にはいってしまうと、店内全体が見渡せなくなってしまうからかもしれない。静かにひきこもりたいときは、半地下がいいかもしれない。
名古屋の喫茶店を堪能するために、今度はいろいろな階に座ってみたい。
この日は、店内をながめられる席でモーニングをした。
忙しそうな店員さんにあれこれ聞くことができず、2階を見せてもらうことは遠慮した。残念ながらマッチはもうなかった。

 

GLORIA(GLORY)といえば栄光という意味だが、
栄にあるからそういう店名を名付けたのかと勝手に想像した。
由来は聞けなかった。しかし栄周辺は、さいきんは名駅(めいえき)(名古屋駅を名古屋の人はこう呼ぶ)に栄光を持って行かれ寂しくなったと地元の方はいう人。
確かに名駅はキラキラした背の高いタワーが建ち、今後はレトロビルの建て壊しも決まっている。新しいものが生まれることを受け入れざるをえないが、キラキラしたものよりも、相対的に勢いが、2番手、3番手の方にある方に惹かれる自分がいる。例えば私は野球には疎いが、なんとなく早実の清宮くんがフューチャーされていることはわかる(それくらいしか知らない野球オンチだ)。でも、彼の試合が取り上げられるたびに対戦相手も、ここまでくるのに大変な思いをしているのに、勝ってしまうと不評を買うのはなんかかわいそうだなと思ってしまう。
勝手に光の当たる側の反対側に感情移入してしまうのは、蟹座が太陽ではない月の性質を持つからだろ思っている(私は蟹座だ)
タイトルに影とあるが、決してネガティブな意味ではない。褒め言葉だ。

 

あ、船の話がない。船の話に無理やりもっていくとしたら、 GLORY号という名の船は多いということを書いておく。ということで今日はこの辺で。

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愛知県名古屋市東桜1-10-38

 【2017年4月訪問】

 

 

 

【愛知県:名古屋市東区】エーデルワイス 舵と彫刻と 味

今週は名古屋巡礼を振り返っている。今日はエーデルワイスを紹介する。
ここは名古屋市東区にある喫茶店だ。こうして書き出してみると、星の数ほどある喫茶店のなかから私が選ぶ基準がわかってくる。エーデルワイスには舵がある。やっぱり船が好きなんだ。

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ところで今日は何もすることがないので、占い師しいたけさんのブログを読破した。
そこで下記の蟹座の記載が腑に落ちたのでリンクしたいと思う。この記事は名古屋滞在中に見つけた。名古屋にきてまで喫茶店にしか入らないとは...少しあきれる。いや、喫茶店を目指して名古屋に来たんだからいいと思うが。
それにしても、喫茶店を3日で17軒も回っていると、いったいなにしてるんだろうと思うことがある。でも旅から戻ると大抵行ってよかったと思っている。


巡っているときは、「臨時休業」という魔物や、マッチがないかもしれないというハラハラソワソワする気持ちを分かってくれる人もいるだろう。貧乏性だからせっかく来たからできるだけ行っておきたいと思う。以前はもっと欲張りだった。大人になって諦める気持ちをこれでも覚えてきた。そんな堂々巡りの不安定な気持ちにあったさなかに、この記事を、発見して背中を押された。なぜここまで喫茶店に惹かれるか。その一つの理由がここある。しいたけさんに正当化してもらい、フニャっとなった。

ameblo.jp

 この文章が、すっと入ってこない人もたぶんいると思う。私はこういうスピリチュアルな世界が好きだ。
ひごろ緊張感をまとった私がフニャっとするのは、美味しいご飯にであったときなのだ。リンク先の記事に書かれているように、蟹座が人と対峙するときに力が入りがちな体癖だというのには納得する。でもはんたいに一人で美味しいご飯(食べ物)と対峙するときもフニャっとする。ご飯を目の前にして緊張しない。美味しい言う気持ちは、食べ物にたいしてもそうだが、インテリアなどにあらわれる店主の持ち味にたいしても感じる。

 

その点、エーデルワイスは素敵だった。店主のこだわりが詰まった、喫茶店とも博物館とも美術館とも定義できそうな〈エーデルワイス〉という独自のカテゴリーに収まるお店だ。

壁の彫刻はいい飴色だけど、もともとは白かったらしい。

 エーデルワイスには”高貴な白”という意味があるらしい。
飴色にしみたインテリアは味があって好きだ。

モーニングをしにいったので、この入館料が380円だとおもうと驚くほどだ。
茶店にも一人で訪問することが多いが、そういえばライブ鑑賞も一人でいって世界に浸るタイプだ。

 

名古屋の喫茶店は朝が早い。名古屋にくると朝型にシフトできると思う、私の場合だが。
茶店は大抵朝7時には開店する。ここには朝8時に到着していた。平日の朝は貸切状態で、贅沢な時間をすごした。コーヒーを飲みすぎるとカフェインの摂取量が多すぎるから紅茶にした(紅茶もカフェイン入っているけど!)
名古屋に多い3階層構造だった。1階の広々したソファー席に座り、舵のついた階段につづく中2階のおごそかな絵天井をぼ〜っと眺めた。
ぞんぶんにエーデルワイスの世界を堪能した帰りぎわ、マッチを求めた。
ここのマッチは可愛くて、ずいぶん前から欲しかったものだ(後日アップします)。マッチを集めていることを伝えると「集めてるんだ?何個集めた?」と笑いながら探しだしてくれた。手にひらに乗せると、これまたフニャっとした気分になった。
壁の彫刻はいい飴色だけど、もともとは白かったらしい。

 

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愛知県名古屋市東区東桜1-10-1

【2017年4月訪問】

【愛知県:名古屋市中村区】ロビン  海王丸のごきげんよう

純喫茶丸は今日も名古屋の喫茶店をいく。少し休憩も必要だが、動いている方が気がまぎれる。進まないといけない時がある。船も人の心も同じだ。
ロビンは、名古屋市の中村区にある喫茶店だ。
地下鉄の日赤中村駅で降りて、幾つか喫茶店を訪問したあとにやってきた。

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 ロビンは山之内遼さんが『47都道府県の純喫茶』で紹介していたお店だ。

www.j-n.co.jp

モーニングの時間に訪問した。ママがとても優しく明るく迎えてくれ、初訪問でも居心地が良かった。いろいろお話をしてくださった中、ぐうぜん山之内遼さんの話になった。かつてママの娘さんが純喫茶を巡っている山之内さんのブログをたまたま見つけ、ロビンのことをメールで伝えると、迅速な返信とともに間もなく実際に訪れたこと。
2〜3回しかあっていないのに、お孫さんがすぐに懐いてしまうくらいの好青年だったということ。
亡くなった時に家族で悲しんだこと。
「遼くんの本を読んでくれて嬉しい」とおっしゃっていた。
山之内さんは愛されていた。
山之内さんにすっかりなついたそのお孫さんが、小学生のころに、
初めて買ったポスターカラーで書いたというのが、このロビンのポスターだ。

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いろいろな喫茶店で看板を見てきたが、オリジナリティがあふれている。
一目で心を奪われた。


会話のとちゅう私が海の仕事に携わっていることを伝えると、
ママが横浜で練習船海王丸」の”登檣礼”を見学したはなしをしてくれた。
船乗りさんは正式な資格を取るまえに実習船に乗り、実地訓練を行う。
実際に船にのって操船と寄港を練習するのだ。
“登檣礼”(とうしょうれい)というのは練習船が出港する際におこなう儀式だ。
練習生が数十人、甲板から高さ50mほどのマストに登り、見送り人たちに「ごきげんよう」といい応援団のような挨拶をするのだ。
海上でてしばらく家を留守にする船乗りさんたち。家族や友人はさぞ心配だろう。
ママはその「ごきげんよう」という言葉にとても感銘を受けたらしい。ごきげんようは「さようなら」でもないし「またね」でもないと。


「長い航海に出ますが、無事に帰ってきますので、留守を宜しくお願いします」

という意味の言葉だと、感じたらしい。素敵な感性だと思う。名古屋の喫茶店で船の話で盛り上がるとは想像してなかった。ただそれは、ママがどんなお客さんとでも話が弾むよう、会話の引き出しを持っているからだと思う。

ごきげんよう。に対する思いや、素敵なインテリアや、お孫さん作の愛あるポスター。その豊かな感性が代々受け継がれている素敵な家族経営の喫茶店だった。

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 愛知県名古屋市中村区寿町36

【2017年4月訪問】

 

【愛知県:名古屋市港区】きっさ姉妹 椅子とチョッキ

純喫茶丸は名古屋港で食後のコーヒーを求めてはしご旅をしている。
ここで見つけたのは、”きっさ姉妹”だ。
名古屋ガーデン埠頭から歩ける場所にある。最寄り駅は、地下鉄の築地口駅だ、。

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名古屋港から、ひとつ先の”築地口駅”まで歩いてみようと決めた。
海岸通り(勝手にそう呼ぶ)を歩いた。どこかの喫茶店に入ろうと探し、どこにしようか目移りしているあいだに、あっという間に一駅が過ぎた。また少し引き返して、築地口駅からほど近くにある〈きっさ姉妹〉にしようとした。

 

透明の紅茶色のガラス扉にかかれた金色の”姉妹”の文字に惹かれる。
第一印象は、東京の築地市場にある喫茶店の雰囲気に似ているとおもった。
なぜそう思ったか?なぜだろう。木のテーブルだろうか。
綺麗に手入れされた木目調ののカウンターとテーブルが、統一されていて気持ちいい。椅子とマスターのチョッキも庇と同じ緑いろだった。
秩序正しく並べられたコーヒーチケットがインテリアの一部になっていて、
完璧なアートだった。

 

名古屋はコーヒーチケット文化が生きている。コーヒーチケットも印刷するのにコストがかかるはずだ。なのに名古屋では変わらずオリジナルコーヒーチケットが作り続けられている。それだけ、常連さんが多いということだ。お店が大事にされていているのだと思うと感動した。
オリジナルロゴのコーヒーチケットはそれだけで個性を感じる。
コストよりもおまけを、気概にサービス精神を、それにお店の個性を大事にしている名古屋の喫茶店がもっと好きになった。コーヒーカップもオリジナルロゴ入りを使うお店が多い。姉妹でもロゴ入りカップだった。

さて、メニューは迷うほど魅力的だった。コーヒー1杯と決めてはいったはずが”築地口の逸品”と書かれたコーヒーぜんざいが気になった。自己問答が始まる。
これも名古屋独特のメニューだよね。うん!決めた!

ワクワクしながら待った一皿は、台湾や香港のデザート屋さんのお皿のようでかわいかった。いままで知らなかったが、コーヒーにぜんざいがとても合う。砂糖の代わりにあんこというのがほどよい甘みなのだ。
名古屋独特のメニューを堪能でき、すっかり満足した。

この日の喫茶店巡りは姉妹で終了した。翌日の喫茶店巡りに備えて、純喫茶丸はホテルに停泊する。

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愛知県名古屋市港区名港1-19-15

 【2017年4月訪問】

 

【愛知県:名古屋市港区】FAT 復活したとんスパ

お腹が空いた純喫茶丸は、名古屋港からほど近い喫茶店に入る。このゆる〜いイラストの看板に魅了された。この辺の地名は「入船」という。港区入船という地名...かっこいい!最寄駅は地下鉄の名古屋港駅だ。

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Twitterでお世話になっている喫茶店仲間からここにマッチがあると聞いてやってきた。メニューは基本カレーやパスタだから、はしごするならお腹の具合に気をつけて!とありがたいアドバイスをいただいていたが、潮っ気をあびて小腹がすいたので、カレーがくらいなら入りそうだった。港からすぐそばにあり、ここに来るまでに他のお店へ浮気する隙もないし、ここは入店決定だ。

この看板のおじさんは、入ったらわかるが、マスター(ご兄弟でいます)にそっくりなのだ!ほのぼのする。さて、オーダーは何にしよう。
カレー類が豊富とは聞いていたが、めうつりする。メニュー表をくるくると、おもてにうらにしながら迷った。
ん?「なんだろう?とんスパって」気になるメニューがあった。そのお店の特別メニューがあれば頼むようにしているが、どうやらFATでは、〈とんスパ〉というものがおすすめらしいが、馴染みのない料理名だ。メニュー表によると、とんかつとスパゲティの組み合わせらしい。カレーがはいることを予定していたお腹に、とんかつを食べてもいいか相談する。

 

しばし迷っていると、店内に、ある日の新聞記事を発見した。


築地口のとんスパ復活!”


との見出しだ。どうやらとんスパは、20年ほど前に閉店してしまった名店のメニューを復刻したもののようだ。地元の人たちの声に応え、正式メニューにしたらしい。よし!これにしよう。カロリー?なにそれ。胃もたれ?大丈夫。
よし!もう迷いはない。

やってきた〈とんスパ〉は太麺のスパゲティの上に、トマトソースがかかったとんかつが乗っている。トマトベースの餡を、太めの麺に絡めて食べると美味しいのだ。
地元商店街にあるお肉屋さんのとんかつを使っているようだ。
とんかつはサクッと揚がっていて軽めだった。ペロリと完食した。すっごく美味しい。

 

 

kissafreak.hatenadiary.jp

 

店内に船や岸壁クレーンの写真がたくさんあったので、港に寄り添ったお店なんだと感じたので話しかけてみた。
「金城ふ頭に船が移っちゃって、働いている人たちもみんな向こうに行ってしまった」と少し残念そうのでだ。
「船の仕事してるの?かっこいい!」と言っていただき、単純な私は、お腹もいっぱいで心もいっぱいになった。

 

ここは港で働く人々の胃袋を支え、地元の方に愛され、名古屋港の観光客を喜ばせるお店だ。朗らかな明るい接客のお店だった。
しかもここのマッチは可愛い。

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愛知県名古屋市港区入船2-2-11

【2017年4月訪問】 

 

【愛知県】名古屋港とポートビル

純喫茶丸の 今回の目的地は、ここ名古屋港だ。いつもの弾丸の見切り発車である。
持ち物はスマフォと少しのお金だけ…。ここは名古屋港であっているか?駅名が名古屋港だからここであっていると思う。とにかく来てみた。

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見てみたかったのが、貨物船の岸壁のことだ。とある岸壁をこの目でみたかった。はず…だった。私が海や港が好きな理由は、水辺が好きだというのもあるが、船が係留している姿や、クレーンや岸壁施設の雰囲気も好きなのだ。
四六時中ビットやボラードの係船力について考える職場にいると、刷り込まれてくる。ビットやボラードとは、波止場にあるもので、よく映画で石原裕次郎さんが足を乗せてカッコつけているあの鉄の柱のことだ。

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⇧⇧これです⇧⇧


事務所で仕事をするのがメインなので、あまり現場に出向く機会はなく、岸壁の場所についてはあやふやだった。調査すればいいのだけど、半分行き当たりばったりくらいが面白いのだ。私の港巡りの旅は、移動手段は公共交通機関と徒歩にするのがマイルールで、 タクシーで乗り付けるのはダメとしている。そして関係者以外も立ち入れる範囲を行動している。そして、港ちかくの喫茶店を見つけて入る。

 

ここから近い喫茶店にはいったとき、名古屋港の話をよく聞くと、貨物船がつくのはここではなく、少し離れた場所にある「金城ふ頭駅」だという。この「名古屋港」は「ガーデン埠頭」と呼ばれている。かつてはたくさんの貨物船や客船が着岸したが、現在は水族館や南極船ふじの係留を呼び水にして、観光地として機能しているらしい。

 

貨物船は見ることはできなかったが、名古屋港は楽しかった。遠くに工場群が望めるし特に名古屋港ポートビルはお気に入りだ。客船をイメージした曲線美の館内は、白とブルーのタイルで穏やかな気持ちになった。
ガーデン埠頭は、青い空に白い建物が映える。1階の休憩室は無料で使用でき、船着場の待合室のようでエトランゼの気分だ。
風が強く寒い日は、屋内から海を眺めるたら気分がいいだろう。
きっと対岸が貨物船の岸壁だろうなと思う。金城ふ頭にいくのはまた今度でいいや。 海を見ていると「まぁいいか」という気持ちになる。
しかし、あたりにまったく人気がない。港ってあまり人気のないスポットなのかな〜と少し失礼な感想を持ったが、なんてことはない。
名古屋港ポートビルに訪問した月曜日は、休館日だったのだ。
嬉しいような悲しいような。未来系カプセルのようなエレベーターにのって、展望室にも登ってみたかった。休みだとわかるとリベンジしたくなる。

今日は外観だけを楽しむとしよう。

 

後日知り合いの船乗りさんにポートビルの写真を見せたところ「練習船で行ったところだ」と教えてくれた。
航海士や機関士になる人は、商船学校でまなび、練習船である帆船で乗船実習をする。例えば日本丸海王丸のように。船乗りさんは、練習船で名古屋に来たという。
私は勝手気ままに港町に遊びに来ているけど、誰かの軌跡を辿っているとしたらそれも面白い。港周辺の名港ビルディングも船員待合所も、レトロな建物ですっかり魅せられた。潮を大いに浴び、満足した私は、このあと名古屋港ちかくの喫茶店に入った。
その模様はまた明日かこう。

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 【2017年4月訪問】

 

【愛知県:名古屋市東区】ボンボン “乙女喫茶店とタイタニック”

純喫茶丸は今日も名古屋をいく。
ボンボンは名古屋市東区にある喫茶店だ。地下鉄の高岳駅が最寄りである。 

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見つけた瞬間、漆黒の海に浮かぶ豪華客船だと思った。
高岳駅から歩いていくと、暗闇に輝く一角がみえてくる。
明るい時間に全体像を見てみたいとも思ったが、灯りがともされた夜の姿がかっこよかった。

 

ここ、名古屋の喫茶店巡りをする際さいには、もともと絶対にリストから外せない喫茶店だった。くわえて、俄然行く気になった理由がある。
あの小倉トースト元祖の〈まつば〉のママとの会話がきっかけだ。
「これからまた他の喫茶店に行くの?」と聞かれ、「ボンボンです」と答えると、
意外な話が聞けた。以前、〈まつば〉でボンボンのケーキを提供していたことがあるそうさ。
ボンボンは当時〈山本製菓〉という名で、卸をおこなっていた。
ボンボンが卸をしていた話は聞いたことがあったが、じっさいに卸しを利用していたお店から話を聞けたので、縁が数珠繋ぎになったようで嬉しかった。

 

客船のような外観だが、店内はアメリカンダイナーのようだ。
アメリカンダイナーのようだ、というのは、よく喫茶店好きがつかう比喩だと思うが、きっと喫茶店が好きな人は映画も好きなのだろうと思っている。
よくハリウッド映画に出てくる。


この日は、なるべく店内が見渡せる窓側の端の方に座った。そこは禁煙席だったが店の内側が喫煙席だと思う。東郷青児氏の絵が飾ってある方だ。
ベージュとブラウンの椅子のインテリアが可愛かった。今度はそっち側に座ってみたい。

ここで頼むものは、サバランと決めていた。
夜に訪問したので、でショーケース内のほとんどが売切れていたが、サバランはまだあったので、ほっとした。洋酒にしっとりつけこまれたサバランに陶酔した。。

 

私が扱っていた船種は貨物船なので、客船の世界は疎い(お客さんとしていつか、乗ってみたいけど)
だから思い浮かぶ客船というと、いまだにタイタニック号だ。
当時、映画館で5回ほど見た。上映当時は船の仕事とは無縁だったが、なぜそんなに何度も観たのかというと、ディカプリオが好きだったからだ。


タイタニック号の事故が起こった当時、どうやら操船だの舵きりオーダー方法が混在していた時期だった。”舵をきれ”というオーダーには、基準にすべきが、柄(え)の向きなのか。舵の向きなのかが、人によって異っていた時期だ。国際的な統一のルールがなかった存在してなかった。と聞いたことがある。
そのあたりが、キーポイントなのだが、
日本語字幕では、その部分がどうやら誤訳している模様だ。
それをこの業界で仕事を始めたあとに知った。私の本業は海運用語の英訳だ。
その誤訳騒動(?)にとても興味を抱いたが、その話題に乗ってくるのは船乗りさんだけだった。それも、ちょっと偉い人たちだ。
つまり老練の船乗りさんである。陸上勤務の同僚に話すと、「そんなところ誰も気にしてない」と一笑に付された。

 

その後業務に忙殺され、タイタニックの誤訳事件のことも忘れていたが、
ふと、数珠繋ぎに思い出した。実はまだ検証はできてないが、私なりの結果が出たらまたいつかその話をしたいと思う。

 

ちなみにボンボンの発音だが、地元の方のアクセントは、おぼ
っちゃまのボンボンと同じだった。
ボンボンの創業者がその名をつけた理由は、

”運”の ”ん” がつく名前は、縁起がいいと思ったからだそうだ。
だから
”ん” が2回入る名前にしたそうだ。
でも、やっぱりフランス語の”  Bon”からとったのではないかと、
勝手に思っている。

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愛知県名古屋市東区2-1-22

 【2017年4月訪問】