純喫茶丸 8knot    〜喫茶店で考えた〜

2015年からの純喫茶訪問ブログ。純喫茶をはしごする船ということで”純喫茶丸”という船の名前がタイトルです。

【新橋】フジ

新橋付近の喫茶店シリーズをお届けする。
〈フジ〉は新橋の〈ニュー新橋ビル〉内の喫茶店だ。

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潔くシンプルで、それでいてお父さんのネクタイのような看板が好きだ。
たった二文字で『新橋』のイメージを表現している。
この主張がたまらない。〈ニュー新橋ビル〉は一歩足を踏み入れれば、時空が変わる。

サンプルケースも、合羽橋道具街の見本のような優等生ぶりだ。
この喫茶店のイメージは、昭和のサラリーマンで、且つ〇〇商事勤務である。

人の良さそうな真面目な人だ。渋い色のスーツに看板色のネクタイをつけた、
《当時の平均的な会社員》のメタファーである。

 

サンドイッチは、いつもいろいろな味が楽しめるので、ミックスサンドがいい。
新橋の復習をしにまた来たい。

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【2015年5月訪問】

【新橋】ポワ *閉店*

新橋付近の喫茶店シリーズをお届けする。〈ポワ〉は、新橋の〈ニュー新橋ビル〉内にある喫茶店だ。
この看板によく合う制服のウェイトレスさんがいる。

 

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名探偵にいそうな名前だ。ロゴデザインが可愛い。お麩みたいなものがついている。

 

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じつは、ティーサロンなのである。

 

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この時期は、ナポリタンを食べつくす、をテーマに茶店に通っていたころだろう。

 

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ケチャップが服に飛びちらない、しっかりした炒め系だ。
あの喫茶店ナポリタンの味の決め手はなんだろう。
きっと、フライパンに染み込んだ歴史の味なんだ。継ぎ足しダレのようなものか。

だから、ナポリタンの味は、喫茶店の数だけある。ここの味は、忘れられない。
そうだ、明日また行こう。

【2015年8月訪問】

 

【新橋】いまあさ

一旦海にまつわる名前の喫茶店シリーズはお休みする。ストックがなくなったからだ。

 これから、新橋の喫茶店シリーズを綴っていこうと思う。

 いまあさは新橋の喫茶店だ。新橋駅からすぐ近く、汐留方面にある。

〈今朝〉という、すき焼きやさんの地下にある。

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 この看板と同じデザインのマッチが欲しくて、2年ほど前に訪問していた。

茶店を訪問するときのマイブームというか、そのときどきのテーマがあり、

このときはマッチのある喫茶店に集中的に通っていた頃のはなしだ。

 

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マッチにピンときた喫茶店は、だいたいインテリアも好みなのだ。
新橋の駅前のビルは、たいていレトロで素敵だ。

 

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私はこのタイプのガラス扉が好きである。手動の、重たいガラス扉だ。
妖しさと色気を感じる喫茶店だ。

 

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この店は平日のみ9:00〜17:00までの営業なので、なかなかフルタイムで
土日休みの仕事をしていたら来れないかもしれない。 

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平日休みをいただき、どこかに出かける前のモーニングに寄った。
休みの日は、朝がさらに弱くなるはずなのにモーニングのためには
起きられる不思議である。

 

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ちょっとカーブがかっている店内だ。ずらりと並ぶチェアーが圧巻である。
仄暗くて、渋いのがいい。

 

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いつかのJALの広告ポスターが貼られていた。
ロゴから70〜80年台位のものだと想像する。

この喫茶店のじかんは、その頃のままだ。

この日のお供は、カズオ・イシグロの『日の名残り』だ。
カズオ・イシグロにはじめて出会ったのは、大変お世話になった方が聴いていたジャズの作詞家が彼だったからだ。

そのつながりで文学の方も手に取ってみた。【2015年5月訪問】

 

【押上】マリーナ

海にまつわる名前の喫茶店シリーズを綴る。マリーナは押上にある喫茶店だ。
看板のオレンジとマリンブルーの色合いに惹かれる。舵のマークがついているところもポイントだ。

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ここマリーナに限り、看板のオレンジ=ナポリタンの色だと勝手に思っている。

 

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団地やマンションの1階に喫茶店がある光景は、昭和の名残りだ。

 

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私が喫茶店にくる理由は、ただ”好きだから”なのだが、
好きにもいろいろ種類があることに気づいた。

 

茶店のメニューが好き。
マッチが好き。
建物が好き。
インテリアが好き。
本が好き。
マスターやママや常連さんとのおしゃべりが好き。
音楽が好き。
写真が好き。
色彩が好き。
ぼーっとするのが好き。

 

私の”好き”は、だいたいが喫茶店に来ると叶う。

 

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ファッションでも、この濃い青とオレンジのコーディネートが好みだが、
マリーナが好きなのは、きっと青とオレンジが強烈な印象を残しているからだろう。

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一方で、クリーム色とコーヒー色をした組み合わせのソファがあったりする。
交互に配色されているのが粋である。飴色の落ち着いた色合いの喫茶店も好きだが
気分を盛り上げたいときや元気を出したいときに、〈マリーナ〉のような
カラフルな色彩の喫茶店が効くのである。

 そうそう、この日の好きは、喫茶店のメニューだった。
ナポリタンが恋しい。

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このあたりに来ると、私の好きがもう一個ある。
鉄の塊が好きだ。
浅草に鎮座するスカイツリーがそうだ。

 

マリーナに来ると”好き”にいっぱい出会える。

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”好き”を探すと、幸せにいきられる。 
この日のお供は、『白鯨』の下巻だ。海がモチーフの喫茶店で海洋文学を読むのが至福なのである。

【2015年5月訪問】 

【静岡県:熱海市】ナギサ 2階 カフェレストラン

海にまつわる名前の喫茶店シリーズをお届けする。〈ナギサ〉は熱海にある喫茶店だ。
1階がコーヒー店で、2階が海が見えるカフェレストランという構造だ。f:id:saria444:20170401212847j:plain

ナギサの外観である。見つけた瞬間、飛び上がるほどのかわいさだ。
脳内は、すでに事前にネット検索で見た花が添えられたパフェの画像でいっぱいだ。

1階に飛び込んだのだが、私の目当ては、2階のカフェレストランで提供しているもののようだ。慌てて2階にあがる。

下調べをちゃんとすればいいのに、テンパってしまう。
テンションがあがると、あわててしまう。

レトロさでは、1階のコーヒー店の方が好みだが、それはまた次回のお楽しみだ。 

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↑↑この画像は1階のコーヒー店のガラス窓だ。紛らわしいが、気に入ったので載せる。

 

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これぞ、ザ・熱海という店構えである。

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本当、この看板好きだ。フォント、可愛い(ダジャレになってしまった)。
この入り口から入店し2階に上がった。

 私の場合、水が見たくなったらストレスがたまってきている証拠だ。
いざ!海の見えるレストランをめざそう!

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わー。わくわくしながら待っていた素敵なチョコレートパフェである。リゾート地らしく花が添えられている。ロイヤルブルーのクロスに映える逸品だ。

 

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ちょっとピントがボケてしまったが、可憐なマッチとともに撮影した。
もう、完璧すぎる!
ヨットにパフェにチョコに海だ。
幸せの最高潮である。

 

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ナプキンもいただいた。

 

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逆光だが、お店からこんな感じで海が見える。
まだ肌寒いのでテラス席には出なかったが、夏だったら外で食事するのも、
気持ちよさそうだ。

 

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ステンドグラスにもヨットがいる。

 

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舵もあった。随所にマリンモチーフがみられる。

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レジ脇のこの一画が好みだった。

 ここで気合が入った。

〈熱海弾丸日帰り喫茶店巡り〉のいい舵きりとなった。

【2017年3月訪問】

 

【押上】珊瑚

海にまつわる名前の喫茶店シリーズをお届けする。
珊瑚は押上にある喫茶店だ。

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下町の一軒家喫茶店である。

 

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黒板タイプの看板がある。ドリンクの広告がついているのはよく見るけど、
このタイプにはなかなかお目にかかれない。
coffeeの斜体フォントが可愛い。

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珊瑚は、壁の銅版画が圧巻なのだ。
経年で味わいをましている。

 

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半円のまぁるいソファの造りも珍しい。
ベルベットがつやつやで、触り心地が良い。

 

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純喫茶でよく見かける、茶色のモザイクタイルのテーブルもすきだ。

 

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この日のオーダーしたものは、店名が〈珊瑚〉なだけに、
海鮮つながりだ。だから、あさりのボンゴレにした。

 

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目の前にある、石造りの壁をみながら思う。
建築法の関係で、現代では使えない資材があるはずだ、
同じものは再現できない可能性がたかい。

 

アートや遺産の価値が希少性にあるなら、
街の純喫茶のインテリアも、じゅうぶんそうである。

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希少価値があるかないかという基準より、
心でいいと感じたら、それが芸術だよなぁ。

 

しかしこの石は何の素材はなんというのだろう。
フカミドリのベルベットのソファにとてもあっている。

 

心が豊かになった土曜日のお昼。この日のお供は『異国船漂流記』だ。
場所は日本、時は鎖国で海外と断絶していたはずの時代である。

政府レベルではない商船を通して、日本人は外国人を見ていたのだ。
日本に漂流し困まっていた外国人を助けた、日本各地の海沿いの町の話だる。
ノンフィクションの人情も物語である。

 

【2016年4月訪問】

 

【愛媛県:今治市】寄港地

海にまつわる名前の喫茶店シリーズをお届けする。
〈寄港地〉は今治にある喫茶店だ。今治港の目の前にある。

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今治はレトロさが残っていて大好きな街だ。純喫茶もたくさんあって選びきれないほどである。だから、直感でいいとおもったネーミングの店にきた。

 

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今治に寄港する船や、港で働く人たちのための、あたたかい場所だ。

11月の潮風はすでに冷たく、身も心も暖をとれる喫茶店の存在は、
とてもありがたいと思う。

 

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 わたしも温かいものを欲していた。

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茶店でたこ焼きは初体験だ。多いかも?と心配した量も、
出汁につけたり、ソースをかけたり、味変を楽しんでいたら、
あっというまに完食だ。 

港近くの喫茶店で時間を過ごしてたあの作業服のひとは、また乗船していくのだろうか。あ、でも、港の作業員さんかもしれない。遅めのランチだろうか。

背中が語る職人物語を勝手に紡いでいた。

【2016年 11月訪問】